一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1月24日の4時から男(中編)

2021-02-04 00:30:53 | 新・大野教室
日付変わって今日2月4日は、小泉今日子さんの55歳のお誕生日。おめでとうございます。

   ◇


第7図以下の指し手。△7七馬▲同玉△6五桂▲6六玉△7四桂▲6五玉△5四金▲7六玉△7八竜(投了図)
まで、一公の勝ち。

私は△7七馬と行った。これに▲5七玉なら△6五桂はあるが、▲4八玉で詰みそうにない。が、少年は▲7七同玉。これは△6五桂と打ち、まだ持駒が金銀桂香とあるから、詰みである。
△7八竜に、少年が投げた。しかし社団戦でないので、私は勝っても全然うれしくなかった。

局後は△7七馬に、▲5七玉△6五桂の変化を相当検討した。中には先手玉が1四まで行って詰む変化も出たが、正確に指すと、やはり詰まなかった。
しかし、飛車落ちで指そうという相手と平手でいい勝負とは、私も苦笑するしかない。でも飛車落ちは飛車落ちで、いい勝負になりそうな気もするのである。
2局目は、さっきのちびっ子との対局。私の四枚落ちだ。ちびっこは「またまけちゃうかな」とつぶやき、銀多伝できた。四枚落ちにも定跡があるが、二枚落ち定跡を用いても上手からの端攻めがないので、一理ある指し方だ。
私は右金を前線に繰り出していくしかないが、ちびっ子は私の△9五歩めがけて▲9六歩。ためしに△同歩と取ってみると、▲9四歩と垂らした。なるほどこれでと金を製造するというわけか。習わないと指せない手で、私は大いに感心した。
そこから私が微妙に緩み、第1図は下手が勝勢である。

第1図以下の指し手。▲5五角△8三玉▲9一角成△8八歩▲6二銀△8二銀▲7五桂△7二玉▲8二馬△同玉▲8四飛△7二玉▲6三銀(投了図)
まで、ちびっ子の勝ち。

▲5五角が待望の飛び出しだ。私は△8三玉と寄るよりないが、そこでじっと▲9一角成がうまい。ここは▲7五桂が簡明だが、角を馬に昇格させるほうが本手に感じた。
私の△8八歩は勝手にせい、だが、ちびっ子は▲6二銀と網をしぼる。私はつらい△8二銀。「さあ、ここはよく考えてくれよ」。
ちびっ子はソツなく▲7五桂を利かし、▲8二馬と切った。これも好手で、▲9二馬と逃げるようでは勝ちが遅れる。
△8二同玉に▲8四飛の転回が気持ちいい。以下△7二玉に▲6三銀でピッタリ詰められた。

ちびっ子はまだ指し手に甘いところもあるが、キラリと光る手はある。このまま将棋を続ければ、将来が楽しみである。
3局目は成人男性との対戦。初顔合わせだ。大野教室はけっこう初顔の人が来るので、しばしご無沙汰していると、すぐに浦島太郎状態になる。
手合いは平手。先手・私の居飛車明示に男性氏が中飛車に振ったが、男性氏の手つきが覚束ない。しかも△2二角がいるのに△3三銀と上がったので、本当に有段なのか、疑ってしまった。
しかし男性氏は△4四銀と上がり、△5五歩から捌いてくる。気が付けばこちらが悪くなっており、キツネにつままれたようだ。社団戦によくあるが、相手の棋力が分からないと疑心暗鬼に陥ることがあるが、あれと同じだ。

第1図で、私は▲4七角。目障りな歩を除去して、なおもこの角が8三に利くという寸法だがいかにも捻り出した手という感じで、ここでは劣勢を自認した。
だがその後は私が盛り返し、私が有利になったようだ。男性氏は△5一歩、△6二歩と打ってしまったので、攻撃力が乏しくなったのが痛い。
そこから数十手進み、第2図は▲5五銀まで。この一手前は△3五角打だったが、△3五角と覗くのがよかったようだ。

第2図以下の指し手。△8七金▲同玉△6八角成▲7八金△8六歩▲同玉△8五歩▲7六玉△5七馬(第3図)

男性氏の△8七金に▲同玉と取ったのが悪手。△6八角成と金を取り返されたがこの馬の威力が大きく、しかも△8四銀と吊り上げた手もお手伝いになって、上下挟撃になってしまった。戻って▲8七同玉では▲6九玉と逃げるのだった。

第3図以下の指し手。▲4四銀△7五銀▲8七玉△8六歩▲8八玉△8七金▲同金△同歩成▲同玉△8六歩▲7八玉△6八金▲8八玉△6七馬(第4図)

第3図では▲6六銀打としたいが、△8六金▲6五玉の形は生きた心地がしない。こっちも角が欲しいので、目をつぶって▲4四銀と角を取った。しかし△7五銀以下、玉を下段に落とされ、先手敗勢。こうなると△5一歩と△6二歩が鉄壁になっていて、トン死の筋もない。
本譜は△6七馬までとなって、私の負けである。だが……。

第4図以下の指し手。▲8三歩△同玉▲6五角△7四銀▲8四歩△同銀▲4三角成△7八金▲9七玉△7七馬▲6一馬△7二桂▲同馬△同玉▲7一金△同玉▲5一竜△6一金▲同竜△同玉▲5二金△同玉▲5三金△6一玉▲6二金(投了図)
まで、一公の勝ち。

▲8三歩には△9三玉で後手の勝ちだったと思うが、△同玉でもよい。
▲6五角は投げ切れずに指した。6手後の▲9七玉には△8七歩成がよかったが、△7七馬ももちろんよい。しかし5手後の▲7一金に△同玉と取ったのが躓きの始まりで、ここは△8三玉で後手の勝ちだった。その次の▲5一竜にも、△8二玉でよかった。
さらに▲5二金にも△7二玉と逃げるべきで、▲6二金に△8三玉と上がる形が「Z」に近い。
本譜△5二同玉には▲5三金と打ち、今度こそ後手玉が詰んでしまった。投了以下は△6二同玉に▲5二飛△同玉▲5三銀△6一玉▲6二金(参考図)までである。


社団戦ならまだしも、この勝利もうれしくなかった。感想戦となったが、男性氏は秒読みで慌ててしまったという。とくに▲6一馬とボロッと金を取られて、混乱してしまったらしい。
とりあえず△8七金の局面に戻し、▲6九玉の変化をやる。以下△5五銀▲同歩△5七銀▲同金△同角成は、▲6八銀で先手が残していたようだ。仮にこれが寄っていたとしても、△8七金を取る手はなかった。
いやまったくお恥ずかしい将棋で、全然読みがまとまっていない。次回対戦したときは、しっかり指したいものだ。
(つづく)
コメント
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