80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

クモユニ143の製作(4)

2024-06-30 01:12:29 | 中央東線周辺
この車は屋根板を使って組み立てます。ペーパールーフは、いくら展開寸法を緻密に測ってもタマゴ形断面になってしまうので苦手なのです。雨樋が横にあるタイプはなるべく屋根板を使うようにしています。今回用いるのは、のぞみ工房の「屋根板D」・・・一般的な裾絞りのない国鉄形用です。



加工は大きく2点。まずはカッターと耐水ペーパーで両肩のRを出し、続いて写真のように、行先/種別表示窓の周辺に“導光材ホルダー”を逃げるような切り欠きを入れておきます。



全体に溶きパテを2回塗って乾燥。乾燥させる時間を使って下回りの工作を進めます。



床下機器はKSからそのものズバリのセットが出ていたようですが、もはや入手できないため、ストック品を寄せ集めてなんとか形にしました。実車同様ぎっしりとした詰め込み感がたまりません。



1-3位側です。強制通風式の主抵抗器(左半分)はカツミのモハ103(冷房用)を加工したもので、ブロワーの吸・排気口を狭めてコンパクト化しましたが実車より1割ぐらい大きめになっています。コンプレッサーはモリタのC-1000。主抵抗器のさらに左側にはトイレ流し管が付くらしいのですが形状がよく分からないのでペンディング。というか、もはやスペースがギリギリなので割愛する可能性大です。。



2-4位側です。主制御器(右端)はZugの西武新301系プラキットの残パーツを切り貼りしたもので、やはり1割ぐらい大きめです。アークシュートが6列の遮断器(中央)はモハ103用。左端のMGも何かの床下機器セットからの流用で、冷却風の風洞を泣く泣くカットしてこのスペースに収めました。



クハ115と連結する前位側にはTNカプラー(HO-R41)をセット。3連ジャンパ栓と乗務員ステップはともにエンドウ製パーツです。



反対側は常に先頭に出て連結しないので、PLUMの115系用の密連と209系用の胴受をプラ板で作ったベース上に取り付けました。こちらもジャンパ栓とステップはエンドウパーツです。



仮組みするとこんな感じ。実はここで気付いたのですがジャンパ栓の位置が左右逆でした・・・。何回もチェックしたのになんでやねん、、、。あわよくば日曜日は塗装まで・・・との思いむなしく修正作業に没頭することになりそうです。


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クモユニ143の製作(3)

2024-06-26 10:38:34 | 中央東線周辺
前面を作ります。側板と同じ#300のスノーマット紙に窓、ライト等の穴を開け、窓を傾斜させる枠を貼り込んだところ。



内貼りとして少し厚手の#400を貼り重ねますが、窓の左右が狭く“傾斜枠”の外側が0.5mm程度しかなく作業性が悪いため、窓部分だけ切り抜いたひと回り大きめの紙を貼り(右が裏から見たところ)、乾いてから不要部分を切り取る方法としました。ライトやタイフォンの取付穴も精度よく同じ位置になど開けられませんので貼ってからくり抜きます。



この後前面窓枠パーツを貼り、側板に荷物室ドアや内貼りを貼った状態がこちら。乗務員ドアは側板からいったん切り抜き、外周をひと回り小さくカットしてから貼り戻しています。



3×3ヒノキで補強したら箱にします。下側の補強材の取付高さ(車体下端からの位置)は種々計測の結果2.8mmとしました。TOMIX115系の床下高さ(レール面~車体下端)が12mmで、PLUM台車枠とMPボルスターEによるボルスター上面高さも12mmだったので、センタースペーサーの厚み1.8mm+真鍮床板1.0mm=2.8mmという計算です。ちなみに自作の怪しいクリアランスゲージと学習用三角定規による計測なので詳細のお問い合わせはご遠慮ください。笑



下回りと組み合わせてバランスを確認。大丈夫そうですね。真鍮床板はもともとPLUM201系の動力化用に加工中だったもので、幅が32mmで1mm狭いなあ、、車体裾にスペーサーを貼ればいいか、、などと思っていたのですが、荷物ドアが左右約0.5mmずつ出っ張るのでピッタリでした。



なお、連結相手のクモハ115とモハ114は帯色(クリーム10号の代わりにタミヤのレーシングホワイト)を吹いた状態で待機中。一括で赤2号を吹くため今しばらくクモユニの製作を進めます。


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クモユニ143の製作(2)

2024-06-22 14:07:45 | 中央東線周辺
昨日は雨模様だったので車体関係はサーフェーサーを吹いただけ。代わりにDT21C台車の改造を行いました。



DT21Cは、DT21のブレーキを両抱き式から片押し式に変更したVer.で、今回製作するクモユニ143のほかクモヤ143など143系電車と、その改造車であるクモハ123で使われたとされています。単行運転の機会が多いこれらの形式では、軌道(信号)回路の短絡不良を防止するための踏面清掃装置を台車枠に取り付けるためにこうなったということで、なーるほどと思う反面、あんなに重い電車が載っても軌道短絡しないってどんだけ~~~デリケートなの?って素人は思ってしまうわけです。


