80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

80系電車の製作(3)

2021-04-26 00:30:43 | 信州全般方面
動力車以外の5両は形式こそ違いますが模型的な構造はほぼ一緒なので、標準的な構造を確立すべく、先行試作的にクハ85を組んでみます。高崎向き先頭車とするためEF63との連結具合を確かめておく意味合いもあります。

まず2枚の床板の間にウェイト板を仕込みます。動力車はモーター架装の都合もあって手持ちの真鍮板を加工しましたが、今回はただのオモリで、しかも両数が多いので純正のウェイト板を取り寄せました。補強のためボンドG17で接着してしまいます。



床下機器は日光又はエコーの製品をメインに使うので、t0.5のプラ板を敷いて車体下端とツライチになるように嵩上げします。



車体にはめて確認するとわずかに低かったので、さらにt0.3を重ねて合計0.8mmになるようにしました。



運転台側はEF63との連結用にTNカプラーを使用します。t1.5mmプラ板でマウントを作り、カプラーの方は、左右にある「穴」の下側がわずかに削れるくらいの位置でカットします。



ジャンパ栓は「KE50A」と呼ばれるひと回り小さいものが混じっており、手持ちでは対応できないため、筑波車輛工業のロスト製(3連閉;品番E-091)をふんぱつしました。乗務員用ステップはTOMIX 70系かなにかの余りパーツです。



トイレ流し管はエコーのものを取り付けましたが、車体を削り込んでもっと外側に付けないと台車の回転に支障するようなのでやり直しです。連結面側カプラーはエンドウのドローバーとし、モーター穴をくり抜いたときに出た床板の端材を重ねて嵩上げしてあります。



台車は日光のTR48で、センターピンのスペーサー(キット付属)は指定より薄いものを使い、日光の木製床板用センターピンセットに付属している金属スペーサーと重ねて使うようにしました。大量に余らせてももったいないので。



床下機器は、エコーの「接触器箱セット(B)」やエアタンクなどを新規購入したほかは各種寄せ集め品で構成。水タンクの手前に見えているAERブレーキ用「動作弁・中継弁」はIMONの1/87パーツ(品番EC028)ですが、それほど違和感はありません。



前面のジャンパ栓受は大きい方がエコー、小さい方が先述の筑波車輛工業のパーツです。手すりは窓下のみφ0.4真鍮線を曲げたものを取り付け、前照灯下の方はマスキングにかかるので、2色に塗り分けたものを塗装後に差し込むこととしました。



EF63と連結し、カプラー高さが問題ないことを確認しました。



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80系電車の製作(2)

2021-04-21 01:16:49 | 信州全般方面
アクラスの80系を短期決戦(のつもり)で作っていきます。
車体は極端なハナシ塗装すれば一丁あがり的な感じですが、ベンチレーターと椅子は穴を開けて1個ずつ取り付けなくてはいけないのでかなりの工数が必要です。とはいえ、いずれも穴開け位置がモールドされているので説明書にしたがって開けていけばOK。

ベンチレーターとランボードはφ1.5mm、パンタと避雷器はφ1.0mmの穴を開けます。見にくいですが上が最初に発売された300番台用、下が後から発売されたモハ80 200番台用で、上は仕上がり径と同じサイズの窪みがモールドされています。これだと正確なセンター出しが難しいので、恐らくそれを踏まえて改良されたのだと思いますが、下の方はポンチマークぐらいのものになっています。欲を言えば両者の中間ぐらいのサイズが作業しやすいのかなと。。



椅子も車種ごとに穴開け位置が指定されているので、それにしたがってφ1.5mm穴を開けます。屋根も含めて膨大な量なので、ピンバイスではなく電動ドリルで片っ端から開けていきました。



続いてランナーから必要なパーツを切り離しますが、もう使わない台車取付用スペーサーの余りは全部カットし、捨てずにストックに回します。こんなものでも何かの折に役立つものです。



