80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

新・松山駅拝見

2024-11-02 02:08:58 | 実物・資料系(現在)
松山への出張があったので、1か月前の9月29日に高架化が完成したばかりの新・松山駅をさくっと見てきました。

今回の高架化は、旧線・旧駅舎を残して元の松山運転所があった敷地に新駅を建設したため、三角屋根のエントランスが特徴的な「二代目駅舎」は現存しています。いずれは壊して再開発されると思われますので気になる方は今のうちに。商業施設が新駅へ移ってしまったため以前のような賑わいが感じられないのが残念です。



旧駅舎の中は改札が取り払われた程度でほぼそのまま残っています。今治市のゆるキャラ「バリィさん」(左端)はなぜここにいるのか分かりませんがどこか寂しげです。ぜひ新駅へ連れていってあげてください。



旧駅は駅舎側の1番線と島式ホームの2・3番線をもつ典型的な国鉄駅スタイルでした。何度か利用した印象ではもう1本ホームがあるもっと大きな駅のように感じていたのですが実際は意外とコンパクトだったんですね。駅向こうに広大な松山運転所が広がっていたためにそういった印象があったのでしょう。1・2番線の間が蓋をされて通路になっています。宇和島方面を見たところ。



3番線の部分がスロープになって新駅のエントランスへつながっています。新駅の中心は旧駅より50メートル程度宇和島寄りに移動することになるようです。



新駅の入口です。いずれはここが「新・松山駅」の表玄関になる場所ですが、今は全くその気配が感じられません。旧駅舎で親しまれた三角屋根(これももとをただせば初代駅舎の三角屋根をモチーフにしたもの)を感じられるデザインは残念ながら引き継がれなかったようです。



上の写真から90度右を向いたところ。東西を結ぶ新駅のメイン通路です。波打つ天井が特徴的です。地元愛媛産のスギやヒノキが使われているそうです。もしかするとこの持ち上がったデザインが三角屋根のオマージュなのかも知れません。



高架下には「だんだん通り」という商業施設が入っています。今回中はのぞきませんでしたが地元の有名店・実力店が多数入っているとか。ちなみに「だんだん」とは愛媛の方言で「ありがとう」の意味だそうです。



通路をそのまま進むと西口に出ます。松山運転所があった場所が整地されて見事に何もありません。仮の姿とはいえ県庁所在地駅としては寂しすぎます。一刻も早くまちづくりが進むことを祈ります。



将来の西口?になる部分です。デザイン的には正面(東口)とパッと見は一緒でしょうか。この持ち上がった天井ですが、一説によれば伊予鉄市内線(路面電車)を延伸して空港まで伸ばそう・・・という構想があるらしく、そのための上空確保なのか!?と一瞬思ったのですがどうも違うようです。構想では現駅舎の通路あたりをぶち抜いて道路をつくり電車も走らせようという計画のようです。道後温泉本館の唐破風様式を模したと考えるのが妥当でしょう。



入場券を買って構内を見学します。改札を入ると階段・エスカレーターでまず中二階へ上がります。新駅は2面4線のホーム配置なのでホーム間の乗り換えの利便性を考えての構造でしょう。正面にはトイレがあります。



ホームへ上がると1番線に13:52発伊予北条行となる7000系電車が入ってきました。従来通り東側から1~4番線となっているため、1・2番ホームは下り宇和島方面用かと思ったら違うんですね。このあと1番線には特急「しおかぜ・いしずち」号が入線するので乗り換えの便を図っているようです。



新しいホームからは松山城が見えます。が・・・ボウリングのピンとマンションの間から顔を出すというシュールな光景です。日が落ちてからのライトアップがどうなるのか非常に興味があります。。



高松方を見たところ。少しばかりの電留線があるようです。



反対の宇和島方を見たところ。こちらにもわずかばかりの電留線があって7000系が止まっているようです。



1番線から普通電車が出発してしばらくすると松山止まりの特急「しおかぜ・いしずち9号」が到着しました。アンパンマンラッピングの8000系です。後から調べて分かったのですがアンパンマンの8000系はこれ1本だけらしいのでラッキーでした。折返し14時23分発の「しおかぜ・いしずち22号」となります。すごいですね10分で折返しです。効率化の極致。



