神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

胸のすく話

2021年05月31日 19時18分26秒 | 読書
宮本輝の『流転の海』を読みだしたら案外面白い
前回読んだ同人の『森のなかの海』は神戸地震をベースに主人公の女性が不思議な奇縁に入り込んでいくよく意味がわからない小説だった
今度のこれは最初から50歳のとびっきり度胸よくお行儀のよくない荒くれ経営者の主人公が自己主張を始める
戦後の大阪の闇市でうごめく荒くれの世界で戦前の成功を取り戻すべく、人集めから始めていく男の生きざまと出会いも面白い
『どてらい奴』成り上がり商人の痛快な物語であった、あれも面白かった
度胸と頭脳と人材が一致すると怖いものなど何もなくなる、次々と困難を乗り越える物語は読んでいて心が躍る

やはりこういう物語の主人公は関東人ではなく関西人の方が良い
本当の江戸っ子のべらんめぇなら小気味良いが、そうでない首都圏のセリフは四角四面で面白くない
その点、関西弁の商人ドラマはきわどいセリフを言っても、どこかにほのぼのとした心を感じるのだ
関西弁は商人弁だと思う、もっとも『流転の海』の主人公は伊予の出身者で、その方面の言葉を使う
広島弁に似たどぎついセリフが出てくる、大阪の言葉とはかなり違う
今は戦後数年の時代背景だからむしろどぎつい言葉の方があっているかもしれない、まだ全9巻を読み始めたばかりだから何とも言えないが

かって経理士事務所が提供してくれる、成功した経営者の講座のCDを毎日のように聞いていた
その中で唯一印象深く今も残っているのは、トヨタ、日産などに大きく水をあけられている2流メーカーの地方ディラーの社長の話
滋賀県だかのディラーだと思ったが関西の社長だ、たしかな記憶は薄れてしまいあいまいだがご承知願いたい
社長だった父が亡くなったのか会社を引き継ぐ、引き継いでみてびっくりボロボロの赤字会社で愕然とする
早速、会社改革を始めるが古参の重役連が子ども扱いして耳を貸そうともしない、それでも続けると
「ほなら、わてらはやめさせてもらいます」と脅しをかけてくる、それに屈したりもするが、ますます経営悪化
ついに重役連は「わてらが辞めたら、この会社もおしまいでっせ、ほな社長さん安生に」次々と会社を見限って辞めていった
これは大変なことになった、ベテランの重役たちが皆辞めてしまえば会社は回らなくなると大慌てするが、後の祭り

ところが1か月、2ヶ月過ぎても売上は落ちない、落ちないどころか利益が出てきた、これはどうしたことか?
残った平社員に聞いてみると「それは、あたりまえでんがな、重役の仕事は豪勢な椅子に座って新聞読んでるだけでっせ
営業してあるいてるんわ、わしらや何も変わりませんがな」
なるほど売上が変わらず、高給取りの重役が辞めただけ人件費が大幅に減って、その分利益となったのだ
そしてトヨタなど大手のディラーを押さえて県内一のトップシェアを達成した

その後、桁違いに大きな神戸だか兵庫だかのディラーの再建をすべくメーカーに志願して乗り込み
自ら労働者として先頭に立って模範となり社風を正し、大いに実績を上げる

この話は「ええ話でんな」こういうのが私は大好きで、胸がすーっとする
人生、何が幸いするかわからん
苦あれば楽あり、人は元気で楽しく、真面目で真剣にやっていれば神様もご先祖様も助けてくれる
まあ、毎日そんな気持ちで生きてます