さっそく改造しましょう。ベースはPLUMの115系プラキットに入っているDT21台車枠です。TOMIXの密封コロ台車に置き換えるために余ってしまう予定の品であることは前回書いたとおり。ネットの写真を頼りに外側のブレーキシューなどをカットしていきます。ニッパー、カッターでさくさく作業できるのがプラ素材のいいところ。



切り取ったパーツは捨ててしまいますがココだけは別!ブレーキシリンダから出ている押し棒とテコのモールドは三枚おろしの要領で丁寧に剥いで・・・



内向きに貼り換えれば完了。



当初はブレーキシリンダごと切り取って向きを変えようかと思ったのですが大ごとになるのでやめました。これだけでも雰囲気は十分出たのではないかと。



軸受けの穴はカツミの軸受メタルに合わせた大きさになっているようですが、少しきつかったのとメタルをもう少し深く埋め込みたかったのでφ2.5mmドリルで軽くさらい、ゴム系接着剤で固定しました。動力化はしないのでピボット軸受です。



ボルスターは初めキットのパーツ(右)を使って仮組みしたのですが、台車枠のガタが多いというか自由度が高すぎたため、たまたまストックしていたエンドウのMPボルスターE(左)と比べてみると幅が同じとわかり交換。



右が交換後で、明らかにカチッとしているのが分かります。自由度はだいぶ小さくなったもののレールへの追随には問題ない程度です。ちなみに軸受の穴を深くし過ぎてカツミ/エンドウ車輪では抜けてしまうため、車軸の長い日光のピボット車輪を使うことにしました。



出来上がりはこんな感じで重厚なDT21がずいぶん軽快な台車に変貌してしまいました。あとはここに踏面清掃装置や排障器ステーなどが付いてくるものと思われますが、ネット写真だと構造がイマイチ不明なので識者のアドバイスを待ちたいと思います。笑



MPボルスターを使うことにしたので床板も115系用はキャンセル。手頃な床板用真鍮板があったのでこれを使うことにします。あとはボルスター上面高さが不明なので計測し、車体の補強材取付位置に反映すればオッケーですかね。


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クモユニ143の製作(1)

2024-06-20 13:21:01 | 中央東線周辺
トラブル発生で凹んだので、しばらく連結相手のクモユニ143へ逃げてマインドを回復したいと思います。

捨てる予定だったダンボールの塗装ブースを誤って使ってしまい、スプレーしたとたん、中に溜まっていたホコリが舞い上がってそのまま定着してしまいました。もー最悪です。。。実車はポリウレタン樹脂の塗り屋根で新製されていて、新車の頃の写真を見るとベンチレーターとの色の差がほとんどなかったのでシューッと丸ごと一気に吹いたのですが焦りは禁物ということで。。



クモユニ143は窓も少ないのでペーパースクラッチでいきます。いつもどおりWordで作図して#300スノーマット紙に出力。



窓を抜きます。運転席脇と2-4位側の3つの窓はユニットサッシになっているのでシール紙で枠を表現。色がついているのはテストプリント品を再利用したためです。乗務員ドアはこの後いったん切り抜き、やや小さめにトリミングしてからツライチになるように貼り戻す予定。



下回りはPLUMの115系の余りパーツを活用します。台車をTOMIXの密封コロ軸受台車に、動力車の床板を真鍮板に変更するので余るもの。ただし実際はまだ着手していないので「余る予定のパーツ」ですが。。ちなみに一緒に置いてある箱型ベンチレーターはPLUM201系の余り品で、ちょうど4個あったので助かりました。



 
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ワインレッドの115系を仕立てる(3)

2024-06-17 03:08:03 | 中央東線周辺
ひとつ訂正があります。TOMIXのモハ114-1000のMG冷却用ルーバーはモールドではなく、真鍮エッチング?の別パーツを貼り付けたもの、すなわち今回「訳あり品ではないか」と疑った仕様がデフォルトのようです。

読者の方から「私のも取れてしまいました」とのコメントをいただき、まさかと思って、以前、信越線の冷房準備車5連として仕立てた編成に入っているモハ114をチェックしたところ、2両とも写真の通り別パーツとなっていました。幸いどこも紛失していなかったのでひと安心ですが、SIV仕様への転用も見越してルーバー無しを共通設計としたのだとしても、接着だけはしっかりしてほしいなと思いました。



ということで、パンタが載っていなかった件は依然として謎のままですが(笑)、ルーバーの件は事情が分かってスッキリしたので改造を進めていきましょう。

クハ111を転用したクモハ115にシャター式タイフォンを取り付けました。筑波車輛工業(工房ひろ)の「耐寒/小」で、本来はキハ40系用らしく後退角が浅いので、ボディ側をわずかに削ってなるべく正面を向くようにしました。