続いて3分差で宇和島方から2000系気動車の特急「宇和海16号」が到着。こちらもアンパンマンラッピングです。アンパンマン同士で乗り継げるように配慮されているのでしょうか??こちらは14:28に「宇和海17号」として折り返していきます。



平日14時20分の松山駅。4線に特急2本、普通2本がすべて並びました。旧駅時代には1番線に2本の特急が縦列停車して乗り継ぎをしていたそうなので、安全面や乗り換えの移動距離で改善されたということでしょうか。



2000系アンパンマン(2152+2117)特急「宇和海17号」の発車を見送ってプチ見学会を終了しました。



正直ベースで言えば「ありふれた高架駅になっちゃったなぁ。。」という感想ですが、新駅を起爆剤にしてどんどん個性的なまちづくりが進むことを期待しましょう。人々の記憶に深く刻み込まれた三角屋根は10年後、どんな形で新駅の一部になっているでしょうか。





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ばたでんに乗って山陰の列車を見に行く

2024-10-20 16:49:48 | 実物・資料系(現在)
金曜は松江へ出張でした。夏に続いて2回目。当日羽田へ戻る最終便に間に合わないので1泊し、昨日の土曜は松江城周辺などを散策してから帰る予定でしたが、天気が崩れて時折雨足が強まるほどだったのと、膝の具合も芳しくなくあまり歩きたくなかったので、午前中は宿泊したホテルのワーキングスペースを借りて残り仕事をし、午後からは一畑電車に乗って出雲市へ向かいJR出雲市駅で駅撮りするプランに変更しました。

そのホテルには天然温泉を引いた大浴場もあって、本館のリニューアルに合わせてワーキングスペースを整備し、ゆっくり温泉につかって保養しながら仕事をする「ワーケーション」を新たな集客の目玉に据えているようです。2時間ほど滞在しましたが、地元の若い起業家と思しき人たちが事業プランについて熱く語り合っていたり、初回利用らしき学生グループがコンシェルジュから利用説明を受けていたりと活気があり、県外だけでなく地元の利用も多いようで、地方創生が叫ばれるなか、こうした「場」を提供することの大切さを改めて感じました。

昼食は、そう毎度毎度出雲そばでもあるまい、ということで近所にスリランカ料理の店を見つけてカレーを食すことに。オーナーは若い頃に放蕩まではいかないものの彼の地に数年暮らし、帰国してしばらくしてから店を始めてもう30年になるとのこと。カレーの具材は日替わりのおまかせで、今日は大根、白菜、チキンの3種が別盛りになったプレートが出てきました。チキンはともかく日本ではおよそカレーに入れない大根、白菜と聞いて初めは驚きましたが、ピリ辛のカレーソースにしっかり溶け込んでナンとの相性も良く美味しくいただきました。日本のカレーは色々な具材をひとつの鍋に入れて作りますが、スリランカでは大根なら大根、マメならマメ・・・と具材ごとに作るのだそうです。昼時なのに店内ががらんとしていると思ったら、選挙が始まったので常連のお客さんが来てくれなくて寂しいとのこと。普段は近所にある県警の人がよく食べにくるのだとか。選挙で忙しくなるとは??と変な憶測が頭の中を駆け巡ったのですが、まあ雑踏警備で忙しいのだろうと良い方に解釈して店を後にしました。


雨はやや弱くなったものの、小ぶりの折り畳み傘が全く役に立たない横風の中を小走りに“ばたでん”こと一畑電車の「松江しんじ湖温泉駅」へ。駅前ロータリーで最初に目に入ってきたのは一畑バスの「いすゞLR中型バス」の新旧共演♪ 右は最近の「エルガミオ」ですが、左は今や全国的にみても骨董品級になった「ジャーニーK」。ただ、路線バスでこの呼称はあまり使わないので、オタク的には「お!アイ・ケイ・コーチのLRじゃんスゲー!」て感じですか。w



後面を見ると、元のISUZUの小さなロゴの上に大きなISUZUが上書きされています。どれだけISUZU LOVEなんでしょう。笑



さて電車の方は何が来てるかな?とワクワクしながらホームを覗くと・・・。はい、元京王5100系の2100系(デハ2101+2111)でした。一度京王カラーになっていたようですが今はオレンジに白帯に戻っていました。これは古参のデハニ50形にちなんで「デハニカラー」と呼ばれているようです。モーター付に乗らなきゃ・・・と思ってパンタ付の2101号車に乗ったら後ろの2111号車も電動車でした。。。



車内は京王時代の面影をよく残しています。中央の扉が埋め込まれた車両もありますが、こちらは締切扱いで扉自体は残されています。



みんな大好き「KTR」ロゴ入りスピーカーももちろん顕在。



小雨降りしきるなか、霧にかすんだ宍道湖とつかず離れず進んでいきます。モーター音は残念ながら小さめですが、時折ドコドコ鳴るコンプレッサーの音と振動がローカル電車の旅情をかき立てます。



津ノ森駅で新鋭の7000系と交換。JR四国7000系のコピー品らしいですが、こうした技術・設計の横展開による低コスト化と手厚い補助金のタッグによって地方ローカル私鉄にも新車が導入しやすくなるのは喜ばしいこと。ホントはこっちに乗ってみたかった!笑



雲州平田駅では、元東急1000系の窓越しにデハニ50形(53号車か?)が構内を行ったり来たりする姿を確認。古豪が健在でなによりです。



ほどなくして終点の川跡(かわと)に到着。電鉄出雲市方面も出雲大社方面もここで乗り換えとなります。電鉄出雲市方面行(右側)も2100系(デハ2113+2114)でした。何やらヘッドマークにしてはあまり見かけない、ヒゲのようなものを付けていますよ?



なんと、時節柄こちらはハロウィン仕様となっていました。いま出雲地方は全国から八百万の神が集まる「紙在月(かみありづき)」で賑わおうという時節ですが、ばたでんでは、とりあえず月内は洋物だろうがハロウィンで賑わっておこう、ということのようです(勝手解釈)。ちなみに公式Xによるとあのヒゲはヒゲではなくカボチャの口なんだとか。「なんぼ髭ダンの地元でもそこはお間違えないようにw」だそうで。(Official髭男dismは島根出身)




ということで1時間ピッタリで電鉄出雲市に到着。本当なら髭男電車をもっと調査したかったのですが、ある目玉列車の発車時刻が迫っているのでJR出雲市駅へ急ぎます。その列車というのが「快速あめつち」といういわゆる観光列車なのですが、ネットで検索する時間も無かったのでどんな車両かといった情報もなく、とにかく入場券を買ってホームへ上がってみると・・・。おや、フツーのJR西日本スタイルのキハ47がおるではないか。。



どうやらダイヤが5~10分遅れとなっていたようで、ほどなくするとこの米子行普通140K列車(キハ47 167+キハ47 137)は発車してゆき、かわって浜田方から鮮やかなブルーの車体の「快速あめつち」が入線してきました。



山陰地方の神話が多く収録された古事記の書き出しに由来するという「あめつち」。「五感で楽しむ山陰」をコンセプトに、鳥取~出雲市間を中心として木次線方面や城崎温泉方面へも足を伸ばすそうです。車両はキハ47を改造したキロ47の2両編成。(キロ47 7005+キロ47 7006)



「食」を楽しむための大きなテーブル席。宍道湖や日本海に面した座席は窓の方を向いています。



お洒落に改造されてはいますが、こういうところにキハ47の素顔がチラ見えしちゃったりすると萌え燃えです。



「あめつち」が発車した後は3・4番線ホームに移動して2番線から発車する「スーパーまつかぜ10号」(キハ187系2連)を撮影。完全切妻型のスタイルとも相まって、やくもやスーパーはくとといった陰陽連絡特急ほどの華々しさはありませんが、島根-鳥取両県を結ぶ山陰の雄であることは間違いありません。



あとは浜田行の331D(キハ120)と岡山行のやくも22号(273系)を撮って引き上げるのですが、4番線に停車中の331Dが発車時刻を過ぎてもなかなか発車しません。こちらもダイヤ乱れの影響を受けていて、出雲市終着の普通列車とやくも9号の接続を取って7分遅れで発車していきました。



