かぶれの世界(新)

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誰も信用できない時、答は問題先送り

2011-08-03 23:38:19 | 社会・経済

米国債の債務不履行は避けられた。だが、市場の期待は裏切られた。オバマ大統領と共和党の取引成立が報じられても、世界の株式市場は大幅下落した。市場は国債上限の引き上げは織り込み済みで、今回決着した取引内容では問題が先送りされただけと見做した。

つまり、米国債の債務不履行は避けられるのは当然で、そこから出発して格付け低下は当面免れただけで問題先送り、おまけに足元の米国経済回復の下方修正と相変わらずの欧州信用危機が、投資家マインドを弱気にしたようだ。結果として逃げ場として金価格が異常に高騰したが、大半のリスクマネーは皮肉なことに債務不履行の瀬戸際にあった米国債に向った。

株が世界的に下落し、長期金利が低下していると今朝方アカウントマネージャから連絡が入った。今投資するなら米国債だと。勿論そんな話に乗れるほどのお金なんかないが、その心は、今は流動性を出来るだけ大きくすべき時だと理解した。

先の記事(7/30)で喩えた状況は、「手傷を負って逃れて荒野のみすぼらしい農家に隠れたが、三方から追っ手らしき人の声が迫ってくる中、手当てをしてくれる農民の娘に身を委ねる落ち武者」だった。三方とは米国債務不履行危機、米国経済回復の停滞、欧州財政危機である。

更に自画自賛させて頂くと、当座の目標は「質への逃避」であり、娘は「米国債」、一方の逃げ道の確保とは「流動性の確保」と予測した通りに事態は進んでいる。と言いたいところだが、事態はもっと悪くなりつつあるというのが私の正直な印象だ。

私はまだ十分事態を理解できてないと思っている。というのは、上記のアカウントマネージャ氏によると今回の騒動の間「恐怖指数」が落着いた動きをしているらしい。つまり、市場は事態に失望したとしても想定の範囲内で、投資先の見直しを事前に計画した通りに粛々と実行しているのではないかと思われる。

一方で、今はまだ新たな事態に対応して裁定の過程にある、もう少し成り行きを見てみる必要があるように感じる。機関投資家や海外のソブリンファンドの投資クライテリア見直しがボディブローで徐々に利いて新しい事態に発展する可能性があると予測する。ところで今回の勝者は誰だろう、経済の世界を探しても誰もいない、それは勿論「茶会」の面々だ。嫌な世の中になりそうだ。■

コメント
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