シャープ叩きが横行
シャープの救済劇を報じる最近の報道に余り好意的な記事を見かけない。同社の苦境は寄ってたかって袋叩きされる、真に「水に落ちた犬」が叩かれる状態だ。一般論として私はこういう状況は好きじゃない。原因は何であろうと弱って必死で生き延びようとする者を叩く姿は私には美しくなく見える。
これを見て福島第一原発事故を報じるマスコミの姿に、放射能汚染の危険を顧みず英雄的に対応する人達を評価し勇気づけられないのかと失望したのを思い出した。放射能汚染に関わるもの総て一緒くたに非難する姿勢は、ジャーナリストやその道の専門家にあるまじき「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的な評論だと思った。
私もシャープと付き合いがあった
ここまで言っておいてシャープの悪口を言うのは気が引けるが、私もかつて仕事で同社と付き合った経験からいうと良い思い出が全く無い。それは90年代初め頃だったと思う。初期のモノクロの液晶ディスプレイが出始め、産業用機器のモニター用に実用化され始めた頃だったと思う。
シャープは既に液晶ディスプレイ技術の先頭を走って高い評価を受けていた。当時私は先端部品購入の技術責任者で、シャープの営業マンに来て貰い液晶ユニット購入の可能性について話し合いを始めた。交渉は入口に入る前から噛みあわなかった。印象に残っているのは彼等は他社の営業とは著しく違ったことだ。
高慢だった営業マン
彼等は私の常識では考えられない程高飛車だった記憶がある。ソニーや富士通など我が国のトップを走る最先端機器メーカーの営業マンとは違った。シリコンバレーに代表される海外メーカーの営業マンの自信たっぷりの売り込みとも違った。彼等は自社製品を使えば商品が魅力的になると強引に売り込んできた。だが、シャープの営業マンは強気といっても高慢で本当に売る気があるのか疑わしく感じた。
良く言えば、それだけ自社の商品に自信を持っていたのかもしれないが、私には彼等は高慢で不愉快な印象が残った。何故こんな営業教育をしたのだろうか理解できなかった。振り返ると会社勤めの中でも珍しい異常な経験だった。上記の「水に落ちた犬を叩く」的記事を読むと、似たような経験をされた人の記事があったから私だけではなかったようだ。
経営者の責任?
その後、社運をかけて液晶カラーテレビに集中する決断をし「大」成功したが、その経営判断は一本足打法と言われたように環境変化に脆弱で今日の苦境の原因となった。素晴らしい商品を生んだ技術者を抱えながら一方で普通じゃない営業マンがいたのは、個人だけの問題ではないと思った。トップに立つ経営者のどこかに間違いを起こす何かを育んだのだと思う。これも「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式発想かな?
最後に「水に落ちた犬を打つ」は、米大統領候補予備選で圧倒的に優位に立っているトランプ氏の隠れた指南書にある取引上の重要な戦略(WSJ3/4)だそうだ。おやマー。■
シャープの救済劇を報じる最近の報道に余り好意的な記事を見かけない。同社の苦境は寄ってたかって袋叩きされる、真に「水に落ちた犬」が叩かれる状態だ。一般論として私はこういう状況は好きじゃない。原因は何であろうと弱って必死で生き延びようとする者を叩く姿は私には美しくなく見える。
これを見て福島第一原発事故を報じるマスコミの姿に、放射能汚染の危険を顧みず英雄的に対応する人達を評価し勇気づけられないのかと失望したのを思い出した。放射能汚染に関わるもの総て一緒くたに非難する姿勢は、ジャーナリストやその道の専門家にあるまじき「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」的な評論だと思った。
私もシャープと付き合いがあった
ここまで言っておいてシャープの悪口を言うのは気が引けるが、私もかつて仕事で同社と付き合った経験からいうと良い思い出が全く無い。それは90年代初め頃だったと思う。初期のモノクロの液晶ディスプレイが出始め、産業用機器のモニター用に実用化され始めた頃だったと思う。
シャープは既に液晶ディスプレイ技術の先頭を走って高い評価を受けていた。当時私は先端部品購入の技術責任者で、シャープの営業マンに来て貰い液晶ユニット購入の可能性について話し合いを始めた。交渉は入口に入る前から噛みあわなかった。印象に残っているのは彼等は他社の営業とは著しく違ったことだ。
高慢だった営業マン
彼等は私の常識では考えられない程高飛車だった記憶がある。ソニーや富士通など我が国のトップを走る最先端機器メーカーの営業マンとは違った。シリコンバレーに代表される海外メーカーの営業マンの自信たっぷりの売り込みとも違った。彼等は自社製品を使えば商品が魅力的になると強引に売り込んできた。だが、シャープの営業マンは強気といっても高慢で本当に売る気があるのか疑わしく感じた。
良く言えば、それだけ自社の商品に自信を持っていたのかもしれないが、私には彼等は高慢で不愉快な印象が残った。何故こんな営業教育をしたのだろうか理解できなかった。振り返ると会社勤めの中でも珍しい異常な経験だった。上記の「水に落ちた犬を叩く」的記事を読むと、似たような経験をされた人の記事があったから私だけではなかったようだ。
経営者の責任?
その後、社運をかけて液晶カラーテレビに集中する決断をし「大」成功したが、その経営判断は一本足打法と言われたように環境変化に脆弱で今日の苦境の原因となった。素晴らしい商品を生んだ技術者を抱えながら一方で普通じゃない営業マンがいたのは、個人だけの問題ではないと思った。トップに立つ経営者のどこかに間違いを起こす何かを育んだのだと思う。これも「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」式発想かな?
最後に「水に落ちた犬を打つ」は、米大統領候補予備選で圧倒的に優位に立っているトランプ氏の隠れた指南書にある取引上の重要な戦略(WSJ3/4)だそうだ。おやマー。■