かぶれの世界(新)

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英EU離脱は遺伝子のなせる業

2020-02-03 16:15:32 | ニュース
日本時間の一昨日朝、英国は正式に欧州連合(EU)を離脱した。経済的には年末までは現行のままの関係が保たれるが、それまでにEUと通商条約等を結ばないと他国扱いされ混乱になるらしい。2016年に国民投票でEU離脱が国民の意志であると示されて以来続いた分断と生産性のない意見対立が一応終わった。

当初は英国民がこんな馬鹿な決定をするはずがない、最後には理性的な判断をするだろうと私を含め多くの人は期待する気持ちがあったはずだ。何故こんなことになったのか、「グローバリゼーションやディジタル経済による経済格差拡大を、大量の移民受入れが下層階級の怒りに拍車をかけた」というのが一般的な説明だった。

しかし、どうもそれだけではない。例によって天邪鬼で根拠があやふやな私見を紹介したい。

それは英国特有の遺伝子に起因すると考える。英国の長い歴史が作り出したと感じる。そもそもEUは第2次世界大戦後に激しく戦った独仏蘭等が、もう2度と戦争をしないと誓いEUの前身欧州共同体(EC)を作った。その後、経済的メリットに惹かれ英国はEUに加盟した。そもそもEUの起源の精神を激しく共有してなかった。

私が若い頃教わった国の印象はあやふやだが、英国はプラグマティズム(実用主義)の国、米国は功利主義、欧州大陸は原理主義だった。英国は大陸の「不戦の理想」を横目で見ながら、超大国米ソに対抗するためには経済的に大陸と一体になって対応した方がメリットがありそうだと考え加盟した。

ところが50年も経たないうちに上記の格差拡大にEU拡大と難民受入れで国民の不満が溢れた。英国民の記憶にそもそも「不戦の理想」などなかった。英国のEUへの拠出金が下層階層に戻ってこない不満が直接の引き鉄になった。経済的メリットが無くなればEUに留まる理由など見いだせなくなったという訳だ。

分かり易く言えば、「英国は金のためにEUに加盟し、金のために離脱した」。かといって他の国が偉そうに英国を非難できない。後から加盟した国などは豊かな国の拠出金をいただいている立場にあり、難民受け入れも消極的対応をしているのだから。英国離脱後は彼等の取り分が減るのは間違いないだろう。

今回の英国離脱は経済の話だけで安全保障の基礎となるNATOから脱退した訳ではない。安全保障は今まで通りNATOだと理解している。そんな話がうまく機能するのか、何年か後に費用負担問題などで対立が起こりそうな気がする。もう一つの要素の米国次第、つまりトランプの米国か否かにかかっている可能性大と予測する。

目線をあげると、ベルリンの壁が崩壊し冷戦が終結した時、著名な歴史学者Fフクヤマは「歴史の終わり」と言った。ソ連の共産主義体制が終わった時フクヤマの指摘したような実感はあった。だが、実際は人類が続く限り歴史が終わりそうもない。寧ろ、英国のEU離脱のほうが第2次世界大戦後の大きな転換点になる気がする。■
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