かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

目立ちたがり屋

2022-04-08 20:16:53 | 日記・エッセイ・コラム
先週土曜日に家族でカラオケパーティをやった時、私は高橋真梨子の「五番街のマリー」を森進一の物まねで歌った。家族の前で歌ったのは初めてだったが、会社勤め時代に同僚とカラオケに行った時に注目を浴びようとしてやる十八番の物まねだった。赤坂か銀座かどこかの飲み屋でギターを抱えた流しにおだてられ唄った記憶がある。

カラオケパーティの後に娘の亭主が私は目立ちがり屋だろうと言ったと家内から伝え聞いた。意識はしてなかったが、言われて見ればその通りだと思った。ネットで調べると「目立ちがり屋」は下記のような特徴があるらしい。そのうちの全部ではないが、殆どは身に覚えがあると思った。

1.明るくてポジティブ思考
2.身振り手振りを使って話す
3.友だちをつくるのが上手
4.外見が派手で流行に敏感
5.我を通そうとする
6.人に従うことが苦手
7.自分に関心を持ってもらいたい
8.承認欲求が強い
9.否定をせずに話を適当に聞く
10.お礼を伝える
11.時にはおだてる
12.そっと距離を置く

会社勤め時代はこの特徴を利用して職場の中を泳いだかも知れないと今になって思う。新人時代に先輩に周辺機器の論理設計を指示され、私は指示を無視して当時新しいディジタル代数学(尾崎弘著)の手法を使って設計した。上司まで問題が報告されたが私の斬新な手法は受け入れられた。それ以来、私は上司のお気に入りになり次々と最先端の開発を任せてもらうようになった。

数年後に大きなプロジェクトの開発が一段落し、関連した技術者が集まって反省会をした時のことだ。開発の段階で色々な問題が発生しやり手の先輩たちが次々と原因と対応策について発言した。後半になり若手にも発言の機会が回ってきて、私の番が来ると「それって結局マネジメントの問題でしょう」と言い会議は一瞬沈黙した。言葉通り捉えれば目立ちがり屋どころか課長や主任の批判だったが、何故か私には好意的に受け取られた気がした。

若手の頃こんな身勝手な発言が悪く取られなかったのは、うまい具合に相手の懐に入り込む術を身につけていたのかもしれない。しかし、幹部職になるとキチンと結果が出なければ評価されようがない。米国の工場長に赴任して半年で品質問題等を起こし膨大な在庫が発生した時、本社から専務が調査団を連れて視察に来た。

視察が終り調査団が空港に戻る時に私は専務の車に飛び乗り助言を求めた。何が問題だったか記憶にないが、私が車に飛び乗ったのは彼等の記憶に残っていると思う。その後、経験を積んだオペレーションの専門家が次々と雇われ、工場の業績が短期間に改善され私の工場運営力が評価された。不思議だったのは米国人の専門家まで評価してくれた(多分)ことだ。

これが私の目立ちたがり屋の素の姿だったのだろうと思う。良いとか悪いとかではなく私そのものではなかったと思う。目立ちたがり屋が決して悪いことではないと思うが、私の子供や孫はどうなのか分からない。カラオケでは私ほどではないかもしれないと思う。■
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする