80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

ASカーを作る!(3)

2024-10-06 00:04:27 | 私鉄電車
ASカーこと西武旧101系についてはとりあえずモハ101奇数車(M1)を仮組みして一段落とし、前面パーツの到着を待って再開したいと思います。

このキットの特徴として、車体の四隅に床板固定用ビスを受けるナットを埋め込むパーツがあります。各車両とも4か所のうち2か所を室内灯などの給電回路とするため、ナットの周りに細く切り出した燐青銅板を巻き付けて半田付け用の端子とします。本当はぐるっ一周巻きたかったのですが、思ったほどナット周りの遊びが少なかったのでほぼ半周巻く感じになっています。



ナットは圧入された状態ですが、念のため抜け防止のカバーでフタをしておきます。ちょうど穴の開いた使わないパーツがあったのでそこから切り出したものです。



車体を箱に組み上げます。コーナーの床板止めはこんな感じで、まだ配線用端子が無造作に飛び出した状態ですが、室内灯への配線をするときに整理する予定です。



カプラーはIMONの通電カプラー(ISカプラー)を使うこととし、赤丸部分に燐青銅板のブリッジを渡して床板固定用ビスで車体へ給電します。



ウエイトを除いて駆動系を仮組みしたところ。今回ユニバーサルジョイントにはカツミのACEジョイントを使いましたが、エンドウの「タイプⅡ」に相当するコンパクトな形状をしているため、両側のドライブシャフトを各2mmずつカットするだけでEN22一般型モーターと難なく組み合わせることができました。



床上には引き通し用の銅箔テープを貼り、両端はISカプラーの取付ビスに結線します。モーターとセンターピンは未配線で、この後下回り全体を塗装した後に配線します。



配管を除いてひと通り仮組みした状態です。パンタはIMONのPS16銀を奢りました。いやぁダブルパンタに大量の抵抗器を積んだ山男スタイルは痺れますねえ。ちなみに黄色の矢印で示したブレーキ制御装置はキット付属のカバー付きのものが暫定で付けてありますが、初期のカバーなしのものに今後付け替える予定なのでますますワイルド感が増すことでしょう。


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ASカーを作る!(2)

2024-10-03 02:54:11 | 私鉄電車
いろいろ二転三転しましたが仕様を決めました。当初予定通り「登場時非冷房4連」の姿で作っていきたいと思います。

理由は、まだ仕掛りっ放しですが「新宿線赤電10連」が1970年代初頭を想定していることと、頼りになる鮮明な写真資料の存在が大きいといえます。主に次のサイトの写真を参考にさせていただいております。ありがとうございます。
団塊鉄ちゃん気紛れ撮影記(団塊鉄ちゃん様)「101系登場の頃」
鈴木写真変電所様「西武101系登場の頃」


動力車となる抵抗器満載のM1車(モハ101形奇数車)の下回りが出来かかっていますので、この車両の上回りを作っていきます。まずは中間車セットの屋根にモールドされているクーラーランボードの足を削ってフラットにします。写真は研磨し終わってスベスベになったところ。グローブベンチレーターが写っていますがこれを取り付けるのではなく、ベンチレーターやクーラーの取付穴に差し込んで「穴埋め」するためのものです。キットのは残念ながらデザインがヨロシクナイので。。



第一パンタのランボードとパンタ碍子台。いずれもキットのパーツですが、前者は前後の碍子台の間を余分なランボードから切り出した板で連結し、昔ながらの木製の櫓(やぐら)タイプの碍子台に似せてみました。これだけ見ても旧101系が“赤電”のDNAを色濃く残していることがわかります。こちらはベンチレーターが無く、代わってヒューズ箱の取付穴を開けておきます。



第二パンタ側も同様に作ります。こちらはベンチレーターの取付穴あり。



その他のパーツを仮置きしてみます。ヒューズ箱(手前)とパンタスイッチ箱(右上のベンチレーター間)はキットのパーツを使用。グローブベンチレーターは手持ちのIMON製を使用します。最近まで気付かなかったのですがベンチレーターが無い部分には扇風機のお尻が飛び出しているようなので、KSの「扇風機カバー(小田急用)」を埋め込んでおきました。