最後は2番線に入る14:37発のやくも22号を撮ってお開きにするつもりだったのですが、3番線にやくもが入ってしまったので(到着時刻もチェックしとけよ→自分)、もう一度1・2番線ホームに戻って到着したばかりの273系(Y4+Y10編成)を撮影します。0.5M方式の全電動車だそうで、出雲市方の先頭車(写真の一番手前)はなんと「クモロハ」です。



クモロハ272の岡山寄にあるラグジュアリーな雰囲気漂うセミコンパートメント。



制御付自然振子式WTR241A台車。




わずか1時間程度の滞在時間ながら山陰本線の「今」を代表する車両たちを撮影することができて満足。この後は連絡バスに乗って出雲空港へ向かい、20分遅れの羽田便で帰京しました。

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キンメざんまい

2024-04-01 17:15:29 | 実物・資料系(現在)
昨日、予定通り伊豆半島の付け根まで行ってキンメ電車を調べ、キンメの煮付け食して参りました。

伊豆急行のHPでは「リゾート21」(R-3編成キンメ電車・R-4編成黒船電車)の運用ダイヤが公開されています。これを参考にして、当初は熱海駅13:10発のキンメ電車(到着は12:41なので30分も撮影時間がある)を狙っていたのですが、どうせなら1本前の12:24発の黒船電車も見ておこうと思い、新宿10:00発の「スーパーはこね3号」に乗りました。ホームはものすごい人で半分以上は外国人観光客のようです。



小田原で東海道線に乗り換えると、方々から「シキシマ・・・シキシマ・・・」と聞こえてきます。んん?と思いつつも熱海駅へ向かい、ホームで黒船電車を撮っていると、来宮方から突然やってきました四季島ぁぁ!



どうやら昨日が1泊2日の「冬の旅」の今季最後のクルーズだったようで、「また来年お会いしましょう」の文字や・・・



最後尾には「ありがとう」の文字も。今回のコースでは根府川駅で朝日を拝み、小田原で朝食と市内散策を楽しんだようです。列車だけか実車だったのかは分かりませんが来宮の引き上げ線で折り返してきたようです。JR東の賞品だから東海の211系とのツーショットは珍しいのでしょうか?模型オタクさんにはさっぱり分かりません。笑



ツーショットとは言えませんが、辛うじて伊豆急車・黒船電車との並びも見られました。



211系は最近三岐鉄道で目撃されているそうですが(笑)、とりあえず静岡地区での活躍も先が見えてきたので撮っておきましょう。



ということで本題に入る前にだいぶ時間を使ってしまいましたが「キンメ電車」こと2100系3次車(R-3編成)の取材です。取材といっても次の3点さえ確認できればいいのでラクなもの。
1)どこの貫通路が片側に寄っているのか、偏移量は何センチか(これがメイン)
2)クハの出入口周辺の窓寸法が初期車の図面と違う感じがするが、実際のところどうよ(これもまあまあメイン)
3)サハのトイレは1か所か2か所か、通路はまん中か(片側しかない写真を見た記憶があるので)



2番線に東海道線が停まっていて側面写真が撮れないので、まず編成内をひと通り歩いて1)〜3)をチェックします。編成表とともに、まずは1)の結果を示すと次の編成表で示すように1-2号車間、3-4号車間、6-7号車間の貫通路が山側にシフトしており、シフト量は恐らく400mmではないか、との結論となりました。ちなみに初期車のシフト量は100mmで貫通路の両側に窓がありますが、この3次車の場合、狭い側の妻面に窓はありません。

( =:中央 ▲:山側へ偏移)
←伊豆急下田方                        熱海方→
①クハ2156▲②モハ2111=③(WC)サハ2173▲④モハ2110=⑤モハ2112=⑥モハ2109▲⑦クハ2155


貫通路が中央にある4-5号車間です。4号車(左)の妻面にも窓はありますが黒いシールが貼られていました。キンメ改造前は普通に外が見えていたものと思われます。



貫通路が山側に偏移している3-4号車間です。広い側にかなり大きな窓があり、狭い側に窓はありません。3号車(左)の窓は黒いシールこそ貼ってありませんが、半分はキンメダイとワサビが描かれた額がはめこまれ、「酒の肴に」というタイトルがつけられていました。