秋の夜長の暇つぶし

2020年10月12日 18時24分42秒 | 読書
この頃、はまっているのは文章書き
夜は全く暇なので時間つぶしにはもってこいだ
中国の宮廷連ドラ、全70数話を二度見て、それを小説のように書いていく
8月から初めて2か月かけて5日ごろ、ようやく終了した
ずいぶん根気よく、やり遂げたものだ
ドラマを小説化するのだから、当然動作や表情、衣裳から環境、そして人間関係まで説明する
あるいはドラマの中で語られない登場人物の心の動きや、駆け引きまで描写する
これはいい体験だった、ボケ防止にも一役買っている
だんだん分を書くコツがつかめてきたところで終わった
それで一昨日から再び書き始めたのが、歴代天皇から見た日本の歴史
古事記、日本書紀いわゆる記紀からの引用で日本列島の誕生、神々の誕生、天照大神の三姉弟のこと
神道の教本も読みながら、神代の御代をまず書き終えた
大宇宙をはじめ、すべての物や事象には動かざる中心がある、そして中心あれば、それを核として相対する二つが存在する
それはプラスとマイナス、陰と陽、男と女、動と静、能動的と受動的など
相対する二つが同じ重さで助け合い、一つの宇宙を支える
これは国家でも家庭でも同じである
そして天皇は国の動かざる中心として存在する、という序からはじまる
今までは様々な時代ごとの権力者を中心に日本史を書いていたけれど、天皇家の浮沈を中心に書いてみると
今までは見えなかったものが見えてきて面白い
日本初の女性天皇、推古天皇からが歴史資料として明らかな存在となる
藤原氏がどう始まり、どこまで権力を握っていたのか、そして藤原政権の長期化が今日まで続く日本皇帝の一系維持に一役買っていることがわかる
2000年以上、一系の皇帝系が続いている国は日本以外ない
中国にも欧州にも皇帝はいるけれど、ほぼ易姓革命的に交代している
それにしても、凄まじい天皇も時々現れて驚かせる
現代では皇女が多く、一時は次代を担う皇子はいなかったため女性天皇のことも話し合われるような時もあった
しかし過去の天皇は数十人という子を成して、皇子たちは朝廷に残ることもできず臣籍に降下して地方に散っていった
源氏や平家もその類で祖は天皇の皇子なのだった、そして自力で生き抜くうちん武士化していったという説もある
地方の在地土豪が武士化したというより、下った皇孫が武士化していったという説の方が説得力がある
今、昔の大河ドラマ「太平記」を見ている、北関東を拠点とした源氏足利氏、新田氏などが鎌倉北条を滅ぼした
そして稀代の英雄気質の後醍醐帝と結び、やがて対立する場面を迎えている
私の日本史は、まだ頼朝と義経が20数年ぶりの再会を、富士川で果たし
従兄弟の範頼とともに、京で乱暴狼藉を働き、後白河法皇と対立した木曽義仲を討ったところまできた
この後は屋島、壇之浦と転戦して平氏を滅ぼし、しかし今度は頼朝と義経の対立となる
まだまだ長い、また二か月以上かかるだろう







この頃、新しい趣味を始めた

2020年09月18日 18時34分18秒 | 読書
ずいぶん久しぶりの雨音だと思う
大降りではないが、けっこうな雨が一日中降っている
これで、ますます秋は深まるのだろう、間もなく涼しいよりも「寒い」となって
ストーブが登場かも
私に地域は、寒い季節の方が多い。 暑い夏も嫌だがクーラーを入れれば活動できる
汗をかけば、シャワーの楽しみもある
だが寒い冬は嫌いだ、どうにもならない。 ストーブを炊いても動く気にならない、雪が降れば身動きできない
どうしても動くなら雪かきの重労働が待っている

歳を重ねてきたら、やりたいことと、やりたくないことがはっきりしてきた
本は毎日10ページずつ読むが、時間がないことと、目が疲れるの読む気力がなくなってきた
スポーツはゴルフへの足が遠のいてから、何もしていない
だが高原歩きは夏から秋にかけての楽しみだ、これに加えてドライブも大いにする
パソコンの前に座る時間はわりと多い、朝5時には目が覚めるので、中国歴史ドラマを見て、それを文字で表現するのが今の趣味だ
すなわち、テレビの連続ドラマをかみ砕いて、そのドラマを本にするような感じだ、原作をドラマ化することの逆バージョン
一日2時間くらいこれをやる、文章と表現力とドラマ内容の理解力、文字の練習、合わせて中国語と漢語、清国の風俗、皇室、後宮の勉強になる.
唐時代の後宮ドラマも見ているが、妃嬪の階級種数は唐の方が圧倒的に多い
比べてみたが、満州族の清朝は実に単純さっぱりとしている
騎馬民族の軽快性かもしれない。 僅か数十万の満州族が数千万の漢民族を200年以上従えたのだから驚くばかりだ
もっとも、大半の漢民族は下層階級になるほど国家意識はなかったというから、皇帝を中心としたわずかな権力者階層を虐げれば
大国を奪うのは容易だったのかもしれない
モンゴル族の蒙古が漢民族を従えた元もそうだった
その元もアジアから欧州、中東まで蹂躙して巨大な国家を建設したが、結局分裂して滅んでいった
大国は異民族の集合体である場合が多いから、独立意識が生まれると分裂の危機が訪れる、ソ連も平和裏に解体したけれど、その後がよろしくない
単一民族の日本人にはなかなか理解しがたい世界なのだ。


