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ロシア軍のウクライナ侵攻に思う(7)西側の事情

2022-04-16 21:39:48 | 国際・政治
ロシア軍のウクライナ侵攻が難航し、方針変更しウクライナ東部に戦力を集中していると報じられている。150人にわたる軍関係者の処分がこの方針変更に関わるものだという。国外に住むロシア人は肩身の狭い思いをしているのに、国内のプーチン大統領支持は83%と激高!!!

このような矛盾はウクライナを支援している西側諸国にも夫々の事情があるようだ。フランス大統領選はウクライナ戦争が始まった頃支持率が上昇したマクロン氏が、ここに来て極右のルペン女史に差を詰められている。同時進行した物価上昇への反発が彼女の支持を高めた。

難民受け入れに反対しNATO離脱の主張をトーンダウンしたのが支持率アップに貢献したという。ドイツの場合はもっと複雑な事情がある。メルケル時代に天然ガスをロシアから直接供給するパイプラインを新設する取引をした。この時既設パイプラインを有する東欧諸国と微妙な関係があった。

シュルツ首相が当初の躊躇いから積極支援に切り替えて支持率を高めた。だが、天然ガスの供給不足の問題はドイツを長く悩ませることになるだろう。私の推測では、メルケルが首相を続けていたらうまくNATOを纏めたという説に組しない。今回の問題の一端はドイツにあると思う。NATOと言っても夫々にロシアと距離間が違い、今後も表面化する可能性がある。

だが、何といっても今迄ウクライナを支援する一方で、対ロシアとの直接戦争を避けるNATOの微妙な舵取りをしてきたのは米国だ。ロシアに対して相当厳しい発言を繰り返してきたバイデン大統領だが、発言とは裏腹に直接戦争にならない様に微妙に距離感を保ってきた。

だが、昨日の米国での世論調査結果を見て不安になった。ギャラップ世論調査ではZ世代(1997-2021生まれ)やミレニアル世代(’81-96)の若者の支持率が昨年1‐6月の約6割から、2021年9月から今年3月迄に40%前後に激減したという。支持基盤だったはずの若者の離反理由は分析中らしいが、今後の対ロシア政策に影響するのではと懸念する。

西側各国の対ロ政策に対する国民の支持の微妙なずれは、同時に進行する経済が若者の生活に大きな影響を与えているからだと推測する。自らの生活が厳しくなると、特に若者は戦争に苦しむウクライナ国民への共感どころではなくなる。

もう一つの大きな理由は各国の経済政策に加えて、ウクライナとの地政学的な距離だろう。どの国もポーランドやバルト3国のような距離感は生まれない、彼等にはウクライナの次は自国の問題だと考える。それをどう纏めるのかNATOの結束と米国のリーダーシップが問われる。■
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