昭和は64年、明治は45年ところが、その中間の大正時代は14年しかなかった、その大正時代に生まれたわずかな人たちは、明治以後の日本でもっとも激動の時代を生きた人たちである。
私たちが少年のころに明治100年を迎え「明治は遠くなりにけり」と言われた、そして今は大正100年を超えてしまった。
大正生まれの人たちの時代は、大正デモクラシー、関東大震災、満州事変、日中戦争、大東亜.太平洋戦争、アメリカによる占領、統制時代、高度成長時代、バブル時代、バブル崩壊、三陸大津波地震とあわただしく過ぎた100年だった。
大正生まれの人たちの悲惨は、日中、日米、大東亜の戦争時代が青春時代と重なったことである、長い人は5年も6年も兵隊として戦地を往復することになり、当然戦死者もたくさんいたわけである。
戦後の日本を復興させた主力も大正生まれだったし、高度成長を成し遂げたのも大正生まれの主導であった、たしかに不屈の大正世代のおかげで今なお世界の一流国として日本は存在している。
大正末期に生まれた方のお葬式に参列してまいりました、大正の人たちの表情は一様に穏やかであり、自分の人生に対し誇り高く、頑固であります、生き抜いた時代によって造られた表情でありましょう。
彼らの時代を平和な時代に育ったわれわれは、あれこれ批評家になっていますが見習うべきところだけはしっかりと見習いたいと思います。