かぶれの世界(新)

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アメリカの病気

2007-04-17 23:24:38 | 国際・政治

C

NNは朝からバージニア工科大学で起きた乱射事件をベタで報じている。32人の犠牲者と犯人を含め33人が死んだという。世界的に知られた教授も含まれているという。朝方の報道は警察と大学の対応のまずさに焦点が当たっていた。事件直後だからやむを得ない面もあるが、事件の本質はこの国の銃規制の甘さであり、未だに同じ事件を繰り返すアメリカは全く理解できない。

有名なコロンバイン高校の乱射事件のあとも同様な事件は増加傾向にあった。昨年アーミッシュ学校の惨劇があったばかりだ。しかし銃規制の時限立法であるブレディ法は数年前失効していた。このブログのテーマ「米国かぶれ」といえども、私はどんな理由でも理解できない。

米国に住んでいた時、発砲事件は毎日のようにあり殆どは州内でしか報道されなかった。何しろ事故を含めると毎年銃で3万人もの人が死ぬ国のことだ。所謂全国区のニュースになるのは、大量・連続殺人か有名人もしくは美人のスキャンダルが絡む殺人事件だけだ。

私の勤める職場は途中からセキュリティを付けて、入門時麻薬と武器の持ち込みを検査するようになった。怖いのはそれで実際に検査に引っ掛かった従業員が出たことだ。規定で即解雇したが、逆恨みされるのではないかと暫らく不安だった。

出張中に従業員が自宅を訪れた元従業員を撃った事件が起こり、そのメディア対応を問い合わせる電話を受け慌てたこともある。私のオフィスは引っ越す前にかつてライフルで打ち込まれた痕が残っておりぞっとしたこともある。しかし毎日その中で暮らすと私自身麻痺してきた。

この国の人達の多くは銃社会の問題を感じながらも感覚が麻痺しているとつくづく思う。こんなことがあっても次の大事件が起こると記憶が薄れ、適切な規制などの法制化がされるかどうか疑わしい。ブッシュ大統領夫妻は追悼式に出席予定らしいが彼が銃規制のリーダーシップを取るだろうか。多分こんな疑いを持たれる国は米国だけだろう。

CNNライブを見ながら書いている。犯人は学生寮に住む韓国人留学生Cho Seung-Hui 23)だが単独犯かどうかまだ分かってないそうだ。犯人が米国人でなかったことで事件の根本原因が何か、何をやらねばならないかが間違った方向に進まないことを祈る。■

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2007年大胆占い(1Q見直し)

2007-04-16 20:51:31 | 社会・経済

倍首相の開き直り予想が当たった。改革の旗を揚げても後退が続き信頼をなくしたが、ついに開き直った。中国との関係改善は線から面に広がりつつあり、改革路線が国民の意思で支持に繋がることもしっかり認識されたようだ。これを良い循環に高めるのは民主党次第だが、姑息な政局狙いの戦術に転じ失望した。

一方、私の経済予想は今までのところ悲観的に過ぎた。住宅価格低下のインパクトで予想通り米国経済成長がスローダウンしたが、逆に欧州はドイツを筆頭に予想以上に好調、従って輸出に頼るアジア諸国とエネルギー需要で資源国経済も好調、世界経済全体として予想以上に悪くない。

その中で227日上海市場暴落から始まった世界同時株安はショックだった。私の悲観的な予測は「人間はそれほど利口じゃないそろそろ間違いを起す頃」という全く根拠のないロジックに基づいたものだったが、ある意味予測が当たった。と、一瞬思った。1ヵ月後日本を除いて市場はほぼ元に戻った。世界的金余りの中でグローバルマネーのリスク志向は止まらない。

1.       改革相次ぐ妥協で支持率低下、参院選前に安倍首相開き直る → ◎ 支持率が40%を切ったところで国民投票・公務員制度改革など安倍色を出し支持率の低落を食い止めた。党内守旧派・官僚の抵抗と政権内タカ派との折り合いがむしろ対民主党より今後政局を左右する可能性大。

