かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

世界中に溢れる中国製商品

2005-04-09 23:34:53 | 国際・政治
輸入割り当てが解除され中国からの繊維商品輸出が急増し欧米と摩擦が起きていると先月報告したが、実は繊維商品だけではなくあらゆる商品が、世界中の国を貿易赤字国にする勢いで急増していると報じられている。9日付のNYタイムズの数字を引用するとその凄さがわかる。2004年中国の$33B(約3.6兆円)の貿易黒字のうち米国の赤字額を差し引くと、実は残りの国とは$47B(約5.1兆円)の赤字であった。

今年になり1、2月だけで中国の輸出が昨年同期比36%増えて貿易黒字が$10.9Bになった。かつての玩具や繊維、家具、テレビに加え無線ナビから銅や鋼材まで、欧米からブラジル、インドネシアまで世界中に輸出されている。昨年まで不足しているといわれた建設用の低品質鋼材や銅などを大量に輸出するようになり、車や工作機械も輸入が減り輸出が増え始めた。対中貿易赤字が米国だけではなく世界中に伝染している。中国からの輸出が昨年同期比で英国42%、ドイツ44%、カナダ、イタリー59%、スペイン、インドネシアで75%も増えている。その結果、ドイツは2004年対中国貿易$1.24Bの黒字が今年2ヶ月で$0.316Bの赤字になり、イタリーは昨年$256M(M:百万)の赤字が今年2ヶ月だけで$812Mに拡大した。

中国元の対ドル固定相場が結果的に対元ユーロ高を招き、皮肉にも欧州にも大きな影響を与えた。 米国だけでなく欧州でも繊維製品の輸入割り当て再導入の声が高まっている。米国の議会は6ヶ月以内に元切り上げしなければ報復関税を課すよう政府に圧力をかけ始めたことは既に日本でも報じられている。これは世界中の企業が投資して中国を工場化した構造的な結果である。競って中国に投資した結果、供給が世界需要を超えてしまった。しかし、世界経済がスローダウンする中でまさに津波のような輸出が続くはずがないという見方もある。そのとき何が起こるか、シートベルトをきつく締めて構えなければならない日がいつか来る。■


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2005年を大胆に占う(見直し) | トップ | 私のメール利用 »

コメントを投稿

国際・政治」カテゴリの最新記事