こんな感じです。この先は恐怖の配管作業が待っていますが、非冷房時代の明瞭な俯瞰写真が見つからないため、「模型のことは模型に聞け」精神で諸先輩方の作品を参考にしたり、「ここはこう繋がっててほしい」的な勝手解釈で乗り切りたいと思います。



車体も1両ぐらいなら組めるかと思ったのですが甘かった。。とりあえず狭幅貫通路の妻板を広幅貫通路に改造します。既に701系でトライしているので手順はOK。貫通路の端から左右とも7mmの位置にカッターを入れて切り抜きます。板厚が1.5mmもあってなかなか切れませんが、ノコ切断のように切り屑ロス(目減り)がないため大概この方法です。



切り取ったパーツの窓側をそれぞれ2.5mmカットして瞬着で貼り戻せば広幅貫通路の出来上がり。



問題はキット同梱のパーツだけではドナーが足りないこと。あと、編成中に1か所だけ付く両開きドア付の妻板もここからだと作りにくいですねぇ、、と予めボヤいておきましょう。笑



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ASカーを作る!(1)

2024-10-01 02:40:30 | 私鉄電車
令和の現代では「ASカー」といっても通じないかも知れませんが、それまでの“赤電”とは一線を画す性能とカラーリングで登場した西武101系はASカー(All round Service Car)と呼ぶにふさわしいカッコイイ電車なのでそう呼ぶことにします。しかもびっくりマーク「!」付です。どんだけ好きなんでしょう。。笑


しかしわが家には第一線で活躍する101系の写真は悲しいことに数枚しかありませんでした。そのうちの1枚がこちらで、1975年頃に新宿線の沼袋~新井薬師前間で撮影したようです。番号は読めませんが既に集中クーラーで冷房化されているのが分かります。



ということで、「チョットだけよ」のつもりで床板に手をつけたzugプラキットが、あれよあれよという間に「床下機器取付完」になってしまったという話を正直に書きたいと思います。

前回の投稿で書いたように、キット(新101系)の床下機器を組み替えて配置すれば95%ぐらいはイケると踏んでいたので取付はスムーズでした。EN22で動力化するので、M1車の主抵抗器や主制御器などの裏側を1/3程度削ってモーターとウエイトが入るようにします。



元々大ぶりな床下機器ですがMGがひときわ大きく、冷房化後を想定したとしても大きすぎるうえにディティールがほとんど無いので、ボナの旧型国電用に置き換えることにしました。ただ、これだと逆に小さすぎ、足して2で割ったぐらいの大きさのパーツは無いものかとモンモンとしております。



とりあえず余りの床下機器を風洞に見立てて貼り付け、所定の位置に接着しました。ん~~ちっちゃい。。笑



キットに含まれないものはスクラッチしたり、別の床下機器を削って似せたりしながら何とか埋めていきます。これはコンプレッサーとセットで付くアフタークーラーで、波板を2枚背中合わせにして表現しました。



取り付けるとこんな感じで思わずムフフ・・・です。



ブレーキ制御装置は、登場時は中身がむき出しのものが設置されていましたが、後年、箱に入ったものに換装されたようです。その時期がいつなのか分かりませんが、とりあえずキットには箱型のものが入っているのでそれを取り付けておきます。取付足の部分が抜けていないため、お座なり感満載ですが向こうが見えるように穴を開けておきました。



台車枠もシャープにデザインされたパーツが入っていて、真鍮フレームに軸受などを半田付けして組み立てると走行化できるのですが・・・



真鍮フレームがt0.3ぐらいしかなく心もとないため、特に荷重のかかる動力車は日光のFS372に置き換えることにしました。その他の付随車はこのフレームを2枚重ねにしたらどうかと考えています。



空気バネとボルスタアンカはキット付属のパーツを所定の位置より少しガニマタ気味に取付けまず。このぐらいの回転の自由度があればR610の通過も大丈夫でしょう。ちなみにギヤはカツミのAceギヤ(WB=26mm)で、マクラバリはエンドウの「MPボルスターE」を組合せています。



センターピンは、床板のセンターピン穴をφ3.2に広げたうえでキットのバラパーツを組立てて使います。ただし付属のM2ビスは長すぎるので、M2×8mmビスに置き換えています。写真ではビスが床板に埋まっているように見えますが、ギリギリ脱線しない程度の自由度は確保できています。