冷房準備車と共通設計の115系と違ってクーラーを外すと大きな台座が現れます。冷房準備フタ(上)を取り付けるためにこれをカットします。



台座をカットし、併せてランボード側面を傾斜タイプにするため、t0.3プラ板を貼るイメージで屋根肩とランボードを削ります。



ゴム系接着剤でt0.3プラ板を貼ってしばらく乾燥。このランボードの修正作業は3両とも共通です。



続いてモハ114を2600番台にするためパンタ周辺を「微低屋根」化します。実物で20mm、模型で0.25mmという薄さもさることながら、既にパンタ台や配管のモールドがある部分をどうやっていじるか悩ましいところです。いっそ屋根と一緒に「全部削ってやり直す」のが簡単ですが、ダメもとで「全部残して周囲を掘り下げる」というトンデモ工法に挑戦することにしました。もしダメなら全部削るだけです。笑



カッターとモーターツールを併用し、パンタ台と配管を削り込まないように注意しながら掘ります。ん~~微妙ww



粗めの耐水ペーパーで地ならし。ほほー・・・なんとかなるかも知れません。



続いてクハ115です。模型は「奇数向きクハ」の2100番台なので、クモハ・モハと組ませるため偶数向きに改造します。これはジャンパ栓収めのマウントを外して穴をパテで埋めたところ。この後整形し、色合わせが心配ですが部分塗装で仕上げます。



ジャンパ栓の方も偶数向き、すなわちKE76の3連が向かって左側にくるように入れ替えるのですが、元のパーツをただカットして左右を入れ替えてもダメなので、ちょうど着工待ちになっているPLUMのクハ115のパーツを流用しました。1両分のランナーに奇数・偶数両方のパーツが含まれていて、2両分買ってあるので可能になったというわけです。ちょっと大味ですが走っちゃえばわからなーい♪



で、このクハ115-2100ですが、モハ114と同じくベンチレーターの位置が後位(右)へ寄った「冷房準備車パターン」なのが気になります。いや、実際、冷房準備車で落成してはいるのですが、2000番台の末っ子で1981年製造といえば既に新製冷房車へ移行している時代で、同じ編成を組むクモハ115とモハ114はベンチレーターが前位(左)へ寄った「新製冷房車パターン」であることが図面で確認できています。(実車写真は真横のものが無く未検証)



これがクハの図面ですが、確かに模型と同じく左から2個目のベンチレーターが右寄りです。しかし、どうもこれは誤りのようで、実車はこれが左へ寄った「新製冷房車パターン」で間違いないようです。理由は最後に書きます。

(「新ぜかまし文庫」より)


ベンチレーターを外してみると・・・モハと同じく「1本脚支持」になっていて、脚を差し替えることによってベンチレーターが移動するという、うまい設計になっていました。しかし外したベンチレーターの右足は折られていて差し替えることができません。



じゃあ隣りから持って来よう・・・と外したら、なんだか見たことのない構造になっていてビックリ!w



しかも、ベンチレーターを入れ替えてもちゃんと刺さらなかったり(左)、ユルユルで接着しないと使えなかったり(右)と散々です。しかし、これは設計思想としては正しいのでしょう。鉄道の知識もない人たちが組み立ててもちゃんと組み立てられるよう、「間違った場所には刺さらない」設計になっているわけです。



仕方ないので取付穴を少しだけ拡大し、手持ちのベンチレーターをあてがうことで何とか収まりました。



ランボードと「微低屋根」のパテが乾いたら整形していきます。



さて、先ほどクハのベンチレーター配置が図面と異なり「新製冷房車パターン」で間違いないだろう、と書いた理由ですが、リンク先の記事が間接的にそれを証明してくれています。特に「追記」のところにヒントがあります。

サイトの記事を要約すると次のとおりです。
・身延線の奇数向きクハ115-2100番台はすべて新潟へ転出し、ほとんどが方転改造を受けるとともに冷房化された。
・この中の1両クハ115-2041は前位寄りのベンチレーターがなぜか1個撤去されている。
・JR東日本の改造車でベンチレーター撤去は珍しいと思ったら、天井の整風金具の取付位置を誤ったためにベンチレーターと位置が合わず、結局撤去してしまったらしい。
・どうやら、新潟に多かった「冷房準備車」のパターンに合わせて整風金具を施工してしまったのではないか。

つまり、逆に言えば、この2041号車以外はちゃんと「新製冷房車のベンチレーター位置に合わせて整風金具を設置した」わけですから、クハ115-2100番台のベンチレーター位置は「新製冷房車」相当だったことになります。

あと、間違った理由が「新潟に多かった「冷房準備車」のパターンに合わせて」と書かれていますが、上に示した誤った図面がその後押しをした可能性もありそうです。2041号車以外はちゃんと改造出来たのですから、何らかの理由で「図面と違うぞ」という情報共有がこの車だけ落ちてしまったのかも知れません。

真相は分かりませんが、ベンチレーターが1個無くなってしまった実物に比べたら、ベンチレーターの差替えで済む模型の間違いなど可愛いもの・・・かも知れませんね。


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