最悪な番組を見続ける訳
今朝のTBSニュースバラエティ「サンデーモーニング」を見て、何時もの通りこの番組は本当に酷いと改めて思った。だが、この番組の視聴率は高いと言われている。言い換えると、私と違って番組が報じる物の考え方に共感する視聴者が多いということなんだろう。番組よりそっちの方が気になる。
私は別だ。物の見方が私と全く違う意見を出来るだけ知りたいと思い、出演者の論理に腹が立っても我慢して見ることにしている。長い間の人生経験、殆どは会社勤めだが、を通じて自分とは違う意見を聞いておくことがとても重要だ、仕事にも役に立つと信じているからだ。
地べたを這うマスコミ
日本のマスコミ報道の視線が概して地べたを這うような細部に行きがちで大局を見失っているというのが私の数十年の人生から得た持論だ。特に朝日毎日系がそうだが全体的にそういう傾向があると私は感じている。そして、コロナがその問題を鮮明にした。
分かり易い例はワクチンの問題だ。世界最悪のコロナ感染が続いた米国は、ワクチン接種に注力し今やワクチン接種で最先端を走り世界最速の経済回復を遂げている。マスコミは日本のコロナ対応の混乱ぶりを報じ、今は活気を取り戻したアメリカと比べて日本は酷いと報じる。
米国の光と影 日本に高級紙はない
だが、昨日までの米国の累積死者数は589,223人もいるのだ。日本の死者数1万人そこそこに比べて驚くべき数字だ。ワクチン先進国は60万人の犠牲者をベースにしていると言えなくもない。私は英米の死者数とワクチン開発のバランスが、所謂「アングロサクソン」が世界をリードしてきたやり方だと早い時点で投稿したことがある。実際、その通りになったと思っている。
日本はこんな対応は絶対にありえない。日本人は米国並みの死者数を出すことは絶対に許さないのが日本だ。悪いことではないが、国中がひっくり返り舵取りが出来なくなる。最近聞いた言葉「ゼロリスク社会」がピッタリする。どんなリスクも認めず細部に注力し大きな目標を誤ってしまう。
極端に言うと日本のマスコミは細部に注力しすぎている。但し、そういうマスコミは絶対に必要で小さい問題もきちんと拾って知らせる役割だ。問題はその一方で国の舵取りをしっかり見ていくメディア、欧米風に言うと「高級紙」が無いと私は思う。マスコミに限らない日本的な反応だが。
民主主義の危機
バイデン政権になって新疆ウィグル族や台湾香港の民主主義を巡り米中対立が悪化しているが、仮にそれが建前であっても政府が手を緩めないよう高級紙は国の在り方を主張すべきだ。冒頭のサンデーモーニングはコロナ対応現場の混乱を報じても、民主主義の世界的危機はまず報じない。
現実は米国の民主主義の将来も決して安泰ではない。反トランプのチェイニー共和党議員が院内3位の重責から追われ、南部諸州を含む28州が黒人やヒスパニックの投票を制限する狙いの制度を導入した。バイデン政権が1期で終わりトランプが返り咲く可能性も十分あるのが現実だ。
日本マスコミは韓国式か
私は日本に限らず具体的数字を元に論じる経済紙により信頼を置く。ファイナンシャルタイムズ(FT)は、トランプの影響力が強い共和党が選挙目当てでトランプ党に様変わりし、4年後に米国が民主主義から独裁政権になる恐れがある、民主主義を守れというオピニオンを載せた(日経5/21)。
日本マスコミは中国に配慮してモノを言えない韓国大統領みたいだ。国内でもコロナ問題では非協力な医療機関への配慮、医療費問題では次世代への費用負担より高齢者への配慮が見え隠れする。報道の問題を指摘したが、それは高齢化を反映し国民気質の現れでもある。世論調査を都合よく利用して間違った舵取りをした例も日本だけではない、過去も現在も世界中で起きている。
日本に求められる回転ドア
実際に舵取りをするのは政府であり、国民に情報を与えるのがマスコミの役割だ。最近あまり聞かれなくなったが、現代日本の最大の危機は第2次世界大戦後の日本人はバランスを失い、良くも悪くもアングロサクソンの下で今の社会を築いた。自己解決能力を喪失した。
出来ればその二の舞を避ける国になって欲しい。どうすればいいか、私見ではそれは政府とマスコミと研究所機関の人事交流から生まれてくる。米国風に言うと人事の「回転ドア」ではないかと思う。その点では新設されるディジタル庁が良い実験台になると期待するが簡単じゃないだろう。■