2.       消費伸び悩みで日本経済低成長、GDP成長率1.8 → △ 1.8+0.5% 世界経済好調で輸出・設備投資が予想以上に堅調、不動産価格上昇が地方に拡大、消費も回復の兆しで成長率は予想を超えて2%前半まで改善の見込み。

3.       米国経済軟着陸、GDP成長率2.8%に留まる → ○ 2.8-0.5% 住宅市場低下とサブプライムローンの焦げ付きと原油価格高止まりがあるものの、消費は堅調で成長率は2%前半に低下に留まる見込み。年後半民主党多数の議会と大統領選が経済政策に微妙な影響し成長率を押し下げる可能性あり。

4.       中国経済過熱抑制策が始めて機能し成長率10%を切る → ○ 9.7% 故主席の調和社会への改革が格差・公害・貿易黒字抑制の効果が出るまでには時間がかかる。その間政権基盤を確かなものに出来るか。米国が景気とWTO提訴や為替政策など短期志向の政策に変化するとややこしくなる。

5.       欧州、BRICs経済の好調続くが年後半頭打ち感出る → ▲ ドイツをはじめEU各国は全体で予想より好調、米国と世界経済を牽引している。インド経済は国内消費が堅調、インフラ・製造業と金融システムの脆弱性が鍵。資源価格高止まりでロシア・ブラジルの成長も続いている。  

6.       日経平均18,000円突破、為替ユーロ>円>ドル安 → ○ 年初易々と18,000円を突破したが世界同時株安後調整が続いている。同時株安の世界経済への影響は微小、欧州の多様性が強みでユーロ高が進む(\160/euro, 低金利を見込み予想外に円安が続いている。

7.       サッカー:アジアカップ連覇ならず、オシム成果が出始める → ◎ オシムの考えるサッカーの成果がサウジ戦で初めて出た。中東勢が力をつけアジアカップの連覇は逃す、しかし悲観する負け方ではないだろうと予想する。

8.       日本人MLB活躍続く、松坂一発病に悩むも活躍、日本プロ野球低迷 → ◎ 日本人の誰か一人は毎日活躍する状態になった。松坂が米国でこれだけ注目を集めるとは予想しなかった。一方、日本プロ野球は裏金で揺れ予想通り構造改革が避けられず、自浄能力が問われている。■

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松田聖子の時代

2007-04-11 10:16:36 | 社会・経済

一昨夜、松田聖子の生き方とそれを支持する女性達を追跡したNHKの特集番組に見入った。彼女のファン層は女性として生きることに疲れこれからどう生きるか悩む同世代と、現役で活躍する同世代から一回り下の世代の支持を得ているという。

彼女はデビュー以来27年間ずっとアイドルを続けてきた史上初の女性だという。私も彼女のファンだったことがある。職場の女友達が彼女のベストCDを餞別にくれ赴任先の米国のアパートの部屋で一人聞いたものだ。彼女の声質は所謂「泣き節」で、どのジャンルでもこの系統の歌唱法に私は弱い。

しかし番組内容は音楽ではなく、松田聖子の生き方とそれに共感する女性ファンの生き方を重ね合わせ、「女性の時代」と形容する新しい女性の生き方を社会現象として伝えるドキュメンタリー番組だった。女性の時代というのは大袈裟で言い過ぎとは思うが。

番組を見て、バブル崩壊後に松田聖子が始めた挑戦を「子育てを放棄し仕事を追及して行く身勝手な生き方」とバッシングを受けたことがあることを知った。彼女は悩んだ末に自分らしくやりたいことに全力で取り組む姿が、働く同性の共感を呼んでいるという。

私は機会均等法で総合職に採用された女性達のことを思い出した。彼女達の多くが結婚・出産や転勤・リストラなどで悩み去って行った時代と重なる。バブルの前頃から毎年一定の比率で一流大学を卒業した総合職の女性が大量に雇用されるようになり、私の職場にも配属されてきた。

