旭川冬まつりの歴史上、最も観客を集めたのは、数年前に来旭した小島よしおだろう。海パン一丁でパフォーマンスをやるのかと注目が集まり、この広い湖畔会場が人、人、人で埋め尽くされた。
今年はその時ほどの混雑ではないが、それでも大変な人出だった。
然るにとにかく明るい安村は、何と服を着ていた。正確に書けば、オーバーを着ていた。横に進行役と思しき人がいて、トークショーの趣になっていた。
しばらく経つととにかく明るい安村にラーメンが供され、彼が美味そうにズズズとすする。
…何じゃこりゃあ!?
私は服を着たとにかく明るい安村を見に来たのではない。裸のとにかく明るい安村を見に来たのである。それなのに服を着てトークショーで間を持たせ、ラーメンをすするなど期待外れもいいところ。あれじゃ堤下と見分けがつかないではないか。
どうもこれは、ラジオの公開録音だったようだ。…なるほどこれなら、着衣もやむを得ないか。ちなみに12時の回はオープニングセレモニーで、とにかく明るい安村の旭川観光大使委嘱式があった。ああ、特急を使ってでも、こちらを見るべきだった…。
ところで湖畔会場に来れば、必ず寄る古本屋がある。さっきバスで通った時は閉まっているふうだったが、どうか。
入口の付近では、北方領土の署名活動を行っていた。私も記帳し、ティッシュをいただく。これが正常で、昨日の深川の粗品が豪華すぎたのだ。
念のため古本屋に出掛けると、案の定シャッターが下りていた。
まあよい、再び会場に取って返し、本格的に雪像の鑑賞である。旭川冬まつりはここ何年か、大雪像のキャラクターと提携してイベントを行っている。今年は旭川独自のキャラクターらしい。
中雪像のある1基もそのキャラだったが、五郎丸の例のポーズをやっていた。雪まつりは前年話題になった人物がモデルになるのが慣例だが、今年は札幌でも五郎丸関連がありそうである。
ステージ横では、今年もミニ列車が運行されている。今年は北海道新幹線が開通するので、その看板が出ている。私も列車に乗りたいが、私の年齢ではムリだ。
ステージの向かいは冬マルシェが開かれている。昔は食事処も少なかったが、ここ何年かは出店が飛躍的に増え、賑やかになった。ただ、さっぽろ雪まつりもそうだが、食事処が派手になるのは雪まつりの雰囲気が薄れ、私はあまり好きではない。
その一角にとにかく明るい安村のブースがあり、観光客が列を作っていた。ここは後で入る。
私は隣接する常盤公園に向かう。昔はここも冬まつりの一部で、大氷像がメインだった。広場ではイベントも行われていた。無料休憩所もあり、たいそう賑わっていたものだ。
それが年を追うごとに規模は縮小され撤退となり、いまは見る影もない。
常磐公園内には市立美術館があり、この入館も楽しみのひとつである。ところが、今年は休みだった。土曜日を休館にするココロが分からないが、拍子抜けした。
湖畔会場に戻ると、meecoという歌手がミニコンサートをやっていた。ステージでは何かしら催し物をやるのがよい。ここが閑散としていると、辺りが沈黙していけない。
私はマルシェ内にある藤城製麺で、たぬきそばを食べる。製麺所だけあって300円と安くて、美味い。去年、おととしは400円に値上げたが、今年元の値段に戻ったのがありがたかった。
2時半からは敦賀はるきのピアノ弾き語り。元は女性だが現在は男性という、異色の経歴だ。声がハスキーで、いい歌だった。
3時からは大野英二歌謡ショー&元祖スコップ三味線「無弦」のステージだ。これをけっこう楽しみにしていたのだが、スコップ三味線は、若干…期待外れだったか。ちょっと、平均年齢が高かった。
買物公園通りに向かう。ここ何年か、贔屓にしている蕎麦屋があり、ここに寄るのも定跡だ。
その前に例の古本屋に寄ると、店を開けていた。私は入店し、買わずもがなのマンガを買う。これも年中行事のひとつだ。
買物公園通りの入口に着いた。…が、蕎麦屋を通り過ぎてしまった。?? 威厳のある和風の建物が、ない。確かこのあたりだったはずだが…。
これはまずいパターンである。鹿児島の山ちゃんラーメンや釧路のラーメン屋の再現か。ここも、廃業してしまったのだろうか?
私は辺りを行きつ戻りつするが、やはり、ない。この新築のビルがそうか、その横の空き地がそうか。
実は旭川で馴染みの蕎麦屋がなくなったのは、これが初めてではなく、3軒目だ。いずれも廃業らしく、そのたびに私は新規を開拓して、確か2年前にこの蕎麦屋にたどり着いた。それなのに…。
私はボウ然として、買物公園通りに入る。ここでは氷彫刻世界大会が11日まで催される。これも毎年の楽しみなのだが、たしか昨年から、市民に制作過程を見せたいということで、会期中の氷像制作になった。そのあおりを食って、私は昨年、完成品を観られなかった。
今年もイヤな予感がしたのだが、案の定、氷像はなかった。今年は昨年よりひどく、各スペースに太い氷がデンと置かれているだけだった。昨年は開催2日目だったが、今年は初日にお邪魔したから、こんな事態になったのだろう。
何だか立て続けに落胆があって、一気にテンションが下がってしまった。
時刻は3時50分である。夜の冬まつり会場も楽しみたいが、いっそのこと小樽に行っちゃおうかと思う。特急電車は利用しないが、今から札幌行きの高速バスに乗れば、「小樽雪あかりの路」に間に合いそうだ。
私は中央バスターミナルに向かった。
(つづく)
今年はその時ほどの混雑ではないが、それでも大変な人出だった。
然るにとにかく明るい安村は、何と服を着ていた。正確に書けば、オーバーを着ていた。横に進行役と思しき人がいて、トークショーの趣になっていた。
しばらく経つととにかく明るい安村にラーメンが供され、彼が美味そうにズズズとすする。
…何じゃこりゃあ!?
