かぶれの世界(新)

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天邪鬼STAP細胞問題を考える

2014-12-20 18:38:18 | ニュース
私は科学者ではない。正確には技術者上がりの経営者崩れだ。元技術者がSTAP細胞事件の顛末について私見を論じたい。朝ドラの「マッサン」風に言うと、関係者の発言にはLOVEが無い。

理化学研究所は昨日STAP細胞の検証実験で再現出来なかったと発表した。発表を受けて理化学研究所や小保方氏に対する多くの専門家の批判が報じられた。報道を見ると、待ってたかと思われるほど沢山の人が一斉に厳しい批判をしている。

雑誌ネーチャーに論文が掲載された時から全くのど素人が小保方氏をタレント扱いする報道に違和感があったが、今回の一斉理研・小保方叩きにも違和感がある。批判の一つ一つは正しいと思うが、寄ってたかって同じようなことを言い袋叩きする姿は私には醜く感じる。

何が醜いか、批判した大先生達に何一つ研究者に対する愛情を感じ取れないのだ。僅かに会見後一旦退席した理研の相沢氏が戻ってきて、「小保方氏の実験をカメラで監視し立会人を置いたのは科学のやり方ではない、科学者を犯罪人扱いすることはあってはならない、責任を痛感する」(文責筆者)との発言を見て、私は救われる気がした。それが科学者の前に人としての在り方だ。

少数派ながらこういう科学者や発言を報じるジャーナリストもいたという思いだ。他国はよく分からないが、叩いても大丈夫だと思うとマスコミだけでなく専門家から素人まで目茶目茶批判する傾向がある。日本人全体の傾向かも。これで日本の科学全体の信頼を損なう云々まで発展する。私はそうは思はない。そういう連中に限って何も分かってないし、海外との付き合いなんかない。

最先端の米国でも有名な論文不正はあった。第一、まだSTAP細胞が存在するかもしれないのだ。問題となった論文のやり方では作れなかっただけだ。今回の騒動で研究者が委縮するようなことがあってはならない。これを機会にガバナンスとか言って締め付けることだけ考えず、若い科学者が失敗を恐れず伸び伸びと研究課題に取り組めるよう改善して行くべきだ。■
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2014年末の異変

2014-12-19 17:48:55 | 国際・政治
サウジアラビアがOPECで減産しないという判断が世界を揺さぶった。黒田バズーカ第2弾が久し振りで日本発の情報が地球を一周して全世界に影響を与えたが、サウジの意志決定の破壊力はバズーカなんてものじゃなかった。世界の風景をすっかり変えてしまう強力なものだった。最も影響を受けたのは当事者の産油国に加えてロシアと米国のシェール産業だろう。

先ずは中国欧州の軟調な需要から原油価格が暴落し、新興国・資源国の通貨が急落、ロシアは欧米の制裁とダブルパンチでルーブルが暴落、損益分岐点の高い米国シェールガス産業の経営難、シェール産業の不良債権化を恐れ金融市場が動揺、株式から米国債・ドル円へ逆流が世界的に起こった。不安が不安を呼ぶ悪い循環が起こった様に私には思える。

私の保有する金融資産は海外物件が多いので日経平均の変動に余り反応しない。だが、今回は日本だけでなく先進国から新興国まで世界同時で発生した株価と通貨の激変なので、私の金融資産もニュースにほぼ連動して動いた。5月頃から上昇軌道に乗り得られたキャピタルゲインがほぼ消えてしまった。がっかりした。

世界市場は先行きが見えず今にも信用不安にまで発展しそうに思えたが、昨日の米国FOMCでイエレン議長が利上げを何時するのかどっちつかずの微妙な発言をして市場心理は一転した(専門家は原油安に配慮した巧妙な発言という)。何だ、市場心理とは・・・

具体的に何ら変化はないのだが投資家は冷静になった。私には良く理解できない。それどころか原油価格の下落基調は来年中頃まで変わらず40ドル台に下がるという見方が多い。だがイエレン議長の一言で世界の株式市場は上昇し、日経平均は今日も400円以上上昇し3日連続の続伸でひけた。もう終わったという感じだ。本当に終わったのなら終わり方が変だ。