最近の読書

2019年07月15日 18時34分05秒 | 読書

小説を読んでいる、上下二冊組の単行本

舞踊の先生が届けてくれた「yottin、この小説はたぶんあなた向きと思うから

読んで見る」とか言ってくれたのだと思う

その時は大姉御3人に囲まれて、唯一人日本酒を飲んでいたので、はっきりとは

覚えていないのだ

舞踊の先生はただ者では無い、若い頃は保母さん~園長さんまでやっていたようで

幼い頃のわが女房殿もそこの園児だったとか、その頃から女房殿は物怖じしない

腕白娘だったと聞かせてくれた

その後生保のセールスレディを経て、高級着物などのチェーン店の店長として

最高のセールスを成し遂げた凄腕

高齢の部に入っても「あれは女親分だ」と友だちが陰口する程、未だにど迫力ある

その方が一回りも若い私を気に入って可愛がってくださる、同じ干支なので・・・か?

気も合うし、話しも合う、とにかく先生とよばれる方だけにお話好きで上手だ

携帯なんかをかけると油断すると30分は捕まってしまう

そんな方が届けてくださった小説は、作者に興味ない私は誰の小説か未だに知らない

タイトルもうろ覚えだが「森の中の海」ではなかったろうか

神戸地震に遭遇して家が破壊されたことで夫の浮気がわかり、二重のショックなのに

相手の資産家女性は既に妊娠していて夫は離婚再婚を決めていたところまで発展

二人は結婚前から交際があったらしく、姑も浮気相手との結婚に大乗り気だと知って

茫然自失

元気で明るい妹の家に子供と一緒に世話になり、少しずつ心の整理がついてくるのだった

思わぬ遺産が彼女に舞い込んでくる、舞台は奥飛騨へと移っていく・・・・

まあここまで読み終えたわけで、なかなか展開が早くて今後が期待出来るのです

私の読書は合間読書なので、一日10ページ程度、鈍牛のようです

まあ新聞小説を読んでいると思えば、それでも結構楽しめます

もっともこれだけでなく併読しています

「武士の起源」を徹底的に追求している研究書、多くの古文書を解読駆使して書かれている

大化の改新以前から調査は始まり、天皇、藤原氏、有力豪族、地方の豪族、国司、地頭

武士に変化していくのはどれなのか?どのように変化していくのかを詳しく書いていく

 

「川中島の戦い」、小説ではありません,どちらかと言えば歴史研究書

どういう時代背景があって川中島の決戦が5回にわたって行われたのかという疑問を

解剖している興味深い資料です、とにかく資料が多い

各地の有力武将の領土で起きた饑饉、天災、一揆など時系列で書き連ねてある

そしてどのタイミングで敵地へ攻め込んでいくのか、それらが併記されていて

(なるほど、こうして戦が起こるのか)と納得させてもらえる

 

「仏教入門」これは読み始めたばかりで、自分を磨くのに良いかもと思って読み始めました

「夢中問答集」夢窓国師の禅問答集、なかなか難解で停滞中

「足軽たちの戦場」華々しい活躍の戦国武将ではなく、それらの武将に従って戦場を渡り歩く

足軽達の活き活きとした生活が浮かびあがる

渡り中間(ちゅうげん)裏切りなんて感覚はない、条件が良ければすぐにトラバーユ

敵だ味方だなんて感覚は持ち合わせていないから、敵方の足軽の賭場にも平気で出入りする輩

命がけの戦争に駆り出されての役得は「人獲り」と「強奪」「女性に対する狼藉」

「これがなくちゃやってられっかい!」というセリフが聞こえてくるような気がする

これは「武士の起源」とも共通する部分が多々出てくるので面白い

 

若い頃は一日で一冊読むこともあったけど、老眼が入ってきてからはちょっと読書も

おっくうになった、でも読み出すと止まらないのは、やはり根本が読書好きだからですね

 

 

 

 

 


本の匂い

2019年02月16日 10時02分27秒 | 読書

いよいよ私の新年会も佳境に入って、この5日間に4日新年会参加

今夜が4連戦最終日で『地酒の新酒を味わう会」ということで、まさに酒のイベント

最後を飾るに相応しい、もっとも一週間後に新年会、そのあと別の地区の

新酒会に参加する、もうしばらくは日本酒浸りである。

 

