80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

スイスの低床電車を作る(3)

2020-11-30 03:32:32 | 海外
中間車の窓抜きが終わりました。これに内貼り(上)を貼り合わせます。ドアが切り抜いてありますが、スジ彫りだけではどうしてもメリハリがつかないためいったん切り抜き、外周を0.3mm程度カットしてから再び貼り合わせるためです。



すべて貼り合わせたところです。妻板も作りました。スカートが長いのでモノレールのような断面です。



前の写真で屋上機器カバーの一部にパテが盛ってありますが、これは片側に3ヵ所あるスリットのうち、中央のエアコン用を除いて左右の2か所を埋めることにしたためです。形式図や落成間もない頃の写真には確かにスリットが開いているのですが、どうやらその後埋められてしまったようです。これが無くなるだけでメッシュをはめ込む作業が大幅に軽減されます。



これは実車の俯瞰写真を拡大したものですが、矢印の場所にあるはずのスリットが無いことが分かります。他と見分けがつかないので恐らく表面のパネルごと取り替えているものと思われますが、反対側のカバーの裏側にはうっすらと痕跡が見て取れます。もしオーバークーリング対策なら冬季だけフタをするということも考えられますが、背景でも分かるように青々と草が茂ったグリーンシーズンでも閉じているということですから恒久的な改造なのでしょう。そもそも中間車の屋根上機器はほとんどないので穴など開けなくても風は通り放題のような気もしますが。。



さて、今回も?中間車を先行して組み立てています。面倒な顔づくりを後回しにしている・・・という面は否定しませんが、もうひとつ大きな理由として動力化の検討を早くしたいと考えているためです。実車では中間車は完全な「サハ」ですが、模型ではこれを動力車にしようと目論んでいます。

実車を見てまず思いつくのは運転室後方の機器室内にモーターを縦置きし、インサイドギヤ、もしくは、ベベルギヤで方向を変えてMPギヤ等を駆動する方法でしょう。またはパワトラでお手軽に動力化という手もあります。しかし、いずれの場合でもモーターはミニサイズとならざるを得ず、前後に2台仕込んだとしてもパワーや耐久性に不安があります。実車はカテゴリー的にはトラムではなく「郊外電車」なのでそれなりに安定した本線走行をさせたい。さてどうするか・・・。



幸い中間車にはイスを折り畳んで自転車が積める窓のないスペースがあるので、ここにEN22モーターを隠し(といっても「頭隠して尻隠さず」状態ですが・・・)、図のように両台車へユニバーサルジョイントで結べばノーマルなMP駆動系が実現できるのではないか?ドライブシャフトも低い位置なので、目立たない色にすればハイバックシートに隠れてほとんど見えないはず。フィギュア乗せればさらにヨシ♪ ・・・などなどイメージだけは出来上がっているので、一刻も早く仮組みして検証してみたいです。



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スイスの低床電車を作る(2)

2020-11-27 10:11:59 | 海外
この電車は乗務員室以外のすべての窓が固定窓です。Hゴムより武骨な押さえゴムで色差しだけでは不十分と判断。シール紙を貼り重ねて表現することにします。数字は窓幅で、最初「A車の1番目」などと書いたものの分かりにくいので寸法そのものを記入しました。模型化寸法を書いた図面を見ながら貼っていけばいいのでラクです。切り抜きの時に見やすいよう着色し、失敗用の予備を1~2個入れてあります。



丸刀で角を落とし・・・



貼り込みます。 ・・・が、曲がらないように貼るだけで一苦労。紙との相性がいいのか軽く押さえただけでペタっと貼り付くので、慣れるまでは予備をかなり消費しました。。



窓をくり抜きます。普通のカッター刃ではシール紙がズレやすいので、刃厚0.25mmの「特専黒刃」が久しぶりに活躍しています。凹凸が分かりやすいような角度で撮ってみましたが紙のケバの方が目立つような・・・(汗)。まあこの程度にとどめた方がくどくなくていいでしょう。作業中の剥がれ防止と後々の研磨修正のため、断面に少量の瞬着を浸み込ませてあります。



ドアの押さえゴムもスジ掘りでざっくり表現しておきました。



屋上機器カバーには、エアコンなど、吸気放熱が必要な場所にスリットが設けられています。いわゆる「網」とも違うので、何か適当な素材がないか探して見つけたのがこちら、ファインモールドから発売されている「メタルメッシュ長方形・0609」(品番AE-07)です。ステンレスエッチングの細密メッシュで、名前のとおり0.6×0.9mmの長方形の穴が綺麗に並んでいます。