あと、各デッキの天井には降り注ぐ太陽光を採り入れられるよう、2か所ずつ窓が設置されているのですが、これも改造時の措置と思われるフタで塞がれていました。その大きさは思っていたより大きく、30センチ角ぐらいかと思ったら50〜60センチ角ぐらいありました。これは大きな発見です。



2)については、前回の投稿で「展望室が広がったのではないか」と書きましたが、どうやら広がったのはデッキで、初期車では1000mm幅のドアとほぼ同じぐらいの幅しかなかったものが、プラス500mmぐらい広がったのではないかと思われます。海側は車端部にあったデッドスペース?的な部分が無くなったらしいことは図面から分かるのですが、ボックスシートが並ぶ山側がどうなったかが不思議でした。実車を見て、黄色い丸で示したところのシートが向い合せでなく片側のみになっていたので合点がいきました。1脚分客室が短くなったということですね。



両サイドが見えていないのでちょっとわかりづらいですが、側ドアと仕切壁との間に余裕があるようすが分かるでしょうか。



そして3)ですが、トイレは通路を挟んで両側にありました。片側の写真はどうやらR-4編成の黒船電車のものだったようです。ちなみに黒船電車についてはそれ以外も誤解していた部分があって、「パンタが削減されて下枠交差型になった」「前面が1枚窓になった」程度の違いかと思っていたら、「サハは無くて中間車5両がすべて電動車」という事実にクラッと来ました。笑



そんなこんなでひと通りのチェックが終わったので、このキンメ電車にそのまま乗って伊東へ向かいます。伊東に行くならハ・ト・ヤ!



ではありません。前回もおじゃまして美味しかった駅から徒歩2分の「まるたか」さんで昼食をいただきます。昼時間を外したのに並んでますね〜。帰りのキンメ電車まで1時間と15分。。。ちょっと黄信号が灯ります。。



結局20分ぐらい待って入店。生ビールとキンメ煮付け定食で取材疲れを癒します。



帰りは伊東発14:55に乗車。伊豆高原で折り返してきたR-3キンメ号です。予定では下りのアロハ電車(元209系)を撮ってから乗車・・・という段取りだったのですが、遅れていたようでなかなか来ないので車内からのこんな撮影になりましたw。こちらは焦って撮る必要もないので、またいつかってことで。



海側シートでTDK806シリーズの子守歌を聴きながら(いわゆるMT46ですよ皆さん!!!)うとうとしていたらあっという間に熱海に到着。結局、伊東線で伊豆急に乗ろう・・・みたいな中途半端なミニトリップになってしまいましたが、必要な情報が手に入った上に美味しい料理もいただけて満足な1日でした。



この伊豆急行2100系「リゾート21」、R-5編成はクルーズ列車になってしまったので、実質我々がふらっと乗れるのはR-3「キンメ電車」とR-4「黒船電車」の2本だけ。首都圏でTDK806シリーズの軽快なモーターと強制通風式抵抗器のブロワーサウンドを聴ける貴重な存在です。

2100系というネーミングは、本来は1000系に続く形式で2000系となるところ、21世紀にふさわしい車両ということで2100系となった経緯があるそうですが、実は伊豆急の代名詞たる「100系」の響きを残したかったのではないか、と個人的に想像しています。2000系+100系・・・。

実際、1次、2次車両の一部には100系の廃車発生品が使われていますし、よくよく考えてみれば、運転室こそ持っていませんが電動車は1両単位で走れる1M電車なんですね。R-3編成まではパンタも各車積んでいました。末っ子で、今ではお洒落にクルーズトレインをこなしているR-5編成でさえ1M電車です。

クハが50番台、サハが70番台、サロが80番台という付番ルールも100系そのものです。今回見たように、編成中のところどころに貫通路が偏移しておらず中央にある車両が混じっているのは100系との混結を考慮したそうです。さすがに回送時の話でしょ?と思う反面、貫通路の位置を合わせるぐらいなので幌を渡してちゃんと連結することも視野に入れたのでしょう。