これで原油価格下落は織り込まれて行き、落ち着きを取り戻すという見方だ。懸念事項はロシアの強硬な外交姿勢に対し欧米が追加制裁して、プーチン大統領を追い込み暴走するリスクだという。経済の為にロシアを刺激させないよう配慮すべきだというのも変だが、プーチンの頭の中が分からない怖さがある。ロシア国民は我慢強いというから外交の妥協を嫌うかもしれない。

参加者の気分だけで市場がこんなに大きく動き、何もしないのに自分の財産が増減するのを見ると空しい。元来私は理屈っぽくて理詰めで物事を判断しようとする。経済も学問だが一方で「景気は気」などと言われる。元々投資とはそういうものだと分かっていても、この12月の異変が私には単に損したという以上の違和感がある。何れにしろ、市場は今後沈静化すると私も思う。■
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越年治療・訂正

2014-12-18 11:31:01 | 健康・病気
1週間前に歯の治療が年越しで続くと投稿したが私の早とちりだった。昨日治療が終わると、先生から「今日で治療はひとまず終わり、来年3月に歯石を取りに来てくれ」と言われた。但し処置を先送りした「左奥歯は状況が変わったらいつでもどうぞ」とのこと。左奥歯の治療は複雑な処置なので、やるとすれば越年になるということだったようだ。

先生の説明は私には曖昧で、後から分かり易く説明してくれる技師の話を聞かないとたまに誤解してしまう。先生も分かっているようで技師の彼女に良く説明するよう指示しているのを聞いたことがある。治療は終わったが、どの歯もぐらぐらしていかにも頼りない。固いものを思い切り噛むと壊れそうでそっと噛む。もう死ぬまでダメだと諦めている。

治療費を支払い終わるまで待合室で待っていると、先に治療の終わったお婆ちゃんが話かけて来た。歯は大事にしなけりゃいけないという他愛のない内容だったが、私の歯が虫歯だらけなのに年をとって益々甘いものを食べるようになったとか、固いものが食べられなくなったとか、母は流動食だとか、言わなくても良い私的なことまで話した。

母の年代と思われるお婆ちゃんに話しかけられることなど滅多にないのでついつい喋り過ぎた。相手かまわずのお喋りだ。若い女の子だと誰彼かまわずやたら話しかけると疑われているが、JKだけと話す訳ではないのだ。■
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ブラックニッカの思い出

2014-12-17 17:30:57 | 日記・エッセイ・コラム
先週末から台所のカウンターにウィスキー瓶が置かれていて気になっていた。通称「角瓶」と言われたサントリーのウィスキーだ。今人気のNHKの朝ドラ「マッサン」に触発されたのかと、家内に聞くとただ思いついて買っただけだという。

私が現役の頃頻繁に米国に出張するようになり、化粧品等の知識のない私がお土産に困るとウィスキーを買った。酒好きの家内には鉄板のお土産だった。スコッチがネタ切れになりワイルドターキーやハーパーを選ぶと彼女は気に入って、それ以降バーボンが定番のお土産になった。結婚数年後に彼女が安い一升瓶の地ウィスキーを見つけて毎日飲み普通に飲めるようになった。

私は生来下戸の家系に生まれたが、田舎の学校に通っている時代に悪友に誘われ18、9の頃から外で酒を飲むようになった。お酒が好きというより大人の仲間入りし、学生以外の女の子と話がしたかった。最初に連れていかれたのがぽっちゃりした中年女性のママと女の子一人だけの感じのいい小さなバーで、後から聞くと数学の教授の行きつけの店だった。別に先生におべっかを使う積りも無かったが、落ち着いて飲めるお店の雰囲気が気に入った。

そこで勧められその後どこに行っても良く飲んだのが「ブラックニッカ」だった。週1回はそこで2、3杯水割りを静かに飲んで学生寮に戻って寝た。当時学生の間で良く飲まれたのはサントリーのレッドとかニッカウィスキーだったが、金もなく味も分からないのに私はブラック派だった。何故ニッカかというと、トップのサントリーに対する「アンチ」だった。当時から性格が曲がっていた。

