80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

消えゆく銭湯

2022-09-10 01:28:23 | その他
きょうは電車の話はありません。

近所の銭湯が2、3か月前に廃業したのですが、先日からいよいよ解体工事が始まりました。たまにしか通らない道で、初めはああついに解体始まったかーぐらいにしか思っていなかったのですが、今日見たところ、いよいよ脱衣場や洗い場の屋根が取り壊されて、あの「ペンキ絵」があらわになっていました。

特に銭湯マニア、ペンキ絵マニアというわけではありませんが、こうした消えゆくニッポンの風景は今記録しておかないと後悔することになるゾと、鉄道・バスの廃車体や遺構でさんざん苦い思いをしてきたカンが働き、意を決して(大げさ)写真に収めてきました。

残念ながら重機が手前に入ってしまっていますが全景です。廃業後を記録したサイト(あるんですねぇ)の情報では左が男湯、右が女湯だったようで、男湯には見事なまでの富士山、そして女湯には能登の景勝地見附島、通称軍艦島が描かれています。



横の道へまわって男湯の富士山を違う角度から見てみます。西伊豆の雲見から見た駿河湾ごしの富士山だそうで、手前にある夫婦岩は「牛着岩」というのだそうです。読み方はウシツキイワともギュウチャクイワとも諸説あるとか。どんな場所か試しにグーグルストリートビューで確かめようとしたら、見事に曇っていて富士山は見えませんでした。。笑



女湯の見附島の拡大です。過日の珠洲市で震度6弱を観測した地震をはじめ何度か地震のたびに崩れてしまっている軍艦島ですが、まるで定規で描いたような直線美あふれる岩肌とこんもり茂った頂上部分が、ある種の“心地よい誇張”をもって描かれています。富士山ともども葉ぶりの良い松と水面に浮かぶ帆掛け船が郷愁を誘います。



今回の廃業はコロナ禍、燃料費の高騰、そして設備の老化という三重苦の末の決断だったようです。特に設備の老化に伴う漏水が命取りになった由。周辺ではまだ営業を続けている銭湯もいくつかありますが事情はどこも同じはず。銭湯など行かないおまえが言うなよって話ですが、地域の常連客のためにもなんとか頑張ってほしいと切に願うばかりです。

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