ということで4両分の床下機器の取付がすべて終わりました。この勢いで車体も組んじゃいますか♪


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買ってしまった

2024-09-26 02:52:47 | 私鉄電車
zug(ツーク)の西武新101系プラキットをまた買ってしまいました。ちょっとお値段は張りますがその分しっかりとした設計で改造ベースにも好都合なので、上信電鉄500形に改造したのを皮切りに本家西武411系と701系の改造用にも購入。いよいよ市場在庫も払底しそうなので、とりあえずAセット(先頭車2両)とBセット(中間車2両)を確保しておきました。



これまでに新101系として組み立てたものはなく、今回も旧101系4連(登場時・非冷房)への改造を視野に入れています。顔も違えばベンチレーターも違いますが、床下機器が95%ぐらい転用可能と分かったので踏み切りました。ちなみに前面は3Dパーツをガレージメーカーさんへ発注済みです。


3Dパーツは海外で出力して送ってくるため1か月以上かかるとのことだったので、それが入手できるまでは開封しないでおこうと思ったのですがダメでした(笑)。下回りぐらいは組んでもバチは当たらんだろう・・・ということで床板をランナーから切り出してゲート処理。各車共通でLN15対応のモーター逃げ穴が開いています。



モーター穴は塞ぎパーツがあるのでM車1両を残して塞ぎ、M車はEN22に合わせて大きさを調整します。



こんな感じで横幅を広げ、前後方向はLN15より短いため、塞ぎパーツを小さくカットして埋めています。



モーターホルダーもエンドウのCDセットをそのまま使い、ちゃんと取付けられることを確認しました。ここまでくれば出来たも同然(言い過ぎ)。




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キンメ電車を見てこよう

2024-03-31 00:11:03 | 私鉄電車
年度末を迎え仕事が少しヒマになったので、これからの貴重なオフシーズンは再び工作に戻りたいと思います。

で、いつものようにストックパーツをガサゴソやっていて見つけたもの。東急用のTS807台車8両分とモハ103冷房用床下機器4両分。。



確か4年前のちょうどコロナ禍に突入した頃に、伊豆急の「ザ・ロイヤルエクスプレス」(2100系5次車)を作るぞ!と息巻いて集めたパーツの一部です。その後、E社から完成品がひゃくまん円ぐらいで発売され、昨今の高騰を差し引いても、ああそのぐらい手間のかかる題材だったんだなぁとため息。



一応型紙はぜんぶケガき、先行的に先頭車を組み立ててはいたんですけど。。



その後、TS台車を使っていっそのこと東急の8500系でも作るか、いやコルゲート付きステンレス8両は大変でしょ、それじゃあ長電の3両だけでもw・・・等々考えあぐねた末に、1~4次車までの「リゾート21」ならそんなに難しくないだろうという結論に落ち着き、以来、パーツは深い眠りに入ったのであります。

久しぶりに眠りから覚めて、まだ台車も床下機器も流用しておらず8両編成分揃っているのが確認できたので、「キンメ電車」としていまだ第一線で活躍している2100系3次車にすべく、仕掛り品製造ライン(笑)に再び投入することにしました。もっとも「キンメ電車」塗装は凝りに凝っていて「ロイヤルEXP」どころの騒ぎではないため、トリコロールカラーのオリジナル塗装時代でいくことにしています。



そもそも車体断面自体が5次車と4次車以前では違うため断面図を描き直して展開寸法を求め直します。5次車は側板の傾斜が3°で屋根はブルトレのような深い屋根をもっており、かなりどっしりとした印象ですが、1〜4次車は腰から上が5.5°という深い角度で傾斜し、屋根は8,500Rという大きなカーブをもつ独特の軽快なスタイルをしています。



側面は雑誌掲載の形式図をもとにスケールダウンしたのですが、どうも全長の寸法が合いません。サイドビュー写真などいろいろチェックしてみたところ、雑誌掲載の1次車(恐らく2次車も同じ)と3次車(恐らく4次車も同じ)とでは先頭車の展望席の寸法が違うようです。そしてもっと厄介なのが貫通路です。シートが海側・山側でアンシンメトリーなので一部の貫通路が山側に偏位しているのですが、どこの連結面がそうなのか、写真や動画をみてもよくわからずお手上げです。



ということで、明日、キンメ電車の突撃取材を敢行したいと思います。もちろん真の目的はキンメの煮付けであります。


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