昨年末の自宅建替え契約後、毎週日曜の午前中は三鷹にある建築会社のショールームで詳細仕様打合せをやってきた。間取りから始めて台所や風呂の詳細とか床や階段まで総てを顧客の希望を確認して決める。家の新築・改築を何度か経験したが、注文建築といってもこんなに詳細まで決めるのは初めてのことだ。勿論、選択肢には制約があって、それを越えるとコストアップになる。と言っても選択肢は選びきれないほどある。
昨日は屋根・外壁からシャッター、サッシのフレームやドアなど外側から見える総ての色とか表面仕上げを議論した。いわば家の顔がどう見えるか決める作業だ。1週間前に相続主の次男と家内、私の3人が出した3試案を作成、それを基に建設会社がシミュレーションして南西と北東から見える2次元モデルを作ってくれた。
我々3人とも外観に余りこだわりが無く、内部の居住環境の方が重要だった。しかしいざ検討を始めてみると、息子と家内の案は汚れが目立たないという理由で黒をベースとした外観で似ていた。私はこれを見て折角シミュレーションしてくれるのに比較にならないと、南欧系を意識して彼等とは全く違う色使いの家を提案した。
白い壁をベースに濃茶のアクセント・カラー、濃い緑の屋根、薄緑の玄関ドア、サッシは光沢のある茶系のフレーム、白い破風等だ。息子や家内はそれを聞いた瞬間に顔をしかめてセンスがないと酷評した。特に、南欧風飾り付き窓がある薄緑のドアと聞いて、速攻であり得ない選択だと嫌がった。ある意味狙い通りの反応だった。
会議の席上で彼等の酷評を聞いて、「どちらがセンスあるか長男と娘達にシミュレーション結果の意見を聞こう。ファミリーコンテスト、ファミコンだ。」と私は提案した。嫌がる息子と家内の顔を見て私は面白がっていた。担当の若い女性建築士は「家で話し合わなかったんですか?コンテストなんて初めて。」と驚いた様に言った。
4日後メールで送られてきた外観モデルに誰の案か知らせず、「好きか嫌いか・センスがあるか・住んでみたいか・安っぽいか、誰の案か」等の質問をつけて長男と娘宅に送った。次男と家内の期待を裏切り、娘夫婦は二人とも私の案が良いと返事が来た。理由は家そのものより周囲の環境を考えると白い壁が良いというもの。私は大得意になったが、次男は「最後に決めるのは俺だからね」と強弁した。緑のドアなんて絶対認めない!
昨日午前中の建築会社との打合せで次男と私の案に絞り、家内の案を加え見えて来た修正点を手直しして再度シミュレーションすることになった。その午後に近くまで来た長男の家族が我々の仮住いの様子伺いに団地の狭い部屋に来てくれた。長男は自分の育った家の跡を一度見ておきたかったようだ。5歳と2歳の孫は見るたびにドンドン成長する頃で、狭い団地の部屋は一気に賑やかになり楽しい時を過ごせた。
落ち着いたところで長男に外観モデルについて意見を聞いた。愉快だったのはモデルの作者が誰かについてだった。娘の夫君は整った(真面目な)案は私、それによく似た案は次男作、白壁案は家内作と先に返事してくれた。長男も最初そう考えたそうだ。しかし一晩経って、私がそんなまともな案を考えるはずがない、次男と家内が「クソ真面目な案」を作るはずだから、トーちゃんはきっと「変てこな案」にするはずと思ったという。
それを聞いて私は大笑いに笑った。ドンピシャリだった。私が何故そうしたか心理状態まであてた。「大正解!さすが我が息子!凄いプロファイリングだね!」と叫ぶと、彼はしたり顔になり周りの皆は大笑いした。図面を見ただけで家族の誰が作者か分かるとは思わなかった。その後全員揃って駅前のレストランで食事し、長男家族は都心に戻っていった。幸せな一時だった。■
昨日は屋根・外壁からシャッター、サッシのフレームやドアなど外側から見える総ての色とか表面仕上げを議論した。いわば家の顔がどう見えるか決める作業だ。1週間前に相続主の次男と家内、私の3人が出した3試案を作成、それを基に建設会社がシミュレーションして南西と北東から見える2次元モデルを作ってくれた。
我々3人とも外観に余りこだわりが無く、内部の居住環境の方が重要だった。しかしいざ検討を始めてみると、息子と家内の案は汚れが目立たないという理由で黒をベースとした外観で似ていた。私はこれを見て折角シミュレーションしてくれるのに比較にならないと、南欧系を意識して彼等とは全く違う色使いの家を提案した。
白い壁をベースに濃茶のアクセント・カラー、濃い緑の屋根、薄緑の玄関ドア、サッシは光沢のある茶系のフレーム、白い破風等だ。息子や家内はそれを聞いた瞬間に顔をしかめてセンスがないと酷評した。特に、南欧風飾り付き窓がある薄緑のドアと聞いて、速攻であり得ない選択だと嫌がった。ある意味狙い通りの反応だった。
会議の席上で彼等の酷評を聞いて、「どちらがセンスあるか長男と娘達にシミュレーション結果の意見を聞こう。ファミリーコンテスト、ファミコンだ。」と私は提案した。嫌がる息子と家内の顔を見て私は面白がっていた。担当の若い女性建築士は「家で話し合わなかったんですか?コンテストなんて初めて。」と驚いた様に言った。
4日後メールで送られてきた外観モデルに誰の案か知らせず、「好きか嫌いか・センスがあるか・住んでみたいか・安っぽいか、誰の案か」等の質問をつけて長男と娘宅に送った。次男と家内の期待を裏切り、娘夫婦は二人とも私の案が良いと返事が来た。理由は家そのものより周囲の環境を考えると白い壁が良いというもの。私は大得意になったが、次男は「最後に決めるのは俺だからね」と強弁した。緑のドアなんて絶対認めない!
昨日午前中の建築会社との打合せで次男と私の案に絞り、家内の案を加え見えて来た修正点を手直しして再度シミュレーションすることになった。その午後に近くまで来た長男の家族が我々の仮住いの様子伺いに団地の狭い部屋に来てくれた。長男は自分の育った家の跡を一度見ておきたかったようだ。5歳と2歳の孫は見るたびにドンドン成長する頃で、狭い団地の部屋は一気に賑やかになり楽しい時を過ごせた。
落ち着いたところで長男に外観モデルについて意見を聞いた。愉快だったのはモデルの作者が誰かについてだった。娘の夫君は整った(真面目な)案は私、それによく似た案は次男作、白壁案は家内作と先に返事してくれた。長男も最初そう考えたそうだ。しかし一晩経って、私がそんなまともな案を考えるはずがない、次男と家内が「クソ真面目な案」を作るはずだから、トーちゃんはきっと「変てこな案」にするはずと思ったという。
それを聞いて私は大笑いに笑った。ドンピシャリだった。私が何故そうしたか心理状態まであてた。「大正解!さすが我が息子!凄いプロファイリングだね!」と叫ぶと、彼はしたり顔になり周りの皆は大笑いした。図面を見ただけで家族の誰が作者か分かるとは思わなかった。その後全員揃って駅前のレストランで食事し、長男家族は都心に戻っていった。幸せな一時だった。■