この第一世代の総合職の女性は頭がよく真面目な仕事ぶりだったが、男性社会で家庭を犠牲にする職場での働き方に直面して、結婚や出産で退社し少しずつ職場から欠けるように去っていった。99年米国から帰任した頃には第一世代は殆どいなかった。

残った人達もリストラを機会に退職していった。そういう人達の本当の気持ちが分かっていたか私は自信が無い。しかし、番組を見て今の女性ファンには松田聖子の感性や生き方が勇気を与えるとインタビューに答えるのがなんとなく理解できる気がした。

聖子ちゃんのインタビューを聞いて、彼女の言っていることは仕事に賭ける男性なら極普通のことを言っているように思った。それがシングルママのアイドルが言うと新鮮に聞こえる。ということは今もそれほど女性に対するバイアスが変わっていないということだろう。 

子育ては女性の役割であるという潜在意識があり、それを一時期放棄したかのごとき彼女の生き方は嫉妬の対象になったのだろう。当時バッシングの主役となった女性週刊誌の編集者が殆ど男性で世の中の変化について行けなかったという側面もあるという。番組に出てきた30-40代の女性はそうは言いながらも元気だった。

蛇足ながら米国で見た女性ビジネスマンを紹介する。彼女達はまるで違っていた。一緒に仕事をして男女の差は感じなかったし、差をつける必要もなかった。しかも、女性の武器はしっかり巧妙に使っていた。誤解を恐れず言うと美人は同じ能力なら例外なく断然昇進が早い。

取引先との打ち合わせに出ると見栄えのいい女性マネージャが男性の部下を従えテキパキと会議を仕切る姿に惚れ惚れしたことがある。実は雇う側もそういう効果を狙ってのことだと後で聞いた。第一世代総合職の生真面目さと比べ海千山千のやり手で、うかうかしていると男が踏み台にされるとふと思ったものだ。第二世代は寧ろ上昇志向がなくなったと聞くがどうなのだろうか。■

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滋賀県民が見せた本音と建前

2007-04-10 11:03:28 | 国際・政治

知事選は幸か不幸か私の予測はほぼ100%当たってしまった。前日までの不在投票率がかなり高かったので、予想通り投票率は前回より大幅に増えており無党派層が関心を持たなかったのではないというところが注目される。私の住む町でも9時すぎ投票後近所の役員に聞くと既に昨年より出足がいいという返事が返ってきた。

その中で石原氏は70代の支持率が最も高いが、次に20,30代の若者の高い支持があって全年齢層で押なべて支持を得ていた。これが無党派層でも40%の票を得て石原氏の大勝に繋がった。デモグラフィーから見た勝つ選挙とは「高齢者と無党派層」、両方抑えると大勝する。

今まで無党派層の投票率が上がるときは一方向に票が流れるのが常だったが、今回は政治の気圧差が少なく風は吹きようが無かった。民主党選挙戦術が拙劣というより、石原陣営の「争点潰し+イメージアップ」選挙戦術が見事に成功したというべきだろう。

注目すべき地方議会の変化

しかし、目を地方に向けるといくつか注目すべき結果があった。民主党が地方議会議員の数を急増させ、地方でも二大政党の芽がやっと育ち始めたことを示した。その視点から余り評価が無いが、小沢党首の地道な活動が徐々に成果を出し始めたといえる。

今回の民主党地方議員の増加は微風なれど私には選挙民の風向きの変化を感じた。今まで自治体の議会が首長の暴走をチェックする役割を果たさず批判を受けていたが、民主党議員の倍増はその地域の選挙民がこのままでは良くないと見識を示したと評価したい。

地方分権の法制化、夕張市の財政破綻、地方談合の摘発などが、選挙民の地方自治の見方を変えさせ始めた、地方自治が健全な方向に向かい始める、そういう兆候を感じた。この傾向が続くと自民党にとっては容易でない状況が生じ、公明党は益々存在感を増すだろう。