「各駅停車のスーパーカー」との触れ込みで、スタイル面では時代をリードした「リゾート21」シリーズですが、その根底には100系のDNAが深く深く刻み込まれていたんですね。

しばらくは安泰ではとの観測がある一方、経年を考えればいつ引退を迎えてもおかしくないのがキンメと黒船です。年内には改めて温泉とセットで撮り録りツアーをやりたいなーなんて考えてるので、もし気になる〜!って方はぜひご一緒に。


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103系残照

2024-02-23 19:25:02 | 実物・資料系(現在)
関西・中国方面への出張があったので、移動日の宿泊地を姫路にセットして加古川線と播但線に残る103系を見てきました。夜か明け方のシーンしかありませんが、最後の頑張りをみせる姿をご覧ください。

大阪で夕方に仕事が終わったので、まず加古川で途中下車して加古川線の103系3550番台を見ることにします。

ホームから1階へ降りると、な、なんと加古川線専用改札なるものがありました。ほとんどが無人駅なのでキセル対策なのでしょうか。新大阪から姫路までの普通乗車券を持ってはいましたが、同じ加古川駅構内とはいえ、いったん入ると出てくるときに何か面倒なことになりそうだったので入るのはやめました。島式ホームなので、何かパーツを接写するようなことがなければあまりメリットもありませんし・・・。



で、山陽本線上りホームから停車中のM06編成を撮影。手前はクモハ103-3556で、ダブルパンタになっていますが前位のは霜取り用のようです。貫通路を備えたその姿は「君、105系だよね?」と聞きたくなるほど。雨に濡れたエメラルドグリーンのボディが蛍光灯に照らされて艶やかに光っています。こうしてみると、床下機器って夜に撮った方がディティールが鮮明に分かりますね。笑



ユニットを組むクモハ102-3556。ゴーゴーと吠え続けるMGとたまに吠えるCPのコラボレーションがたまりません。



加古川駅を発車する西脇市行。カーブの速度制限があるため豪快な加速はありませんが、懐かしいMT55サウンドを残して闇に消えていきました。



だいぶ冷えてきたので駅撮りは30分程度で切り上げ姫路に向かいます。それにしても新快速って、速いだけじゃなくて本数も多く車内も快適でいい電車ですね。実は新大阪から西明石までは新幹線を使ったのですが、はじめから新快速でよかったんじゃないかとさえ思えるほどでした。

基幹となる225系も増備が進んでいるようで、こちらは普通網干行に使われていたクモハ225-125ですが、制御器のフタまでステンレスが光り輝いていて思わずシャッターを切りました。今年の1月に入ったばかりとのことです。



姫路で新快速を降り、改札を出る前に軽く播但線の103系3500番台の様子を見に行くことにします。1階へ降りるとまともや謎の中間改札が出現!!播但線は明日の早朝に試乗する予定なのでここも入らず、対岸ホームから眺めることにしました。ちなみに姫新線ホームもこの改札の先にあるようです。



山陽本線ホームから停車中の車両を撮影。BH8編成の寺前方のクモハ103-3508です。1枚窓に更新されているものの、この非貫通・傾斜窓の前面はまさしく103系のDNAを今に伝えるスタイルです。正直・・・萌えます。笑



姫路駅に降り立ったのはもう何十年ぶりか分からないぐらい。駅はすっかり様変わりしていました。



ライトアップされた姫路城が見えますが、小雨模様で寒いのでホテルへ直行・・・。



翌日、仕事の方は昼過ぎまでに広島へ着けばいいので、朝練として播但線に少しだけ乗ってみることにして6時過ぎに姫路駅へ入場。SUICAが普通に使えるので便利です。で、例の中間改札を少し緊張しながら通過。もちろん何のお咎めもなくピッ!と通過できました。笑 ちょうど姫新線の上月行が発車するところだったので撮影。両運転台のキハ122のワンマン列車でした。気動車ですが、顔がしっかり「アーバンネットワーク」の一員ですね。