パーツを使ってしまった部分もその都度カットします。だんだん小さくなってゆくランナーを見て、「ああ進んでるなー」という勘違い達成感を味わうためのささやかなひと手間であります。笑



中性洗剤風呂で油分を除去。



じっくり日陰干ししてすき間に入り込んだ水分を飛ばします。



椅子やベンチレーターを切り離して1個ずつバリを取ります。



ベニヤ板にマスキングテープを貼った簡易塗装台に、形式ごとに分けてパーツを並べます。まずは椅子の塗装から。



青を吹きます。「小田急ブルーが近似色でイイ感じ」という情報を見かけたのですが、ちょっと明るすぎる感じがしたので青20号を使ってみました。写真はかなり明るく見えますが実際はもっと暗めの落ち着いた色合いです。



簡単に済ますにはこのまま取り付けてしまえばいいのですが、せっかくなのでもうひと手間加えてフチの部分を着色したいと思います。


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モハ80のMP動力化

2021-04-18 20:53:31 | 信州全般方面
また悲劇が起こりました。。
もう何度目だよ学習しないなぁ・・・と自分で自分にカーツ!であります。

被害車は先日組み立てたばかりの嵐電モボ。今度は踏み付けではなく戸挟みです。まあ大同小異です。サーフェーサーを吹いて窓際の足元に置いて乾燥していたのを忘れて勢いよく戸を閉めました。幸い全損は免れましたがテンションだだ下がりです⤵⤵⤵



まあ全損ではないのでいずれは復旧作業をするのですが、すぐに取り掛かる気にもならず、さりとてスイス電車の面倒な屋上ジャンパケーブルを進める気にもならず(笑)、こういう時の常とう手段として、「新たな仕掛り品の山崩しに走る」結果と相成りました。嵐電自体、仕掛り品の山崩しの一環だったんですけどね・・・


で、いきなり80系なんですが、最初の投稿は3年前の暑い夏にPCが不調になった腹いせにアクラスのキットを衝動買いした・・・とされています。気分で行動するのは今も昔も変わっとらんわー



EF63の相棒として信越本線で活躍した Tc85104-M80382-M80247(M)-T87328-M80249-Tc86343 の6連を再現しようとしています。TOMIXの70系の改造で捻出したDT16があるのでモハ80の初期車も混ぜたかったのですが、結局プラキットが使える200番台と300番台に落ち着きました。動力車は編成中1両なので、まず手始めに「モハ80247」を組んでみようと思います。

このキットの動力は、いさみやの釣り掛けモーター、MPギヤ(CN-16モーター使用)、ネコ・パブの専用動力(MP相当の片台車駆動)が使えます。最近なら天賞堂のコアレスパワトラも選択肢のひとつでしょう。で、いろいろ検討・・・するまでもなく(笑)、当鉄道標準のEN-22モーター+MPギヤでいくことにしました。実はコアレスパワトラも検討したのですが、PWM電源との相性にイマイチ不安があったので見送りました。

キットの床板をみると写真のように中間部が凹んでいます。別売りのウェイトを入れる空間とされていますが、手持ちのt0.8×W30の真鍮板がぴったり収まることがわかったので、補強を兼ねて写真のようなモーター架装用プレートを作成しました。厳密にはW=29.7mmぐらいなので両サイドをヤスっています。



プラの床板だけよりはだいぶ補強されるはずですが、台車センターピンとの間にやや不安が残るので、手元にあった3×5チャンネル端材を使って長手方向の補強ハリを追加しました。薄板を曲げただけの素材なので気休め程度です。



両端をねじ止めし、かつ、全体にボンドG17を塗って床板に完全固定します。



このキットでは、さらにシートなどを取り付けるための「室内床板」と呼ばれる床板を被せる構造になっているので、シートパーツの取付穴とともに、モーターやハリの逃げ穴も開けておきます。



