一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

1月24日の4時から男(前編)

2021-02-03 00:43:57 | 新・大野教室
1月24日(日)は、久しぶりに大野教室に行った。もちろん将棋を指すためだが、将棋関係の調べものがあったのである。むしろそちらが主だった。
教室に行く途中、東横イン川口駅西口店の道路を挟んだ向かいにローソンが新規開店しているのを確認した。「ホテルの近くにコンビニ」は、旅行者にはとても重宝する。
ホテルの先では、24時間営業のコインランドリーが建設中だった。ホテルができると、それに関連する店舗ができる。川口駅の西側は住宅街で閑静だが、今後の動向に注目である。
教室に入り、大野八一雄七段への挨拶もそこそこに、W氏に手伝ってもらい、調べものをした。私の求職も、このくらい熱心にしなければいけないのだが。
指導対局なしの一般入室は午後4時より対局可だが、4時前に対局がついた。和室に入ると、客が多い。下駄箱を見たときから察しはついたが、このご時世でも将棋は指すのである。もっとも、みなマスクは着用しているし、対局中はダンマリだし、感想戦も静かだ。個々で細心の注意を払っているのが分かる。
私の相手はいつもの小学生だった。大野七段は本局を飛車落ちの卒業テストにしたかったようだが、駒を並べると少年が平手を所望したので、それに従った。
先手の少年は居飛車明示。私は角道を止め振り飛車模様だが、少年は早くも▲2五歩を決めてきた。こうなれば向かい飛車が多いが、私は四間飛車に振った。
少年は急戦を明示したが、定跡通り指せば私が不利になりそうな気がした。△4五歩とし角交換になり、ここから力将棋である。
右ではTaga氏がちびっ子と将棋を指していた。Taga氏とは「明けましておめでとうございます」と、遅ればせながら新年の挨拶をしあう。
第1図は私が△4六歩▲同歩と突き捨てた局面。ここは2つの手があるが……。

第1図以下の指し手。△2七角▲3七飛△5四角成▲8八角△6六歩▲同角△7六馬▲8八角△5四馬(第2図)

第1図で△4四角と打ちたいが▲3五歩の切り返しがあり、うまくいかない。よって△2七角を採る。振り飛車らしくネチャネチャいく感じだ。
少年の▲8八角は意味がよく分からなかったが、彼なりの狙いがあった。

第2図以下の指し手。▲2四歩△同歩▲2二歩△2五歩▲1七銀△2六歩▲2八銀△2七歩成▲同銀△2二飛▲2六歩△2四飛(第3図)

Taga氏の将棋は、Taga氏が「負けました」と言った。だが局面を見ると、Taga氏が入玉しており、少なくとも負けはない形勢だ。
なるほどそういうことか。泥仕合になったので、ここでTaga氏が切り上げたのだ。ちびっ子相手に本気で指して勝っても後味はよくない。私は誰が相手でも全力で頑張るからいけない。見習わなければと思った。
第2図から、少年の▲2四歩△同歩▲2二歩が軽手。これを△同飛は▲3四飛がある。よって私は△2五歩。少年は▲1七銀といい辛抱をしたが、ここは強く▲2一歩成でよかった。以下△2六歩▲3三角成で先手が十分だったと思う。
本譜は△2六歩に▲2八銀もいい辛抱。まったく小学生らしからぬ手で、彼は強くなりそうだ。
以下▲2六歩までと進み、私は△2四飛と浮いた。しかしこれがやや疑問で、△2三飛とひとつだけ浮くべきだった。

第3図以下の指し手。▲1七桂△1五歩▲同歩△1六歩▲2五桂△同銀▲同歩△同飛▲2六歩△2四飛(第4図)

少年は▲1七桂と跳ぶ。いい駒の活用である。対して私の△1五歩がヘンな手だった。先手の対応によっては△1八歩から香得する意味だが、そううまくいくはずがない。
△1六歩に▲2五桂の味がよく、これが▲3三桂成の先手である。これがあるから△2四飛では△2三飛のほうがよかったのだ。
面倒くさいから△同銀と取ったが、あの桂馬とこの銀が交換になったのは大誤算だった。
▲2六歩に△2四飛と引く。今度はこの位置でいいと思ったが……。

第4図以下の指し手。▲3三角成△同桂▲同飛成△2三歩▲3六桂△3二歩▲3五竜△4四角▲同桂△同馬▲3二竜△9九馬(第5図)

▲3三角成が強手。△2一の桂と角を交換に来るとは思わないから、驚いた。しかもこれが存外厄介で、数手進んで▲3六桂まで、先手は大駒が取り返せる形になった。
△3二歩▲3五竜に△4四角は気が利かないが、局面がサッパリすれば、▲2七銀が遊んでいる分、後手がよくなると思った。
果たして△9九馬と飛び込んだ局面は、振り飛車が指せると思った。

第5図以下の指し手。▲6一銀△4二歩▲1二竜△7六桂▲6六香△6八桂成▲同銀△3四飛▲3五歩△同飛▲3六歩△7五飛▲7六歩△同飛▲7七歩△9六飛(第6図)

▲6一銀の割り打ちが厳しく、こう打たれてみると形勢は不明だ。私は△4二歩といったん受けたが、少年は▲1二竜と香を補充して落ち着いている。
私は待望の△7六桂だが、疑問だったかもしれない。ここは△8四飛と回り、先手に1枚使わせるのだった。
少年の▲6六香が、後手の歩切れを衝いた好手。私は△6四桂とも打てないから、金を取って△3四飛と寄ったが、形勢に自信がなくなってしまった。
▲3六歩に△7五飛と王手したが、ここも黙って△8五飛だったかもしれない。
本譜も△9六飛と回って飛車成が約束されたが、先手の攻め駒も急所に利いている。ちょっとマズくしたと思った。

第6図以下の指し手。▲6三香成△同金左▲4二竜△9八飛成▲6九玉△6二金打▲7二銀成△同金▲6一銀△7一銀▲7二銀成△同銀▲6一金△7一香▲7五桂△8九竜▲7九金△7八銀▲5九玉△7九銀不成▲6三桂成△6八銀成▲同玉(第7図)

少年の▲4二竜では▲7二銀成△同玉に▲2一竜や▲7五桂で私が負けと思った。だが本譜も着実な寄せで、どうしてこうなっちゃったんだろうと、私は困惑していた。
▲6三桂成で後手玉は受けなし。私は先手玉を詰めるしかなくなったが……。

(つづく)
コメント (2)
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