知床半島沖で観光船が遭難し乗客など26人は絶望的と思われ、北海道に何度か行き楽しい思い出しかない私には衝撃だった。最初の北海道旅行は20歳前で、夏休みに同級生と北海道一周旅行した。上野発の寝台特急で青森に行き、連絡船で函館に渉ったのを鮮明に覚えている。
詳しいルートは忘れたが、ウトロでユースホテルに一泊し翌日観光船で知床半島の先端まで行った。報道で見る陸地に近い航路ではなかった、陸地に近いところに小さな船がいた記憶がある。個人的に印象に残っているのは半島の突端から見た明るい海と空の開けた景色だ。
その後電車で網走に向かった記憶がある。国鉄の安価な1カ月有効な周遊券で乗り継いで、当時カニ族と言われ大きなリュックを担いで北海道を一周した。車中泊はせずユースホテルを利用した。ホテルは一泊550円、本州は500円だが北海道は毛布代と称して50円上乗せされた。ホテル前の広場の焚火を囲み歌を唄い話が弾んだ。東京からの若いお姉さん達が眩しかった。
一昨年釧路から阿寒湖・摩周湖・野付半島・根室などに家族旅行した時は、中標津から海岸線沿いの道を走り50余年ぶりに知床半島を太平洋側から見て懐かしく思い出した。それなのに、この悲惨な遭難事故のニュースを聞いて楽しい思い出が吹き飛んだ気がした。
報道によると地元の漁師から海が荒れているから船を出さない方が良いと助言を受けたにも拘らず、観光船の船長は出港したという。偶然にも昨年天橋立に家族旅行で行った時似た経験をした。伊根の舟屋から観光船で宮津港に行く予定だったが、地元漁師の助言でバスに変更になった。
伊根町の高台から見た小さな伊根湾は静かだったが、旅行会社は助言を受け入れ予定を変更した。翌日伊根町の更に北にバスで向かうと伊根湾の外に繋がる若狭湾は強風で白波が立ち、更に北上して日本海に面する経ヶ先岬灯台ではトイレ下車するとまっすぐ歩けない程風が強かった。その先の日本海沿いの道はずっとそんな調子だった。
知床半島の観光船長は港の波を見て大したことない、コロナ下で減少したお客を少しでも取り戻そうとしたのか。他の観光会社が運航を中止したのを聞いても何とかなると思ったのだろうか。私達が利用した大手旅行会社が入ってしたら中止したろう。今となっては、船長の声も聞けない。
この先、マスコミ各社は事故を巡って出向判断や安全対策、海上保安庁の在り方等について根掘り葉掘り追及するだろう。それも悪くはないが、問題は法を含め危機に対する事前の備えがお粗末なことだ。大袈裟だが、ウクライナ戦争で明らかになった危機に対する日本の準備不足と共通する問題だ。
残念ながら最悪事態に対する法的な備えに反対する国民性が常に足を引っ張っている。与党もそこは無理できない選挙の事情があるのだろう。それが日本なのかもしれない。それにしても、北海道とか知床半島と聞けば出て来る楽しい思い出がぶっ飛んでしまった。■
詳しいルートは忘れたが、ウトロでユースホテルに一泊し翌日観光船で知床半島の先端まで行った。報道で見る陸地に近い航路ではなかった、陸地に近いところに小さな船がいた記憶がある。個人的に印象に残っているのは半島の突端から見た明るい海と空の開けた景色だ。
その後電車で網走に向かった記憶がある。国鉄の安価な1カ月有効な周遊券で乗り継いで、当時カニ族と言われ大きなリュックを担いで北海道を一周した。車中泊はせずユースホテルを利用した。ホテルは一泊550円、本州は500円だが北海道は毛布代と称して50円上乗せされた。ホテル前の広場の焚火を囲み歌を唄い話が弾んだ。東京からの若いお姉さん達が眩しかった。
一昨年釧路から阿寒湖・摩周湖・野付半島・根室などに家族旅行した時は、中標津から海岸線沿いの道を走り50余年ぶりに知床半島を太平洋側から見て懐かしく思い出した。それなのに、この悲惨な遭難事故のニュースを聞いて楽しい思い出が吹き飛んだ気がした。
報道によると地元の漁師から海が荒れているから船を出さない方が良いと助言を受けたにも拘らず、観光船の船長は出港したという。偶然にも昨年天橋立に家族旅行で行った時似た経験をした。伊根の舟屋から観光船で宮津港に行く予定だったが、地元漁師の助言でバスに変更になった。
伊根町の高台から見た小さな伊根湾は静かだったが、旅行会社は助言を受け入れ予定を変更した。翌日伊根町の更に北にバスで向かうと伊根湾の外に繋がる若狭湾は強風で白波が立ち、更に北上して日本海に面する経ヶ先岬灯台ではトイレ下車するとまっすぐ歩けない程風が強かった。その先の日本海沿いの道はずっとそんな調子だった。
知床半島の観光船長は港の波を見て大したことない、コロナ下で減少したお客を少しでも取り戻そうとしたのか。他の観光会社が運航を中止したのを聞いても何とかなると思ったのだろうか。私達が利用した大手旅行会社が入ってしたら中止したろう。今となっては、船長の声も聞けない。
この先、マスコミ各社は事故を巡って出向判断や安全対策、海上保安庁の在り方等について根掘り葉掘り追及するだろう。それも悪くはないが、問題は法を含め危機に対する事前の備えがお粗末なことだ。大袈裟だが、ウクライナ戦争で明らかになった危機に対する日本の準備不足と共通する問題だ。
残念ながら最悪事態に対する法的な備えに反対する国民性が常に足を引っ張っている。与党もそこは無理できない選挙の事情があるのだろう。それが日本なのかもしれない。それにしても、北海道とか知床半島と聞けば出て来る楽しい思い出がぶっ飛んでしまった。■