床板本体もモーターとウェイトの逃げ穴を開けておきます。床板に直付けすると位置が低くなりすぎてお腹をこすってしまいます。



床下機器は日光の旧型電動車用(C)を使用。長らく絶版となっていますが、手元のパーツボックスを漁ったり、休車車両からの追い剥ぎによって3両分がなんとか確保できたのはラッキーでした。台車はエンドウのDT20で、MPボルスターをほぼそのまま使って組み付けが可能でした。唯一の改造は、床板が厚めなので復元バネを1巻分だけカットしたことです。



組み上がった床板です。補強のため「室内床板」も最終的に床板と接着(一部ねじ止め)したため、真鍮板は完全に密封された形です。



とはいえ、透かして見てみると中央部が撓んでいます。真鍮床板でも単体ではこのぐらいは撓みますが、ブラスのボディに取り付けることによって矯正されます。こちらはボディもプラなのでどこまで矯正できるものやら。。というか、そもそも車体中央部には床板を受けるツメがないため、まずそれを新たに作ってやる必要があります。



試運転結果は特に問題なし。ボディを被せ、ロクサンに押されて走る、遥か遠い?ゴールを空想したのであります。




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嵐電モボ631形の製作(2)

2021-04-10 12:26:52 | 私鉄電車
今日は嵐電モボの製作状況です。下回りを組み付けました。

以前紹介しましたが台車枠はYAMA模型のFS-93を使います。こんなニッチな小型車両でも「タイプ」じゃない正規の台車が使えるとはなんと素晴らしいことでしょうか。独特の軸バネや密封型コロ軸受けなどのディティールも余すところなく再現されています。



ただ、インサイドフレーム支持が一般的な小型車両向けのため、裏側はこのように車軸もボルスターも、位置決め用の穴しか開いていません。まずはここを加工して走れるようにします。写真は、今回動力として使用するアルモデル製「アルパワーHO-20T」に付属するボルスターに合わせてφ1mmの2か所の穴を開けたところです。ちなみに中央の穴は最初から開いているもので、これを潰さないように慎重に位置決めする必要がありました。



で、一気に飛んでしまいますが無事に取り付け完了です。φ1.4mmタッピングネジ(エンドウの床下機器取付用の余り)を使ってボルスターと台車枠を連結しました。製品段階で既に左右の車輪に集電シューが当たっているため、もうこの状態で走行が可能です。



続いて付随台車を組み立てます。アルモデルからは前述の動力ユニットからモーターとスパーギヤを取り除いたT用も発売されていますが、少しでもコストダウンを図るため通常の軸受支持方式とし、軸受メタルを仕込むことにしました。普通にドリルで穴を広げていくだけですが、先端が尖っているので必要な深さまでメタルを沈めようとすると表まで貫通させてしまいそうです。そんなことになったらせっかくのコロ軸受のディティールが台無し・・・。



で、いろいろ探したところ、世の中には便利なツールがあるもので、穴の底を平らに仕上げられる「スピンブレード」(発売:ゴッドハンド)なるものを入手しました。要は、“よく砥いだマイナスドライバー”であります。



普通のピンバイスに差して使えます。チャックはφ3mm。刃の幅は0.1mm刻みでいろいろあって今回は2.6mmを購入しました。



これで穴の底をグリグリやって平らにすると・・・



ドリルだけだと上のやつぐらいしか沈まなかったメタルが、無事、下のように収まりました。



車輪はIMONのφ8.2mmを使用。動力台車と同じφ8.5が見つからなかったのでやむなく・・・といったところです。さすがにここまで小径になると0.3mmの差は目で見ても分かりますが、幸い床が低い車両なので「走っちゃえば分からない」かと。ボルスターはジャンク箱から拾ったエンドウのMP用のセンターピン穴を広げ、日光の木製床用センターピンと合わせてあります。



アルパワーには「床板取付金具」が付属しているので、ワッシャ代わりの真鍮板を挟んだうえでφ1.4mmネジで床板に固定しました。かなり“ポン付け”感覚に近くラクチンです。なお床板の逃げ穴の一部がスパーギヤに当たるので少しだけ削りました。



