想定外の怪我で食事を簡単済ませざるを得ず食材が余った。野菜など生ものはゴミ捨てに出さず家庭菜園に捨てた。昨日実家を出る時余り物を昼食にした。ウィンナーとゆで卵、バナナ、ありえない組み合わせだが、少なくとも機中のエネルギー供給にはなる。昆布豆とかゆず味噌などのプラスチック・ケースに入っているものは、そのまま下着や本と一緒にカバンに放り込んだ。持ち運び困難な豆腐等はご近所におすそ分けした。冷蔵庫、クリア!
困ったのが、近所のオバサンに頂いた柿とカフェの娘に貰ったみかんだ。野菜と違って捨てられないし、近所の誰かにあげるのも気が咎める。飛行機に乗るまでに何とかしようと、空港行きの直行便バスの止まる営業所に向かった。営業所に数人いたのを見つけ是非食べてくれと勝手にカウンターに並べた。強引に押し付けると職員は笑ってそれ以上断らなかった。半分片付いた。
空港に着いた時には次のターゲットが定まっていた。娘夫婦が来てくれた時しまなみ海道サイクリングを勧めてくれた可愛い案内嬢だ。幸い彼女が担当の時間だったようだ。パンダ目の包帯をしたジーサンなのに聞くと顔を覚えていてくれた。「娘は乗り気じゃなかったが、代わりに私が自転車に乗り、お蔭でこんな怪我をした。責任を取ってほしい。」と笑いながら迫った。
間をおかず、「この怪我は君が勧めたせいだ、だから柿とみかんを受け取ってほしい。」と言い、カウンターに柿とみかんをドンドン置いた。彼女は「私、柿大好きです。有り難うございます。」と大喜び。これで袋に残ったのは数個で、お店で買ったお土産を入れる袋に変わった。途中で捨てなくて良かった。多分、営業所の人も案内嬢も次まで私のことを覚えていてくれるだろう。
機中で食べたウィンナーと卵はマズマズだったが、バナナとコーヒーの組み合わせは不味かった。正に栄養補給だけ。自宅に帰り夜になって家族で食事する時、私が持ち帰ったものは誰も手を付けなかった。飛行機に乗って付加価値を付けたはずなのに賞味期限切れで捨てられるかも。■