今朝のTBSニュースバラエティ「サンデーモーニング」を見て、何時もの通りこの番組は本当に酷いと改めて思った。だが、この番組の視聴率は高いと言われている。言い換えると、私と違って番組が報じる物の考え方に共感する視聴者が多いということなんだろう。番組よりそっちの方が気になる。
私は別だ。物の見方が私と全く違う意見を出来るだけ知りたいと思い、出演者の論理に腹が立っても我慢して見ることにしている。長い間の人生経験、殆どは会社勤めだが、を通じて自分とは違う意見を聞いておくことがとても重要だ、仕事にも役に立つと信じているからだ。
地べたを這うマスコミ
日本のマスコミ報道の視線が概して地べたを這うような細部に行きがちで大局を見失っているというのが私の数十年の人生から得た持論だ。特に朝日毎日系がそうだが全体的にそういう傾向があると私は感じている。そして、コロナがその問題を鮮明にした。
分かり易い例はワクチンの問題だ。世界最悪のコロナ感染が続いた米国は、ワクチン接種に注力し今やワクチン接種で最先端を走り世界最速の経済回復を遂げている。マスコミは日本のコロナ対応の混乱ぶりを報じ、今は活気を取り戻したアメリカと比べて日本は酷いと報じる。
米国の光と影 日本に高級紙はない
だが、昨日までの米国の累積死者数は589,223人もいるのだ。日本の死者数1万人そこそこに比べて驚くべき数字だ。ワクチン先進国は60万人の犠牲者をベースにしていると言えなくもない。私は英米の死者数とワクチン開発のバランスが、所謂「アングロサクソン」が世界をリードしてきたやり方だと早い時点で投稿したことがある。実際、その通りになったと思っている。
日本はこんな対応は絶対にありえない。日本人は米国並みの死者数を出すことは絶対に許さないのが日本だ。悪いことではないが、国中がひっくり返り舵取りが出来なくなる。最近聞いた言葉「ゼロリスク社会」がピッタリする。どんなリスクも認めず細部に注力し大きな目標を誤ってしまう。
極端に言うと日本のマスコミは細部に注力しすぎている。但し、そういうマスコミは絶対に必要で小さい問題もきちんと拾って知らせる役割だ。問題はその一方で国の舵取りをしっかり見ていくメディア、欧米風に言うと「高級紙」が無いと私は思う。マスコミに限らない日本的な反応だが。
民主主義の危機
バイデン政権になって新疆ウィグル族や台湾香港の民主主義を巡り米中対立が悪化しているが、仮にそれが建前であっても政府が手を緩めないよう高級紙は国の在り方を主張すべきだ。冒頭のサンデーモーニングはコロナ対応現場の混乱を報じても、民主主義の世界的危機はまず報じない。
現実は米国の民主主義の将来も決して安泰ではない。反トランプのチェイニー共和党議員が院内3位の重責から追われ、南部諸州を含む28州が黒人やヒスパニックの投票を制限する狙いの制度を導入した。バイデン政権が1期で終わりトランプが返り咲く可能性も十分あるのが現実だ。
日本マスコミは韓国式か
私は日本に限らず具体的数字を元に論じる経済紙により信頼を置く。ファイナンシャルタイムズ(FT)は、トランプの影響力が強い共和党が選挙目当てでトランプ党に様変わりし、4年後に米国が民主主義から独裁政権になる恐れがある、民主主義を守れというオピニオンを載せた(日経5/21)。
日本マスコミは中国に配慮してモノを言えない韓国大統領みたいだ。国内でもコロナ問題では非協力な医療機関への配慮、医療費問題では次世代への費用負担より高齢者への配慮が見え隠れする。報道の問題を指摘したが、それは高齢化を反映し国民気質の現れでもある。世論調査を都合よく利用して間違った舵取りをした例も日本だけではない、過去も現在も世界中で起きている。
日本に求められる回転ドア
実際に舵取りをするのは政府であり、国民に情報を与えるのがマスコミの役割だ。最近あまり聞かれなくなったが、現代日本の最大の危機は第2次世界大戦後の日本人はバランスを失い、良くも悪くもアングロサクソンの下で今の社会を築いた。自己解決能力を喪失した。
出来ればその二の舞を避ける国になって欲しい。どうすればいいか、私見ではそれは政府とマスコミと研究所機関の人事交流から生まれてくる。米国風に言うと人事の「回転ドア」ではないかと思う。その点では新設されるディジタル庁が良い実験台になると期待するが簡単じゃないだろう。■