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2011年大胆占い1Q見直し

2011-04-03 23:46:59 | 社会・経済

何が起ころうと時計は進む、というのが今の心境だ。未曾有の大震災に見舞われても3月は終り新年度が始まった。時計に自粛という言葉は無く、時間は刻々と進んでいく。こんな最悪な時に、例によって私の大胆占いがどうだったか3ヶ月毎に見直す時が来た。

予測では「今年は世界が国内事情の対処に追われ内向きの年」になり、リーマンショック後の経済回復は緩やかになると予想した。リスク・ファクターとして、①中国の不動産バブル、②欧州のソブリン危機、③米国経済回復が停滞した場合の悪影響を指摘した。

だが、世界は激変した。誰も予想しなかった「中東革命と東北大震災」がリスク・ファクターに加わった。これが「大胆占い」にどの程度影響を与えるだろうか。正直なところ色んなことが一度に起きてまだ咀嚼できてない。とりあえず数字より状況をどう見るか定性的な見直しに留めたい。

想定リスクは小幅+、想定外リスクは中幅-

米国の経済回復は予想以上に雇用改善が進み出口戦略が具体策として議論されるようになった。中国は安定成長を目指し物価上昇の抑制に躍起になっているが、対応策の実効性はやや不透明だ。一方、欧州ではついに信用危機がポルトガルに波及したが意外に危機感が無いように感じる。リビア情勢と日本の原発危機報道で影が薄くなったのか、私には時限爆弾の音が聞える。

実は先週末に世界の株式市場は日本を除き東北大震災前の水準まで回復した(日本経済新聞4/2)。少なくとも投資家は世界経済に大きな影響は与えないと自信を取り戻した。最大の懸念は中東革命で現面の焦点はリビア動向、経済に置き換えると原油価格動向である。原油価格は先週1バレル$108を超え、更に上昇すると世界経済の下ブレ要因になり影響が心配される。

総合すると2011年世界経済の残り9ヶ月の二大リスクは、今日時点では「欧州ソブリン危機と中東革命の行方」であると私は考える。日本の原発事故は原油価格にも悪影響を与えるだろう。IMFは1月に世界経済成長率を4.4%に上方修正(私は4%半ばと予測)したが、次回は据え置きか若干の下方修正になると予想する。

欧米の建前と本音の民主主義

世界経済における中国の存在感の高まりが、欧米主導の民主主義が問われる事態になると予想したが、全く別の形で起こった。それは中国ではなく、本家本元の欧米だった。中東の独裁政権に対する民主革命の支援のあり方で、欧米の民主主義の建前と本音が問われたことだ。

英仏は石油欲しさにリビアのカダフィー独裁政権を支援して来た。最初介入に逡巡したが、反政権運動の高まりを見て「早急に石油供給を安定に回復させるため」積極的な軍事介入に転じた。一方内向きになった米国民はリビア介入を支持せず、NATO指揮下の軍事介入に転換した。

民主主義を国是とする米国にとっては歴史的な転換点だったはずだが、米国民はアフガン・イラクに続き戦争はうんざりという姿勢をあらわにし、大統領も建前を貫き通す余裕が無かった。一方で、米軍基地があるバーレーンでは独裁政権を支持するという矛盾を抱えることになった。

反独裁政権運動にアルカイダが潜伏している可能性を考えれば、現実的な対応を非難は出来ない。次のターゲットとなる中東の独裁国の対応で、失われた一貫性が再度問われるだろう。日本の原発事故と同じで、中東情勢が直ぐには落ち着かず尾を引きそうだ。その一方で、米国軍の史上稀に見る手厚い日本支援は仮に思惑があるとしても、今後長く記憶されるだろう。

日本は驚異的な速度で回復する

平安時代に遡るような規模の大震災に襲われ甚大な被害を被ったが、日本は既に復興モードに入っている。誤解を恐れずに言えばこれ程の大地震が他でもない東北地方に起こって良かった。テレビ映像が伝える東北の被災者達の立ち直りの早さは目を見張るばかりだ。私の田舎をけなす訳では無いが、気候温暖でノンビリ育った南国人ではとてもこうはいかないだろうと思う。

私の予想では、個別地域や個別産業の世界が驚くような速度で復旧しそうな気がする。逆にそう出来ないと、数ヶ月で日本製の代替製品が出てくる。そうでなくとも中国のレアアースのように日本の部品や素材に頼るリスクを世界は見直すだろう。物凄いハードワークで現状復帰を目指して頑張り、年末になってみるとGDP成長率は1%前半(-0.5%)を達成し世界は驚くだろう。

あるべき姿を見直す機会

だが現状復帰でいいのか。問題は経済に限らずマクロで見た復興後の日本全体の姿をどうするかだ。エネルギー論からリスク耐性の高いシステムまで日本全体として考えるべきことだ。今まで立ち止まって考えることが出来なかったが、今こそ絶好の機会だ。この領域は日本は余り得意じゃない。目先の話から御伽噺まで既に議論百出だが、抽象的な提案に留まり方向が見えない。

これでも私の考える大胆占い見直しベスト・シナリオだ。個別ファクターの回復は国民性と驚くべき効率のよいシステムで実現しそうな気がする。だが、それはトータルとして日本のあるべき未来の姿かどうか定かではない。目先の議論に負けない速度で全体像を描けるか、簡単ではない。私は楽観的なれない。それが原発事故収束が見えてきて、連立政権成立後だとすれば手遅れだ。■

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