かぶれの世界(新)

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大震災5周年+1日の報道

2016-03-13 16:59:01 | ニュース
3.11の翌日の報道を見て我が国の抱える深刻な「病」を改めて実感した。と言っても実際に見たのは朝日新聞とNHKの番組だけだ。二つのマスコミを選んだのは単にアクセスし易いメインストリームのメディアで、朝日が日本を代表するリベラル紙、NHKが最もよく見られているテレビ局だからだ。

ざっと要点を読んだだけだが、昨日の朝日新聞を読んだ人は5年前の大震災とは原子力発電所の事故だったと思うはずだ。原発事故に関連する記事が紙面を殆ど埋め尽くしていた。一昨日投稿したように2万1千余の震災犠牲者の方々はほぼ無視された格好だ。

この未曽有の自然災害の犠牲を無駄にしないよう如何にして将来に備えるか、それが大震災の教訓であり国民的にレビューしていくべきだったはずだ。朝日が原発事故関連に集中したのは想定内のことだが、ほぼ紙面を埋め尽すほどまで徹底したのは驚いた。ここまで来ると弊害の方が大きいと考える。

もう一つはNHKの視聴者参加番組で、殆どは被災地の高齢者達だったように思う。復興が長引き加えて被災者の人達に個別の家庭的事情が重なって、見ていて気の毒で同情に耐えなかった。彼等に自助努力で頑張れと言っても、もうそういうことすら出来そうもない老人達のようだった。現実には余計な費用がかかりそうだ。

逆説的に言うと、この番組の様に復興は高齢者の声が強く反映され、中々若者の声を取り入れた未来志向にならないと感じた。この風景は大震災の復興だけではない、日本が共通に抱えている問題の縮図だと思った。国の予算のかなりの部分が高齢者の為に使われ、それでも不足と主張して国に借金させ若者に支払わせていく。

番組ではそういった高齢者が困るような矛盾を指摘することなどなかった。その問題があるのはわかっているが、番組がシニア民主主義を助長する恐れありとは考えなかったようだ。だが、議論されたように復興が高齢者の為のもので、若者の手による未来志向でなければ彼等が故郷に帰って来ることはないだろうと思った。

この二つが報道の傾向を示す全てではないが、こういった木を見て森を見ない(と私には見える)報道が我が国を誤った方向に導き、再び長い停滞を引き起こす素地を作る恐れが無いとは言えない。単細胞みたいに政権監視を繰り返すだけでなく、物事の捉え方をもう一層深い所で見直す謙虚さを求めたい。■
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