これを横にして使います。イイ感じですがちょっとスケスケ過ぎ感が・・・。実車は縦方向のスリットの数が2倍ぐらいあります。さてどうしたものか・・・。



2倍なら2枚重ねでどう? ん~1枚よりずっとイイ感じですが、これを38組作るのかと思うと以下略。。



ということで実験的に中間車の側板1枚ができ上りました。シール紙の手間をどう見るかですがサッシがないのはラクといえばラク。室内がよく見えるのでシートとフィギュアは必須かな~(ニンマリ)などと、相変わらずはるか彼方の妄想にひたっている次第です。



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スイスの低床電車を作る(1)

2020-11-25 04:56:01 | 海外
またまた久々の更新になってしまいました。
そして、またまたあさっての方向に話題が飛びます。

某Tubeで箱根登山鉄道の動画を観たら次から次へとスイスの鉄道の「お勧め動画」が出てきて、マッターホルンをはじめとするスイス・アルプスの雄大な風景の中を行く赤い電車にすっかり魅了されてしまいました。
「急行アルプス」が走るレイアウトに「本場アルプスの電車」が似合わない訳がない!ということで、年内最後の仕掛品作品として着工した次第です。

新旧いろいろな車両があって目移りしますが、結局、スイス北東部に路線を広げるアッペンツェル鉄道(Appenzeller Bahnen、以下「AB」と表記)のウォルツァー(Walzer=ワルツ)と呼ばれる3車体の低床電車を題材に選びました。製造はシュタッドラー(Stadler)というメーカーで、車体は一見するとトラムのように見えますが車格的にはれっきとした郊外電車らしく、トラムと共通のデザインや技術をふんだんに盛り込んで開発された次世代車両という位置づけのようです。3車体固定ですが連節ではなく、前後両端の台車のみが駆動軸となっており、形式というのか分類というのか分かりませんが、「ABe 4/12」と表記されます。Aは1等、Bは2等、eは電車で、数字は12軸のうちの4軸が駆動軸という意味だそうです。

(Wikipedia “Stadler Westschweizer Meterspurzüge” より引用)


幸いABとシュタッドラー社の出した技術資料のPDFが見つかったので、その図面をもとに型紙を作ります。窓寸などは記載されていませんが現地取材を敢行するわけにもいかず、「形式図を測ってはいけない」の鉄則はこの際脇に置いて図面から採寸しました。一見すると高度にモジュール化された車体に見えるのですが、測ってみるとけっこう窓幅などがバラバラで凹みました。(笑)



Wordで作図して出力。車体長は先頭車が18.7m、中間車が19mあるので意外に大きいです。側板は屋上機器カバーまでを一体としました。



側板と屋上機器カバーの境目の裏側にスジを入れ、曲げ癖をつけておきます。



前面も一体で作ろうとしたのですが、ノープランの現物合わせではさすがにヤバかろうと思い直して「お頭」はカット。実車も運転室部分は別モジュールとなっているのでむしろ継ぎ目を見せていきます。



屋上機器カバーに鉄筆でスジを入れて1枚ごとのパネルを表現。脱着用のフック?の穴もポツポツと押し出して表現しておきます。ちなみに手前にある切り欠きはパンタを折り畳んだ時にシューを逃げるためのもの。数か所ある通風メッシュは表現方法を思案中なのでまだ切り抜いていません。



というわけで動画を見過ぎたため未知の海外モノに挑戦する運びとなりました。行先に「For Matsumoto」なんて入れたらかっこいいかなぁ・・・などと怪しい妄想は膨らむばかり。


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【レイアウト】ひたすらポイントマシンの設置

2020-11-09 03:09:05 | レイアウト
リンク機構がうまく働かずにやり直しとなったダブルスリップのポイントマシン。前回は他の2基とは離してダイレクトドライブにしようかと書いたのですが、隠す建物を2棟作らねばならず面倒なので、結局、方向転換レバーの大きさを約1.5倍にしてなんとかまともに動くようになりました。メデタシメデタシ♪



このエリアではもう1基のマシンを設置する必要があるのですが、地上にはもうそのスペースはないので、地下ヤードの車両に干渉しない中央の“補強梁”の上に置くことにしました。真鍮板と真鍮線を組み合わせて駆動しますが、場当たりで作っているのでアームがずいぶん梁からハリ出してしまいました。これではパンタどころか車両本体に接触しかねません。ヤードの線路の敷設位置を可能な限り外側に振ることでなんとか回避しようと思います。



とはいえ、目が届きにくい地下線で何が起こるかわかりませんので、総菜パックから切り出したガードを設置して最悪の事態だけは避けるようにしました。



続いてシーサス(ダブルクロス)側のマシンを設置します。ポイントは4か所ですが、対向する1対を連動させるのでマシンは2基取り付けます。このへんはリニューアル前の旧レイアウトと同じ構造です。ただ、前回はリンク機構がおざなりだったので、それよりはカチッとしたものに仕上げたいと思います。スペースの関係で1基は地上、もう1基は裏側に取り付けます。少しでも高さを抑えるため、地上側のマシン取付位置の地面(厚紙;約2mm)を剥ぎ取ります。