ネジレを解消した滋賀県

もう一つが首長と議会の所謂ネジレ現象である。「総論賛成、各論反対」は従来国政も地方も関係なく我国の実態だった。

その最も端的な例は改革派県知事とオール野党議会の長野県であり、選挙民は不正をなくし財政規律を取り戻せし、しかしおらが村の道は通せといい大混乱となったのは記憶に新しい。前知事のエキセントリックな性格だけでは片付けられない、何か釈然としない結末となった。

同じ運命を辿るか注目されたのが、今回の滋賀県議選だろう。嘉田由紀子知事の政策に賛同する議員が過半数を制したというニュースを聞いて私は正直驚いた。各論となると自己利益しか考えない選挙民が多数を占めるだろうという予測は見事に外れた。

端的にいえば県知事選は建前とすれば、県議選は本音の選挙だ。滋賀県民は選挙結果で建前と本音を一致させた、本気で知事の政策を実行せよという民意を示したといえる。多分、知事の個人的魅力も今回の勝因の一つだろう。

昨年嘉田知事が一部公約に反し議会に妥協的な姿勢を見せた後、滋賀に住む義兄に意見を聞いたことがある。私のやや皮肉っぽい問いかけに対して、彼は至極真面目に知事を信頼しているという返事が返ってきたのを思い出した。

私は滋賀県の詳細な事情を全く知らない。一時あれほど時間をかけて報道したテレビも今回殆ど何も報じない。テレビの見識といえばそれまでだがその程度かと思うと寂しい限りだ。これは一時的に吹いた風なのか、知事の個人的魅力のなせる業か、それとも県民性か私にはまだ分からない。注目していきたい。■

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都知事選、風吹かず

2007-04-06 21:13:55 | 国際・政治

最初に結論から始めると、都知事選は風が吹かずこのまま終りそうだ。元々深刻な問題が無い現役有利な状況で、対抗馬の浅野氏が争点を明確に出来ず期待外れだったからだ。

今朝の新聞によると無党派の戦いが何故か自民党対民主党の戦いになったという。その理由は明確だ。支持政党無しの所謂無党派が動かないからだ。

民社党や社民党が格差をどう喚こうと東京都民の多数は心理的に勝者だと思っている。そりゃ東京は夕張より余程マシだし、大阪みたいに滅茶苦茶でもない。

彼らは(格差に配慮した)配分の見直しよりも、パイを大きくする為に何をすべきかより国家的な視点でものを見ている。東京が弱者救済最優先になると日本は縮小均衡するという「世界の中の日本」という理解がある。

石原現知事の強引で傲慢な政治姿勢はうんざりだけど、出馬宣言前後の茶番で見透かされた浅野氏の官僚臭い体質は救いようが無い。最大の問題は官僚だという「そのまんま現象」のメッセージを理解していない。

石原氏が一期目に与えた「東京から変えていこう」という彼の個性と一体になった強烈なインパクトのあるメッセージがない。現職に勝つ為にはその位のインパクトが無ければ絶対に勝てない。

浅野氏の顔色を見ながら政策を微調整するやり方はいかにも官僚出身らしさを強調する効果しかない。黒川氏のピンボケっぽいけどぶれない姿勢のほうが寧ろ新鮮な印象を与える。

東京(の選挙民)は地方選と捉えず日本の前衛と考えて争点形成すべきである。残念ながら浅野氏には選挙民に訴えるビジョンが無い。

選挙結果は「石原氏大勝-α」、つまり現職が勝つのは決まっているが大勝か、もしくは次の参院選に含みを残す程度にどれだけαを大きく出来るかが焦点だろう。

αは「風向き」と「風速」の関数であり、今回はどの程度小さくなってしまうのか投票率に興味がある。その他の切り口として、年齢別層別とネチズンの比率が注目される。■

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