ホームのはずれにはBH6編成が幕だけ光らせて待機中。



主抵抗器をはじめとする懐かしい床下機器や・・・



φ910mm、WB2,300mmのボリューム感あふれるDT33台車などを夜も明けぬうちに捕獲。



すっかり感傷にひたっていたら突然ブロアが立ち上がり、ライトが光って前進を開始しました。直感的に「増結だ!」と気づき、足早に前方へ移動。辛くも連結の瞬間に間に合いました。考えてみれば山手線をはじめ首都圏で103系が普通に走っていた頃、連結・解放シーンて見たことなかったように思います。



連結されて4両編成になった6:20発の寺前行5603Mに乗って砥堀(とほり)駅まで行ってみることにします。シートは懐かしの紺モケット。いい感じです。乗車時間は12分ぐらいですが、揺れ枕が作り出す優しい揺れとMT55サウンド(意外と爆走しました)を堪能しました。この区間は動画ではなく音だけ録ったので別投稿で公開できたらと思います。



砥堀駅は相対式ホームで、踏切も直近にあるので編成の両サイドが撮れるかと期待して訪れたのですが、上下列車がほぼ同時進入で踏切が開かず、まだ夜も明けきらない上に小雨も降っていたのであまり欲張らず、出来る範囲での撮影にとどめました。驚いたのは右側通行になっていたことで、姫路行の4連(先頭はクモハ102-3507)が本来なら下り列車が停まるホームでヘッドライトを輝かせています。島式ホームの駅では左側通行だったので、全駅同じ側のドアが開くようにしているのかも知れません。



ダブルパンタを掲げてやって来る寺前行下り2連。さすがに暗くてブレちゃった。。



同じ列車を後方から。手前がクモハ102-3509なのでBH9編成でした。分かりにくいですがトイレ装備なので連結面寄りのところの窓が埋められています。



とりあえず交換2回、4列車の写真を撮って引き上げようとしたら、なんと221系がやってきました。103系より後輩とはいえ、JR西日本が設計した1期生と聞けばこちらもかなり年季が入っています。つい先日は「221系の日」でもてはやされたのではないでしょうか。まだしばらくは活躍しそうですね。



姫路駅に着いた221系。改めて確認するとクハ221-61以下6連のB15編成でした。個人的には関西電車群のなかでは割と好きな形式です。



で、何か黄色いものが目の端にとまったので振り返ると、おお!出たなまっき色!!113系2000番台、まだ居ましたね♪♪キハ58との並びが撮れるなんて思いもよりませんでした!(笑)



そして「のぞみ」に乗って広島へ移動。用務先は横川だったので、山陽本線より先に発車する可部線に乗って横川へ。227系「RedWing」です。もう73系のナの字もありません。警戒色とか言うと警戒されそうです。



広電の乗り場にはちょうど新旧2つの車両が停車していました。



グリーンムーバー・シリーズの弟分というか汎用版というか、1000形超低床車の1009号車と。。



古風な352号車。350形は移籍車が多い広電にあって生え抜きの車両なんだそうですね。そうと知っていればもっとちゃんと撮ったのにぃ、、というお話でした。



ということで、加古川線、播但線の103系は、「あれは103系じゃない」と思う反面、「いまが乗れる最後のチャンス」という気持ちがぶつかり合ってモンモンとしていたところへいいタイミングで出張の話が飛び込んできたため、夜間・早朝・雨という最悪のコンディションでしたがその片鱗に触れることができました。もしまだ活躍が続くようならたっぷり時間を取ってプライベートで訪れ、あの爆音を思う存分浴びたいと思った次第です。

砥堀駅を発車する播但線103系姫路行



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西武電車・・・プチ撮り鉄と模型資料集め

2023-05-06 02:51:43 | 実物・資料系(現在)
門型送電鉄塔のジャングルの中を進んでくる電車・・・
そんなちょっと非日常な写真が撮れるらしいと知って、子どもの日の昨日、西武多摩川線のプチ撮り鉄に繰り出しました。併せて東村山市にあるクハ1101形を用いた「くめがわ電車図書館」も訪ね、模型製作の参考となる写真を撮ってきました。


JR中央線を武蔵境駅で降りて西武多摩川線ホームへ。高架化前後にかかわらず記憶にある限り初めての乗車です。中央線の窓からちょいちょい眺めてはいたもののずっと乗らずじまいの「身近な非攻略路線」でした。何の違和感もなく乗車し今の今まで気付かなかったのですが、もしかしてフロントの窓周りがベージュの新101系っていわゆるリバイバル塗装なんでしょうか???