防振用に路盤に使っている“ヨガマット”をスライスして半分の厚さにしたものを敷き、その上にポイントマシンをゴム系接着剤と木ネジで取り付けます。防音・防振のため木ネジは“ヨガマット”までしか達しない長さのものを使います。マシンはレマコの後継品の「フルグレックス」ブランドのもので、アームが両側に出ているので、これをうまく使って2か所のポイントを同時に駆動します。



遠い方は内径1.7mmプラパイプに通したφ1.2mmステンレス線で駆動します。改修前はφ1.0mm真鍮線を裸で使っていたので“たわみ”や振動が発生していましたが、これでシャープな動きが実現しました。



反対側はこんな感じです。アームの動きをL字型のベーク板で方向転換し、真鍮線を曲げたバネを介してポイントを駆動します。画的にはごちゃついていますが構成はシンプルです。



さて、このマシンですが「ホーム端のトイレ」で隠すことにしました。以前に一度作りかけたトイレは下見板を貼った木造の古風なものでしたが、手間がかかり過ぎるので、鉄筋コンクリート造りのシンプルなものに作り直すことにしてパパっと図面を描きました。三角屋根にしたところ平成以降のJRや三セクっぽいデザインになってしまいましたが、いつまでも「裸電球のともる木造便所」に固執する必要もなかろうと・・・。



ざっくり組んでみたところです。三角屋根は図面より尖らせました。入口を入ったところに洗面台を置きます。なんか久しぶりに窓抜きしたら親指の付け根が痛いです・・・笑



ホームの1/2幅とし長さもこれに合わせたので、マシンをすっぽり覆うようにはなっていませんが、これは織り込み済みです。モーターの頭が隠れる程度でしょうか。トイレの右手の3番線は有効長が取れるので、ホーム端とはいっても3番線側だけはトイレの脇からさらに画面奥までホームが伸びていくことになります。




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はや11月

2020-11-01 23:01:48 | 私鉄電車
11月に入りました。今年も残すところあと2か月と気付いて驚くばかりです。

レイアウトの「ユニラックセクション」の地面となる草原ボード。運転重視でここだけはリアリティを求めません(笑)。
t13mmのファルカタ集成ボードにTOMIXのレイアウトマット(グリーンミックス)を貼っただけのシンプルな構造。霧を吹いたりしてシワにならないように注意したんですがところどころにシワが寄ってしまいました。構想ではここは新府または笛吹ライクな桃源郷になる予定なので、まあどうにでも隠し放題ということで。。



駅外れのポイントマシン3組はなんとか転換ロッドまで含めて設置しましたが・・・。



リンク機構を組み込んだダブルスリップ用の1か所だけは、コンパクトにし過ぎたために作動抵抗が大きくやり直しとなりました。貴重な土日返して~!(泣) 無理に1か所に固めず、別棟で隠すことにしてダイレクトドライブにするのが安全かなとも思ってます。



さて、最近車両製作の話題がないとお嘆きの方々に朗報(笑)。凝りもせず浮気案件を仕込んでおります。嵐電「モボ」。この車体は611形、621形、631形とあるようですが当面ノープランです。形式図が入手できないので、こんなキット出てるんか?とググったらイコマ商会さんから発売されていたのでさっそくポチって到着待ち。



釣り掛け車ですが少しずつ進化を遂げているらしく、台車はインダイレクトマウントの近代的なのをお履きです。住友FS-93。軸ばねはタケノコばねでしょうか!?こんなもん売ってるんか?とググったらやっぱりありました。YAMA模型さんから取り寄せたのがこちらです。Wメタル製ですごくいいディティールです。



動力はアルパワーのWB20mm版。FMギヤが手に入らなくなりましたがコレがあるので路面系も安泰ですね。通常は付随台車もアルモデルのを使うところですが、動力ユニットからモーターを抜いただけで少々もったいないので、IMONのφ8.2車輪を組み合わせることにしました。



上の写真では仮に直接軸穴に突っ込んでありますが、裏側はこんな生まれたての姿なので、軸受メタルを入れるか真鍮板で内台枠とボルスターを作ってやる必要があります。



床下機器のハコモノは数も少ないのでスクラッチすることにしてパーツBOXから遮断器とコンプを調達、エアタンクだけ新規購入しました。シングルアームパンタも多分形が違いますが手持ち品の流用です。



ということで、色はどうしようかなどと、出来るかどうかも怪しいターゲットの妄想は膨らむばかりです。


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