先日、新刊書がアマゾンから届き、早速開いて読み出した、すると久しぶりに嗅ぐ

懐かしい香り・・・本の匂いだった

小学校4年生から本格的に読み出した本、小学校の図書館に毎日の様に通った

おどろおどろした「雨月物語」「太平記」、ここから始まった気がする

「のんちゃん雲に乗る」はなぜか懐かしい

やがて痛快な「太閤記」に夢中になり、そのあとは野口英世などの伝記にのめり込んだ

でも手垢の付いた古い図書館の本には本の匂いがない

6年生の時、学校前の本屋へ行ったらずらーっと「徳川家康」「豊臣秀吉」などと言った

漫画日本伝記みたいなシリーズ本が並んでいた、表紙は厚いボール紙で一冊100円が

今も印象に残っている。 漫画雑誌が40円から50円の頃だからそれほど高いとも思わないが

当時の小遣いは1日10円だから手が出るものではなかった

それでも欲しくて、とうとう一冊だけ買った、あのときの新刊の匂いは今も頭に焼き付いている

だけど本の匂いは、そのようなインクの良い匂いだけではない、本そのものの懐かしい想い

思いでの匂いもある

あの匂いがどんな匂いかと聞かれても表現出来ない、それは今でもたまにそよ風のように

一瞬だが頭の中をよぎっていくことがある、290円の新潮社文庫「川端康成」「石原慎太郎」

などの赤い箱に入った全集、あれを買っていた頃にも、その香りがある

同じ全集ながらそれより立派なランク上の全集では嗅げない懐かしい香り

 

もっと古い時代にもあった

小学校1年の時、引っ越して今の住所にやってきたのだが、30m位のところに同級生の女子

由美子の家があった

近くで同じクラスだったから一緒に帰ってくることが多かった、そんなことで彼女の家に遊びに

行くこともたまにあった

お互い最初の以西の友だちだったのだ。 当時は知らなかったけれど彼女の両親は県職

(地方公務員)で転勤族だったのだ、だから彼女はこの土地で生まれた子ではなかった

そんなことは知るよしもなくいつまでも友だちでいられる気でいたのだった

彼女の家は借家で質素だったが、彼女の部屋はあった、その部屋へ行くと本箱が有り

何冊かの本が置いてあった。

その中の「魔法の絨毯」が私のお気に入りで、貸してもらったこともある

でも2年生の時、突然彼女が転校する事になって先生がお別れを告げて、彼女はみんなの前で

挨拶をした、私はなんとも情けない気持ちになったが彼女に向かって「あかんべい」をした

虚勢を張って見せたのだった

あれ以来60年近く彼女に会ったことがない、お互い白髪の目立つ歳になった、会って話したい

気もあるが、彼女にしてみれば10回近く転校した中の2~3年、まして小学校1年ではほとんど

思い出に残っていないはずだ

でも「魔法の絨毯」のあの懐かしい本の香りは今でも私の心の中に僅かに残っている

 

 

 


