かぶれの世界(新)

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東京郊外の風景2020(2)富士見散歩から見えた風景

2020-02-09 20:03:12 | 社会・経済
晴れた日の散歩ルートを最近変更した。晴れた日に遠回りして富士山が見えるポイントを次々と周るルート、私は「冨士見散歩」コースという、のポイントを一部変更した。旧下川原線跡の遊歩道を多摩川に向かって歩く時に見えた富士山が、最近建築中の住宅の陰になって一部しか見えなくなったからだ。

新コースは中央高速道路の下から遊歩道より少し東側の間道から玉川に向かって歩くと、間もなく両側にサントリービール工場の中を歩くようになる。西側の野外倉庫を通り抜けると南西に丹沢山塊と富士山が見えて来る。邪魔だった新築中の住宅の屋根が裾野まで下がったように見える。

年中散歩して見慣れてるはずの富士山だけは特別で、その日綺麗に見えれば遠回りででも全然気にしない。500メーター先のスーパーでの買物が5kmになっても、健康と富士山のためと思えば平気だ。それにしても人口が減っているというのに、何故こんなに新築住宅が多いのだろうか。駅前の繁華街の周りは中高層ビル、それより外側はアパートや住宅が新築され富士山が見えなくなってくる。

その答えは出ている。報道によれば日本は人口減なのに800万戸以上の中古住宅がある、特に唯一人口が増えている東京圏に最多の中古住宅があり問題になっているそうだ。日本人が中古に住むより新築を好む傾向が強いのが最大の理由らしい。だが、個人的には他にも理由がある様に思う。

日本のちゃんとした中古住宅市場がある様に感じない。90年代に米国で働いた時、フランス人が30年間住んだ家を買った。間もなく仕事の都合で帰国しなければならなくなった時、買値とほぼ同じ価格で売ることが出来た。同僚から家を売る時に少しでも高く売ろうとペンキを塗り替えなど手入れをする話はよく聞いた。

もう一つは税制など政治的に作られた制度に改善の余地があると思う。どうしても新築住宅を増やし経済を活発にしたいという狙いがあるはずだ。だが、人口減の社会で空き家が急増する状況はよろしくない。最近こんなことばかり考えながら散歩すると、綺麗な富士山を見ても少し気分が曇るのは残念だ。

だが、私の実家がある田舎となれば話が違う。以前にも実家のご近所は高齢の後家さんが多く、彼女達は十分長生きしたとしてもその先は見えない限界集落だ。それでも新築住宅と並行して、空き家が増えていく。空き家の増加は政治の問題だとばかり言ってられない深刻な問題なのは分かっているのだが。■
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