私は服を着たとにかく明るい安村を見に来たのではない。裸のとにかく明るい安村を見に来たのである。それなのに服を着てトークショーで間を持たせ、ラーメンをすするなど期待外れもいいところ。あれじゃ堤下と見分けがつかないではないか。
どうもこれは、ラジオの公開録音だったようだ。…なるほどこれなら、着衣もやむを得ないか。ちなみに12時の回はオープニングセレモニーで、とにかく明るい安村の旭川観光大使委嘱式があった。ああ、特急を使ってでも、こちらを見るべきだった…。
ところで湖畔会場に来れば、必ず寄る古本屋がある。さっきバスで通った時は閉まっているふうだったが、どうか。
入口の付近では、北方領土の署名活動を行っていた。私も記帳し、ティッシュをいただく。これが正常で、昨日の深川の粗品が豪華すぎたのだ。
念のため古本屋に出掛けると、案の定シャッターが下りていた。
まあよい、再び会場に取って返し、本格的に雪像の鑑賞である。旭川冬まつりはここ何年か、大雪像のキャラクターと提携してイベントを行っている。今年は旭川独自のキャラクターらしい。
中雪像のある1基もそのキャラだったが、五郎丸の例のポーズをやっていた。雪まつりは前年話題になった人物がモデルになるのが慣例だが、今年は札幌でも五郎丸関連がありそうである。
ステージ横では、今年もミニ列車が運行されている。今年は北海道新幹線が開通するので、その看板が出ている。私も列車に乗りたいが、私の年齢ではムリだ。
ステージの向かいは冬マルシェが開かれている。昔は食事処も少なかったが、ここ何年かは出店が飛躍的に増え、賑やかになった。ただ、さっぽろ雪まつりもそうだが、食事処が派手になるのは雪まつりの雰囲気が薄れ、私はあまり好きではない。
その一角にとにかく明るい安村のブースがあり、観光客が列を作っていた。ここは後で入る。
私は隣接する常盤公園に向かう。昔はここも冬まつりの一部で、大氷像がメインだった。広場ではイベントも行われていた。無料休憩所もあり、たいそう賑わっていたものだ。
それが年を追うごとに規模は縮小され撤退となり、いまは見る影もない。
常磐公園内には市立美術館があり、この入館も楽しみのひとつである。ところが、今年は休みだった。土曜日を休館にするココロが分からないが、拍子抜けした。
湖畔会場に戻ると、meecoという歌手がミニコンサートをやっていた。ステージでは何かしら催し物をやるのがよい。ここが閑散としていると、辺りが沈黙していけない。
私はマルシェ内にある藤城製麺で、たぬきそばを食べる。製麺所だけあって300円と安くて、美味い。去年、おととしは400円に値上げたが、今年元の値段に戻ったのがありがたかった。
2時半からは敦賀はるきのピアノ弾き語り。元は女性だが現在は男性という、異色の経歴だ。声がハスキーで、いい歌だった。
3時からは大野英二歌謡ショー&元祖スコップ三味線「無弦」のステージだ。これをけっこう楽しみにしていたのだが、スコップ三味線は、若干…期待外れだったか。ちょっと、平均年齢が高かった。
買物公園通りに向かう。ここ何年か、贔屓にしている蕎麦屋があり、ここに寄るのも定跡だ。
その前に例の古本屋に寄ると、店を開けていた。私は入店し、買わずもがなのマンガを買う。これも年中行事のひとつだ。
買物公園通りの入口に着いた。…が、蕎麦屋を通り過ぎてしまった。?? 威厳のある和風の建物が、ない。確かこのあたりだったはずだが…。
これはまずいパターンである。鹿児島の山ちゃんラーメンや釧路のラーメン屋の再現か。ここも、廃業してしまったのだろうか?
私は辺りを行きつ戻りつするが、やはり、ない。この新築のビルがそうか、その横の空き地がそうか。
実は旭川で馴染みの蕎麦屋がなくなったのは、これが初めてではなく、3軒目だ。いずれも廃業らしく、そのたびに私は新規を開拓して、確か2年前にこの蕎麦屋にたどり着いた。それなのに…。
私はボウ然として、買物公園通りに入る。ここでは氷彫刻世界大会が11日まで催される。これも毎年の楽しみなのだが、たしか昨年から、市民に制作過程を見せたいということで、会期中の氷像制作になった。そのあおりを食って、私は昨年、完成品を観られなかった。
今年もイヤな予感がしたのだが、案の定、氷像はなかった。今年は昨年よりひどく、各スペースに太い氷がデンと置かれているだけだった。昨年は開催2日目だったが、今年は初日にお邪魔したから、こんな事態になったのだろう。
何だか立て続けに落胆があって、一気にテンションが下がってしまった。
時刻は3時50分である。夜の冬まつり会場も楽しみたいが、いっそのこと小樽に行っちゃおうかと思う。特急電車は利用しないが、今から札幌行きの高速バスに乗れば、「小樽雪あかりの路」に間に合いそうだ。
私は中央バスターミナルに向かった。
(つづく)