小説を書く

2018年10月08日 08時30分36秒 | 読書

「書いてくれ書いてくれ」とせかされる

書き始めると、あなたの言葉は溢れるほどに次々と出てきて、ペンを推し進める

私はあなたの代筆者、ただペンを持って用紙にむかっていれば良い

そうか、ペンも用紙も無かった。 ぼくはキーボードに指を置いていただけ

あなたの言葉が僕の指に、キーボードを叩かせる

止めどなく、休ませもせず、ずっとたたき続ける

でも僕はちっとも疲れないよ、だって僕もこの時間を楽しんでいる

きみは僕の指を使って語る 生前に語ることが無かった言葉を・・・・・

どんどん語って良いんだよ、ぼくが代わりに伝えてあげるから


カフカの変身

2017年07月14日 13時21分56秒 | 読書

カフカという人の小説に「変身」というのがある

起きてみたら自分サイズの昆虫に変身していたお話

朝起きたら「**になっていた」というパターンは多い

私は夢の中で「木」に変身したことがある

なぜ木になってしまったんだろう

伏線はある、何の映画かは思い出せないが

自殺した人は「木になる」というのがあって、それが心の奥でとどまっている

私は夢の中で自殺したわけでは無い

人間だったのに、突然「おまえは人間だと思っていたのか」と天の声が

「僕は人間だ」と言いながら、気がつくと僕は木だった

木であるという事実、何が怖いかと言えば自力で動けないということ

それから顔も手も足も何も無い、ところが心はあるんだ

考えているんだ、何をって?(自分が木だってことを)不思議だろ

木なのに、考えているんだ、でも木も花も、いきものだって、それだったら心があったっていい

オズの魔法使いのブリキだって、かかしだって心や脳があったんだから

でも木は木で、人間じゃ無い  心はあっても動けない、恋愛も出来ない、食べることも出来ない

どうせ変身出来るなら、食べたいものをどれだけ食べても、満腹もせず、太りもせず、病気にもならない

そんな人に変身したい


私を造った77冊(10)

2017年03月06日 08時44分01秒 | 読書

「仕事ができる人の心得」  小山昇

仕事に関する様々な用語を解説してある「おもしろ辞書」です、視点の角度が変わると難しい用語もわかりやすい

意味だけでなく、行う方法が書いてあります。

 

「新潟の名酒」  高木国保

高木先生は20年くらい前まで「一緒に飲みましょ」って越後の銘酒、淡麗辛口の「八海山」をみやげに2回ほど

泊まって行かれた。 日帰りでも数回見えられた。

魚づくしの夕食から2時間ほど語り呑み、こちらからも先生お気に入りの淡麗辛口の地酒を一升提供

酒の通でこの著書などを書き、他にも渓流釣り、山菜、キノコにも詳しく、いずれも数冊の著書を発行されている。

人柄も最高で、知的な紳士、雰囲気は「呑んでいるときの長谷川平蔵」の風情、いろいろと教わったものです。

 

「懐石傳書」 辻嘉一

「割烹選書」 志の島 忠

いずれも日本料理界の重鎮だ

調味料から製法まで簡略化された現代、それを「美味いから」と言い切る手抜き職人も多くなった

そんな料理人が作る料理は、(まずくない程度の)味はごまかせても、包丁の切り口や、盛りつけの確かさ

絶妙な彩りとバランス、素材の吟味などツメの先にも及ばない。

こうした料理を目指してこそ、職人と言えるのではないだろうか。

「釣る採るところ食うところ」 由利雪二

由利先生は俳句の主宰である、表題の通り釣りや食にも大いに活躍されている様で、俳句会の皆さんと我が店に

来店されたことがあり、その帰りすがら、この書をプレゼントしてくださったのです。

 

「私の浅草」 沢村貞子

浅草といえば江戸を思い浮かべる。  広い東京にあって浅草は特別な場所だ、北陸、東北の人たちは昔は

東京と言えば上野であり、上野と浅草のお観音さんは一体化していた。

上野のお山に行って西郷さんに会って、それから浅草に参るのがコースだった、浅草には戦前父の叔母が

住んでいて、いかにも江戸娘の小粋な人だったらしい、東京大空襲で行方知れずになって70年が過ぎた

私も浅草へ行った折りに、父の叔母さんが住んでいた昔の象潟あたりを訪ねてみた。

 

「BEATLES」

ビートルズの世界中で発売されたレコードのコレクションカタログ、これを手に入れたときはビートルズをとうとう

自分のものにした気分だった

 

「西郷隆盛」  

鹿児島県で跛行された西郷どんの伝記絵本だ、ローカルでなかなか面白い

西郷さんは、明治政府に反旗を翻した罪人(明治政府から見れば)であるが、鹿児島県民ならず日本人のアイドルだ

刑法的には殺人集団の頭領である大石内蔵助と同じ見方なのだろう。

 

「神道教典」

先日、氏子の親方に聞いたら、この神社は1200年くらいの歴史があるそうだ

その神社の先代は故人になったけれど随分世話になったし世話もした、何しろ酒が好きで飲み過ぎて結婚式の

祝詞で二度も新郎さんの名前を間違える大失態を犯しながら、少しも悪びれずにごまかしたという人だ。

地元でも名物神主だったんだ、「**神社の神主より、俺の方が人間らしい」というのが口癖だったが、神主さんは

人間らしい方がいいのか、神様に近い方がいいのか疑問に思ったものだ。

その神主さんが、この経典をプレゼントしてくれた、「古事記」に」基づいた天皇誕生までの物語、読み物としても

なかなか面白い。スサノウやアマテラスオオミカミなども登場する。

 

「歴代天皇総覧」

天皇誕生神話から、平成の天皇陛下まで125人の全ての天皇について、その事業や事跡が書いてある

常に日本の歴史と為政者を語るとき、天皇の存在をなくして語れない

南北朝時代があったように、天皇家も常に安泰で来たわけではない、しかし唯一系脈が2000年近く

存続しているのは世界に例がない、世界には見られない日本と日本人がある。

今後天皇を継ぐ可能性がある直系男子は3名のみ、天皇家存続の危機ではないのだろうか?

