一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第5回 信濃わらび山荘将棋合宿(第7手)・中井広恵女流六段とペアを組む

2012-11-13 00:25:31 | 将棋イベント
11月4日、3日目の朝である。早くも将棋合宿最終日。楽しい時間はときが経つのが早い。
大広間に出ると、His氏とHanaちゃんが将棋を指していた。よくある光景だが、改めて圧倒される。
外に出ると、きょうも快晴である。合宿の雨男は、植山悦行七段と断定していいと思う。
午前7時すぎ、食堂に入るが、調理のおばちゃんから、食事は7時半からと告げられた。きのう中井広恵女流六段は「朝食は7時から」と言って平気で食べていたが、やはりあれは間違いだったのだ。
私は7時半に出直し、最後の朝食を摂る。ふだんの私は牛乳1杯だが、旅では朝食がしっかり摂れる。これが不思議だ。
Sat氏、N氏の両名はきょう用事があり、今朝6時すぎに山荘を発ったという。結局ふたりが山荘に居たのは丸1日で、Kun氏やKaz以上にタイトだ。ふたりとも立派な「将棋バカ」であった。
食後、大野八一雄七段が中井女流六段に肩揉みをしている。しばし眺めていたら、大野七段が私にバトンタッチしてくれた。光栄だが、わたくしめでいいんでしょうか。
最初は恐る恐る揉んでいたが、それでは力が弱すぎたようだ。それでギュウギュウ揉んでみたが、ものの3分でこちらの手が疲れてしまった。
私は大野七段にバトンを返す。肩揉みもラクではないのだ。
ところで昨夜2時すぎ、中井女流六段やW氏のケータイに、植山七段から電話がかかっていたという。ずいぶん夜更けだが、その時間我々が起きているとのヨミだったのだろう。
今朝連絡が取れたのだが、なんと植山七段の泊まったホテルでボヤ騒ぎがあり、植山七段も叩き起こされたという。
それからは一睡もできなかったそうで、とんだ災難だったが、私は植山七段が浴衣姿でホテルを右往左往するさまを想像して、口元が緩んでしまった。
ともあれ植山七段、合宿不参加でも、いろいろ話題を提供してくれる。
さてコテージに戻って、きょうも可能な限り将棋を指す。
まず、Kun氏と対局。私の先手で、▲2六歩△3四歩▲7六歩△8四歩に、私は気分を変えて▲6六歩。軟弱でも気合負けでもいいのだ。
以下矢倉模様に進むが、Kun氏に△8五歩と伸ばされ、▲6八角の瞬間の角交換を見せられ、おもしろくなかった。
角交換後、Kun氏△3五歩に、私は▲4六角。1歩得して反攻するハラだが、角を手放すから結構な勝負手だ。
△4四銀右▲同角△同銀▲6三歩成△8五桂。私は角銀交換の強攻からと金に期待したが、直後に△8五桂と跳ばれるのがいまいましい。
「と金は引いて使え」という。私は▲6四とと引く。ではこの局面を載せよう。

先手・一公:1五歩、1九香、2六歩、2八飛、2九桂、3七歩、4七歩、5六銀、6四と、6八金、7六歩、7八金、8六銀、8七歩、8八玉、8九桂、9七歩、9九香 持駒:銀、歩3
後手・Kun:1一香、1三歩、2一桂、2三歩、3一玉、3二金、4三金、4四銀、4五歩、6六歩、7四歩、8二飛、8五桂、9一香、9五歩 持駒:角2、歩

以下の指し手。△4九角▲5八歩△5二飛▲5七歩△7六角成▲7七歩△4九馬▲6五と△5五歩 まで、Kun氏の勝ち。

Kun氏は△4九角。▲7六歩を取らせる手もあったと思うが、私は▲5八歩。しかしKun氏に△5二飛と回られて困ってしまった。と金を引かなければこの手はなかったが、仕方ない。
私は熟考の末▲5七歩だが、△7六角成でこちらが悪い。泣きの▲7七歩△4九馬に、私は初志貫徹で▲6五と。しかしこの瞬間△5五歩と打たれてシビレてしまった。銀を助けるためには▲同としかないが、△同銀▲同銀△同飛は、何の見返りもなくと金を損し、駒損が残るだけ。そんなバカバカしい手は指せぬので、私はここで投了した。
もう私の構想が悪かったというしかないが、▲1五歩では▲2五歩と突いて、早めに攻勢を取っておくのだった。
間を置かず、Kun氏と再戦。今度は私の後手で、横歩取りに進む。Kun氏▲3四飛に、私は角を換わって△2八歩~△4五角。
「(横歩取りを指すと)△4五角があるんだよなァ」
とKun氏がつぶやく。
ここで定跡では▲2四飛だが、Kun氏はたんに▲7七角。これもあるところで、以前私はLPSA芝浦サロンでU氏にこれをやられ、惨敗したことがある。
△8八飛成▲同角△3四角▲1一角成△3三桂。ここで▲8四飛と指されたらどう返していいか分からなかったが、Kun氏は▲3六香。これには△3五歩▲同香△2五飛▲3四香△2八飛成▲3八角△2七銀で、私がおもしろい形勢になった。以下、私の勝ち。
Kun氏も感想戦、というか研究が好きだ。当然ながら、▲1一角成△3四角の周辺を重点的に行った。しかしどうやっても後手が不利になってしまう。そんなバカな! これはあとで大野七段に請わないとダメだ。
コテージは10時に引き揚げることになっている。買いだしの飲食類だが、飲み物はいいとして、またもお菓子がごってり残ってしまった。毎回お菓子を余らすのに、またやってしまった。どうして私たちは、学習能力がないのだろう。
私たちは対局机と椅子を部屋に戻すが、大野七段以下数名はまだ将棋に熱中している。社団戦で掃除の時間になっても、我関せずで研究に余念がない手合いがいるが、それを思い出した。しかしまあ、その将棋熱がうらやましくもある。
とにもかくにも、これで一般対局は終了。私のリーグ戦は、6勝4敗。指導対局は0勝2敗。中井女流六段との角落ち戦やMinamiちゃんとの二枚落ち戦など、おまけ対局は5勝3敗だった。ちなみに今回のトップはFuj氏で、指導対局2勝も含み、リーグ9勝1敗だった。とりわけ、中井女流六段に相矢倉で勝った星が光る。
このあとはFuj氏お待ちかね、食堂で「ペア将棋」である。
荷物や将棋盤、お菓子類一切合切をそちらに移す。現在12人いるから、6ペアができる。一部ペアは事前に組み、あとはアミダクジでペアを決める。私は特別に、中井女流六段と組ませていただいた。女流棋士と組むのは初めてだが、その相手が中井女流六段とは光栄である。
大野七段はMinamiちゃんと組む。そして手合いは、大野・Minamiペアの下手二枚落ち。プロの七段でも下手の二枚落ちを指すところに、ペア将棋のおもしろさがある。
私たちの対戦相手はW・Kazペアに決まった。ペア将棋は相方との呼吸が大事だが、私は多少ヘマをやっても、中井女流六段が何とかしてくれるの気があるから、ラクなものだ。とにかく、悪手の類を指さないよう心掛けた。
W・Kazペアのゴキゲン中飛車に、私は超速▲3七銀を目指す。しかし▲3七銀の前に私が▲7八玉と寄ろうとして、どうもぎごちない。
中井女流六段は私の指し手に一喜一憂せず、目の前の最善手を模索している感じ。
中盤は見応えある攻防が続くが、あのギクシャク感は、対局当初から私(たち)を支配している。それでも何とか、私たちが優勢になった。
(つづく)
コメント (3)
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