選抜高校野球に続き、米国ではMLBが先週から開幕し熱戦を繰り広げている。野球の季節が始まった。日本のプロ野球は開幕時期を巡りゴタゴタしたが、来週12日には両リーグ同時開幕で決着した。先週末には12球団チャリティマッチが実行され11万の観衆を集めたという。
だが、先に行われた日本代表vsJリーグ選抜に比べ、メディアの扱いにおいては注目度が低く盛り上がりに欠けた印象は免れない。大相撲は八百長問題の泥沼から抜け出せず、日本の実質上の国技は疑い無く野球だった。だが、東北大震災はサッカーが国技と錯覚させる場面を作った。
何故そうなったか。私は、プロ野球(プロ野球機構NPBと選手会)は開幕時期を巡って対立した時、ボタンの掛け違いをしたように感じる。先の記事「プロ野球は予定通り開幕すべき」で、(被災者を励まし復興に貢献するという)目的を明確にしてやれば、やりようがあると投稿した。
だが、報道を見る限りNPBは復興よりビジネスを優先していると思われ、パリーグと同時開催を主張した選手会の(自粛)主張が通った形となった。端的にいえば議論が自粛すべきか否かに矮小化されてしまった。NPBはシンボルだが、日本の社会の他の多くの領域でもこのパターンに陥っている。
プロ野球は日本最大のスポーツビジネスであり、トータルで選手達が得る報酬も他を圧倒する規模である。国際的な競技レベル、競技人口とファン及び観衆数、伝統と伝説、どれをとっても国技と言って恥ずかしくない。であるからには、他にやりようがあったはずだ。
NPBはお手本になり実質的にも先頭に立って復興に貢献する姿勢を見せるべきであった。だが、この人達は金儲けしか考えてないと思われてしまった。選手会も傍目を気にして自粛するアピールをしただけのように感じる。国技はサッカーに明け渡す積りか。こうなったら仕方がない、失った信頼を取り戻すために全力を尽くして欲しい。■