 

81/77    4余り  おしまい

 

 

 

 

 

 

 

 


私を造った77冊(9)

2017年03月05日 15時00分32秒 | 読書

「たくろう コンサート」  楽譜本

 学生時代は大体フォーク派とブリティシュロック派、それとグループサウンズ派にファンは別れていた

吉田拓郎を初めて聞いたのは20歳、配達のカーラジオから聞こえてきた「イメージの詩」デビュー曲だったろうか

ちょっと違う感じはあった、面白いのが出てきたなあという感じ、テレビになかなか出なかった。

LPレコードは何枚か買ったが、たしかに新しい時代の先兵ではあった。

 

「原田泰治の世界」 

原田さんの美術館は諏訪湖のほとりにある、3回ほど見に行った。 原田さんは自閉症の少年に才能を見いだして

指導したことでも有名だ。

主に信州の田園風景を書き続け、それは古き良き日本の絵にも広がり、さらに世界へと広がった

粘土人形の、高橋まゆみさんの田舎の人たちの様子にも同じような景色がある、心温まる日本の原点は私の世代の

風景でもある。

「自閉症の子を持って」 武部隆

人間には異なる者を排除しようとする根性の悪さがある、その逆にそうした人の力になろうとする

優しい人たちもいる。

著者はどちらとも違う、当事者だ、こうしたことを声に出すのはとても勇気がいることなのだ、私も自閉症の人や

その親族の大勢の人たちとつきあってきて、そのたいへんさと共に、一方で感動的な場面にもたくさん出くわした。

ある、おかあさんは「この子が生まれてきてくれて嬉しい、一生一緒にいられるから」と言った

仲のあまり良くなかった夫婦がこうした子を授かって、力を合わせる様になったという話しも聞いた

しかし、妻に子を押しつけて逃げた卑怯な夫も何人か知っている。

自閉症ばかりでなく、今は老いて病みながら長生きする親の看病、閉じこもりの子をもつ親、様々なストレス

環境の中で私たちは生きているのだ。

 

「自分の出番をつくれ」   ウォーレン・りッジ

楽しく豊かな人生を送りたければ、勇気を振り絞って自己主張しながら前に出るしかない

 

「森下愛子写真集 海へ私へ」

篠山紀信は当時の売れっ子写真家、ということで若干タイプだった森下愛子のを買ってみた30歳の頃

一時テンパーの私が髪を伸ばした、チリチリパーマみたいになって友達が「マキシンさん」って私を呼んでいた

 

「幕末日本の城」

徳川家康だったかが天下統一したとき一国一城令を出して、多くの城を破壊した

それから260年後、明治維新で城は大名の住居ではなくなると、あちらこちらで城の破却がおこった

財政も逼迫していたから大名にしてもそれで良かったのだろう、そして太平洋戦争の空襲で残った城の

多くが焼け落ちた。 明治時代の破壊前に撮った写真が結構残っている、そんな江戸時代を偲ばせる

写真集だ。 日本の城を見て歩く旅も夢の一つである。

 

「奥羽越列藩同盟」

幕末の東北がいかに西国の地域より文明的に遅れていたかを証明しているのがこの本だ

会津藩を、不当な要求をする官軍から守ろうと東北随一の大藩、仙台藩を中心に越後、奥羽の20数藩が連合した

しかし久保田藩(秋田)など寝返りがすぐに起きた、緒戦の白河城で大敗すると意気消沈、結局めざましい戦いを

したのは会津藩、長岡藩、庄内藩くらいであとは腰砕けになって官軍に降参した。

 

「日本山岳名著全集」 遭難記録

当時の著名なアルピニストによる、山岳遭難に対する手記や、記録集である、リアルな内容なので山の怖さが

より強くなってくる、数多いスポーツの中で多くの命が失われるのは登山が一番ではないだろうか。

 

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