乗車といっても1区間だけ。高架を駆け下りて左へカーブした先にある1つ目の新小金井駅で下車し、住宅街を10分ほど歩いて「いちご橋」という人道橋にたどり着きました。近所の親子が電車を見ています。上空には調布飛行場へアプローチする小型機が軽快なエンジン音を響かせて旋回中。



なるほどこれか!確かにすごい景色です。ここから次の多磨駅周辺まで東京電力の「車返線」という送電鉄塔が線路上空に架設されています。立派な門型鉄塔の間を黄色い電車が進んでくる光景は一見の価値ありです。



復刻版の「赤電」もやってきました。



背中側の新小金井駅方向は掘割になっていて開けているので、こちらも何本か撮りました。上の復刻赤電の折り返し。



なんか既視感のある青い電車もやってきました。それもそのはず伊豆箱根鉄道とのコラボ企画によるカラーリングだそうです。私が知らなかっただけで、西武多摩川線はリバイバル&コラボカラーのパラダイスと化していたのでした。



いちご橋で30分程度撮影を楽しみ、その後は近くの野川にかかる橋の周辺へ移動しました。編成全体を入れるのは困難で橋自体も味気ないコンクリート橋ですが、自然の中を行くカラフルな電車が撮影できます。伊豆箱根カラーの後追い。



もともと「秩父の緑に映えるように」と選定されたカラーだけに、やっぱり黄色の(新)101系は安定感抜群ですね。



野川の崖線に沿って走る「はけの道」は狭く、交通量が多いので、多摩川線をくぐるところはこんな衝突防止の派手なゼブラ塗装が施されていました。



ここでも30分程度撮影してから次の目的地である「くめがわ電車図書館」へ向かいます。だいぶ暑くなってきて新小金井駅へ戻るのも億劫になったので、近くの「二枚橋」バス停から京王バスで武蔵小金井駅へ出てJR中央線で1駅隣の国分寺駅へ。


国分寺からは多摩湖線で八坂駅を目指します。ここもだいぶ昔に乗ったきりで、その当時はクモハ351が最後の活躍をしていました。今は9000系で隔世の感があります。



八坂駅から多摩湖線沿いの遊歩道を歩き、国分寺線の踏切を渡った先で斜めの道へ入り10分ほど歩きます。



こちらがURの集合住宅が立ち並ぶ一角に設置された「くめがわ電車図書館」で、市立ではなく地域住民が運営する「地域図書館」なのだそうです。車両は旧というか元祖101系の先頭車クハ1150号車です。現在製作中の701系と「同じ顔」を持つ車両として参考とすべき点が多いので訪ねました。



調査ポイント1はオデコのラインです。新101系の前面はかなり高い位置まで通称「額縁」と呼ばれる窪みがあって角ばっていますが、この旧タイプでは方向幕の「箱」の脇の屋根カーブがどこから始まっているかはアバウトな竣工図からは読み取れないものです。実車をみる限り、屋根カーブの始まりと同一ラインと考えて差し支えないことがわかりました。



調査ポイント2は「く」の字型前面の傾斜が始まるラインです。これはかなり細かい部分ですが、よく確認すると、補強板の上辺と前面窓の下辺(Hゴムの内側)のちょうど半分あたりに折り曲げラインがあることがわかりました。



ヘッドライト、テールライト&通過標識灯、方向幕の位置も竣工図に記載がないないため真正面写真を撮っておきます。メジャーを持参すればヘッドライトの位置ぐらいは計測できたのにと後悔。



その他、ベンチレーターの配置や「張上げ屋根風」と呼ばれる雨樋の位置(高さ)など疑問があった点を中心にじっくり観察し、納得のいくデータを取ることができました。まさに百聞は一見に如かず。正確な印象把握のために実車観察は欠かせないものだと改めて感じました。

コメント (2)
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