車体と合わせて試運転。補重前ですが走りは良好でした。車体はあらあらのパテ埋めを行っている段階です。



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スイスの低床電車を作る(24)

2021-04-05 04:14:58 | 海外
前回の投稿でこの電車のことを「TANGO」と書いてしまいましたが、「WALZER」の間違いでした。タンゴではなくワルツです。いずれもメーカーのシリーズ名で、TANGOはトラム規格の車両です。この車両を作るに当たって一番初めに参照したPDFが、ほぼ同時期に入った両者を紹介するプレゼン資料だったのでいまだに混同します。

しかし今のところ指摘やクレームは来ていないのでしめしめです。こんな間違い誰も気づきますまい。。

なーんて思っていたら、最近とあることが分かってきました。日本国内における「スイスの鉄道オタク」さんは、意外と多くいらっしゃるようなのです。
少し前ですがTOMIXはNゲージと16番で箱根登山鉄道の3000形「アレグラ号」を製品化していますし、最近はKATOが「アルプスの○○」シリーズなどでレーティッシュ鉄道(RhB)の車両を次々とNで模型化しています。どうも怪しいと思ったよ。。

KATO曰く、「欧州で需要が高い」ということですが、明らかに国内市場も横睨みで展開しているとしか思えません。SNSなどを見ていても「次は○○を製品化希望」といったコメントが散見されます。

そしてついに、「レーティッシュ鉄道の世界」と銘打ったこんな特設サイトが開設されていました。
Twitterで誰かかが呟いたので知ったもので、公式HPに目に見える固定リンクがなくナゾでしたが、なんとスクロールバナーで7、8回に1回表示されていました。KATO営業部のTwitterも3月30日に1回告知しただけで固定ツイがあるわけでもなく、なんだか「同好の士だけに知らせたい」みたいな妖しい雰囲気が感じ取れます。(考えすぎw)

(kato-rhb.com より)

で、これも最近分かってきたことなのですが、スイスの鉄道やばいです。特にレーティッシュ鉄道( Rhätische Bahn : RhB)は。。
えー鉄道模型には3つの沼がありまして(祝辞ですかw)、1つめが旧国、2つめがコキ、そして3つめがスイス・・・とりわけRhB

ふつうはみんなRhBに最初にハマるらしいです。路線域が広くて車種も豊富。一部の路線は鉄道を含めた沿線一帯が世界遺産に登録されているというキャッチも効いています。だからアッペンツェル鉄道(AB)あたりから入門してくるなんて人は珍しいでしょう。日本の鉄道事情を知らない海外のファンがJRや近鉄より先に富山地鉄を好きになっちゃうようなもんですから。

で、何が言いたいかというと、管理人も無事、RhBのトリコになりましたよ、と。(笑)
以前、今の電車が完成したらABの2本目を作るなんて書きましたが、97%の確率でそれはRhBの車両になる見込みとなりました。
なんてこった・・・


ということで長い前振りは置いといて本題に。
「GFカプラー」を作りました。厳密には「GFMカプラー」。
M=モドキです。


現物はこちら。ピン・リンク式の密着連結器らしいです。一応、突き当てると自動でピンが降りて連結するらしいので、かたちの違う密自連ということでしょうか。ピアス穴の開いた舌がぺろっと出ています。

Picture from Gossau 4.7.2019 by Ilkka Siissalo.


完全スクラッチはやめて市販品の改造でいきます。ベースはKATOの連結できる密連。クモハ40が発売された初期の頃のAssyです。懐かしい~



四角錐の部分を削って「舌」を作ります。周囲のディティールも軽く削ってスリムに。下側に連結の要となるスナップ機構がありますが、これを削るとガバッと穴が開いてしまうので表面を削るだけにします。



ペロ舌はこの角度が分かりやすいでしょうか。本当はピアス穴を開けたいところですが、ウチにあるドリル刃(とウデ)では対応できないので諦めました。



位置合わせのガイドと思われるフード状のものをプラ板で作って接着。



黒を吹いて完成!




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