4年になって下宿して自由気ままな学生生活を満喫した。お金がないので安いお酒が飲める近くのスナックに行くようになり、そこではジンやブランデーからカクテルまで色々あることを知った。何故か50年前頃は清酒や焼酎などの日本酒はあまり飲んだ記憶がない。居酒屋に行く友人もいたが、私達はバー・スナック派だった。多分女の子がいたからで、そのうち酒を飲む目的が変わった。スナックのママと気が合い(と思う)、馬鹿話をするのが楽しくなった。

馴染みになり店に入ると彼女が静かにブラックニッカの水割りを出し、それだけで嬉しくなったものだ。ある時タバコに火を点けようとしてポケットをまさぐっていると、彼女がマッチに火を点ける代わりにマッチ箱をくれた。あれっと思ったが自分で火を点け、マッチ箱をポケットに入れた。その夜下宿に戻りタバコを一服しようとマッチ箱を取り出すと裏側に電話番号が書いてあった。

以前投稿したが若いくせにいざとなるとしり込みする寅さん的性格丸出しで、それからどういう意味か暫く考えたが踏ん切りがつかず電話しなかった。それどころか、それ以来スナックにも顔を出さなくなった。彼女のことを覚えている仲間が沢山いて、その後結婚して店を辞めたという消息を聞いた。ギンガムチェックのミニスカートに黒タイツ姿の小柄な彼女の姿を今でも思い出す。これが私のブラックニッカの思い出だ。マッサンに感謝すべきだろうか。■
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総選挙の評価を評価する

2014-12-15 22:54:09 | 国際・政治
大方の予想通り衆院選は自公の圧勝に終わった。選挙結果を知るには選挙管理が発表する投票結果データよりも、マスコミ各社が実施する出口調査の方が選挙の真の姿を現しているように思う。今までに私が注目した報道は次の通りである。

*今回は争点が曖昧で風が吹かない、追い風も逆風もなかった選挙だった。
 関連して無党派の票が前回に比べ自民と共産に流れた。
*野党が候補者を立てず、政権交代ではなく安倍政権の信任投票になった。
*民主党政権時代の混乱を選挙民が忘れず、信頼回復が出来てなかった。
*与党批判ばかりで、政策を詰めきれず野党の連携が機能しなかった。
*戦後最低の投票率(52%)で、安定支持基盤がある与党・共産が有利だった。
*若者の投票率が減ったらしい。―‐私の推測では30%前後に低下(前回38%)

総選挙報道を見て私が知りたいと思ったのは、誰の票が選挙結果を左右したのか、何が当落を決めた重要な争点だったか、だ。或いは、信を失った民主党と連携できない野党への失望から消去法で自公に票が流れたのか。今迄の報道では突っ込み不足の様に感じる。

比較的クリアに分析され説明に納得したのは、無党派のかなりの票(20%以上)が自民党に流れたということだ。その理由は無風選挙と弱い野党であると私も考える。だが、だからと言って安倍政権の正統性に疑問を挟む報道には違和感がある。選挙は民主主義の究極の道具立てである。選挙結果を否定することは民主主義の否定につながる。

選挙に関わる数字は選挙制度や投票率によって異なる。異なる条件下(投票率)で行われた選挙結果データを比較して異なるメッセージを誘導するような報道は、私に言わせれば恣意的とも思われる誤報問題を起こした朝日新聞の姿勢につながる。

投票率50%だとその半数の得票を得ても、有権者全体から見れば1/4の得票しか得てないという論理で選挙結果を軽んじようとするのは、民主主義の否定につながる。高投票率は望ましいが低投票率の結果を軽んじるのは明らかに間違いだ。社会の公器を標榜するマスコミが言うべきことではないと私は思う。

更に言うと、低い投票率に関して投票に行かないような無責任な連中の意志を反映した政治の質が果して高まると期待できるだろうか。テレビが報じた棄権者の言訳は話にならない、そんな無責任な人達の票などで政治が左右されてよいかと考えざるを得ない。もっと重要な問題は今回も1票の格差が2.1倍の違憲状態にあったことだと私は考える。

とは言いながら最後に若者・女性と高齢者の投票率がどうだったか大変気になる。今回もシニアデモクラシーが幅を利かすことになるのかも重要だ。自民党は労働・農業・医療・エネルギーの分野で根源的な改革を約束したが、安倍首相は選挙で殆ど取り上げず市場はやる気があるのか懐疑的だとWSJは伝えている。ここにマスコミは注目すべだが。■
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