かぶれの世界(新)

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ツールドフランスの亡霊

2018-01-17 18:21:30 | 映画
午後アマゾンのプライム映画を見て、ツールドフランスの亡霊を見た気分になった。映画「疑惑のチャンピオン」は米国自転車界の英雄だったランス・アームストロングがドーピングにはまり、やがてチャンピオンになり7連覇を飾ったが、引退後にドーピングが発覚しタイトルを全て剥奪されるまでを描いたものだった。

私はNHKが力を入れて報道を始めた頃からツールドフランスをよく見るようになり、伝説の名選手イノーが引退して当時としては珍しかった米国出身のレモンが活躍する姿を見てツール・ファンになった。そして2000年代にアームストロングが圧倒的な強さで勝ち続けた。彼が引退後にそれまで忠実なサポート役だった米国出身のランディスが勝った時は珍しく感傷的になったものだ。

ところが、その後に栄光は全てドーピングで得た勝利だと発覚した。毎年夏になるとツールを楽しみにしていた私は酷く失望し、それ以降ツールに関わる全てのニュースに耳をふさぎ、実際に何が起こっていたのか知らなかった。映画を見て初めてドーピングを始めたきっかけや、チーム全体を巻き込んだ不正だったことを知った。ツールドフランスのニュースをシャットアウトしたほんの5年間が凄く昔に感じ亡霊を見ているようだった。

その代りといったら何だが、2003年に早期退職し実家に一人住む母をケアするようになった数年後、母が中国製のマウンテンバイクを買ってくれた。田舎に戻った時はその自転車でツールをイメージしながら往復100km程度の近郊の町や、標高850mの出石寺とか瀬戸内海沿いの山腹にある家内の実家までサイクリングした。この数年は脚力が衰えもう山登りをやり切る自信はない。クロスバイクでしまなみ海道を通って今治尾道間往復に何度か挑戦したがやり切れなかった。昨秋やっと今治尾道往復を走り切ったが、多分これで最後になると思ったものだ。

映画では自転車の競技としては丁寧に描かれていなかったので、リアル自転車ファンにはつまらないかも知れない。ツールドフランスに7連覇する前に深刻なガン闘病生活に打ち勝ったことまで評価されなくなったのは寂しい。全盛期(そう言って良いものか分からないが)だった頃に離婚し後に歌手シェリル・クロウや女優ケイト・ハドソンとの結婚が噂され浮名を流した。私には亡霊みたいだけど、結構人生を楽しんだのではないだろうか。■

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