80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

591系高速試験電車の製作(4)(高運転台Mc3車の設計)

2019-01-30 00:51:50 | 東北方面
先頭車は複雑な高運転台のMc3車から先に作ることにします。
輪郭の甘い形式図はもとより、ネット検索で引っ掛かった写真や図面を総動員しても模型図面を起こすのが難しいと感じたので、車両紹介が載っている(らしい)鉄道ファンの古本取り寄せることにしました。1970年5月号に1/80折込図面、同6月号に解説記事が載っているようです。本日5月号が到着しました。さっそく図面を見てみると・・・

さすがに大時代なテイスト。。高運転台の正面図なんて、これじゃまるでちょうちんだょww




側面は少しはマシそうなので、とりあえず鼻筋のラインに合う雲形定規を探してみるとありました。パソコンなどない時代、これを作図した人も同じ定規の同じ場所を使ったのかも?と思うとなんだか楽しくなってきました。




ネットで探した出所不明のかなりマシな図面(ただし強烈に歪んでいるのが残念。。無理やり台形補正しました)とも照合してみます。上半分のカーブはまあまあ合ってますが下の方がちょっと引っ込み過ぎですね。恐らく単円弧で描いたのでしょうが、実車は裾の方は、ほぼ直線にも見える大半径の円弧のようです。




いろいろ参考にしながら手書きで図面を起こし、主要な寸法を求めました。あとは組み立てながら補正していきます。




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591系高速試験電車の製作(3)(動力車(M2)の組み立て)

2019-01-26 23:52:19 | 東北方面
手始めにミニサイズの中間動力車(M2)を組み立ててみます。内貼りは厚手の#400スノーマット紙で、作業しやすいように絞りのある腰部と窓から上を分けて貼ります。




すそ絞りがきついため、車体を治具(いさみや方眼紙で作ったレール面からの高さゲージ)に乗せて下部補強材の取り付け位置を現物合わせで求めます。




いつも通り3×3mmヒノキ材で補強。




妻板を貼り合わせて箱にし、さらに車端部にはこのように横梁状の紙帯を接着します。接着剤が乾いたら・・・




貫通路の下側をニッパーでカットします。ここに連接台車のボルスター部が収まります。最初に切ってしまうと妻板を接着する時に左右から力をかけられなくなってしまうためこのような手順としました。




車体を被せるとこんな感じになります。




続いて下まわりを作ります。このM2車はMを名乗っていますが床下はスカスカで、トイレと洗面台が2か所ずつあるため大きな水タンクとトイレ流し管、冷房装置、汚物処理装置程度しか積まれていません。流し管と汚物処理装置が同居しているのが解せませんが、1970年代頃からトイレの近代化が進んだので試験的な設置だったのかも知れません。あるいは流し管に近い第3台車の“黄害”がひどく試験にならないので後付けした・・・のかも?黄色い話題でどうもスミマセン。。模型の方はエコーの流し管とTOMIXの別売パーツの汚物タンクをとりあえず取り付けてみました。水タンクの場所にはモーターが居座っているのでこれを水タンクに見立てます。冷房装置はハコモノなので他車の床下機器と一緒に作ることにします。あとモーターから両台車に向けて集電用の配線をのばしてあります。




その配線の先には燐青銅板の接点を取り付け、ボルスター上面に当てて集電します。センターピンにはMc車を乗せかけるため、通常のラグ板を使った配線ができないための措置。




床下にウェイトを積むとスカスカ感が出ないので床上に積みます。CN-16モーター用の小ぶりのものを使います。片側はトイレに隠せるのですが、反対側は隠し場所がないので板オモリを切って床上に接着しようと考えたのですが、いや待てよ・・・?




じゃーん!車端部の機器室っぽいスペースにすっぽりと収まりました!!




外から見た感じも違和感ナシ♪というか幌付けて連結してしまえば貫通路の奥はほとんど見えないのでノープロブレムです。




かくしてM2車の鋼体と下まわりが出来ました。台車と車体下部が接触していますがこれは想定内。本来は車体側に付くべき枕バネやボルスタアンカが台車枠と一体になっているため背が高いのです。これは後で台車側を削って調整することにします。




さっそく試運転。懸念されたユニバーサルジョイントの引っ掛かりや異音はなく極めて快調なので安心しました。燐青銅板を介したボルスターからの集電も良好。接触不良によるギクシャクや火花の発生などは見られませんでした。



高速試験電車のキモである「走り」がまずクリアできたので、次回からは特徴あるMc1、Mc3車の製作に入っていきたいと思います。


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591系高速試験電車の製作(2)(窓抜き完了)

2019-01-23 01:19:11 | 東北方面
M2車(中間車=右)に引き続き低運転台側Mc1(上段)と、高運転台側Mc3(下段)の窓抜きをしました。特に変わった技法はなく、いつもどおり屋根と腰の曲げぐせをつけてから戻し、カッターと丸刀で窓とドアを抜いています。Mc1は乗務員室の奥行きが最近のE23X系以上に広いですね。試験車だけあって職員が多数乗り込むことを想定したのでしょうか。Mc3はまだ顔の部分がまっさらです。さて、どう料理しますか・・・。




出来あがりのサイズ感はこんな感じ。3車体に分かれていますが書類上はこれで「クモハ591-1」という1両の電車なのだそうです。片側が平妻、もう片側が高運転台の2丁パンタつき交直両用1M電車、って想像しただけで・・・・・・ ガク((( ;゚Д゚)))ブル




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591系高速試験電車の製作(1)(型紙作図とM2車下まわりの仮組み)

2019-01-20 01:05:04 | 東北方面
591系高速試験電車着工しました。

形式図をベースに、ネット検索で引っ掛かった写真や図面を総動員して寸法を割り出します。それでも車体断面については決定打がなかったので、すそ絞りラインを少しいじっただけで古いTMS(1975年4月号)に掲載された381系の折込設計図の断面をほぼそのまま採用しました。




Wordで作成した断面図。プリントして切り抜き、車体の展開寸法を計測したあとはそのまま妻板として使います。




車体は側板と屋根を一体で作るペーパールーフ。こちらもWordで作図しています。すその絞り量が大きいため、窓下寸法を本来の窓高さよりわずかに(0.25mm)足しています。




下まわりも中間M2車だけ作ってみました。この中間車を両台車駆動の動力車とするため、ボギーセンター間10.5m(模型寸法131.25mm)しかない車体に果たしてMP動力がうまく組み込めるのか早く確認したかったからです。t0.8×w30mm真鍮板を写真のような形に切り出しましたが、事前検討でユニバーサルジョイントのスパンがほとんど取れないことがわかっていたので、車体長を2mm延長し、かつ、センターピン位置も連結面の中心ではなく少し外側になるように設計することで、ボギーセンター間に+3mmの余裕を稼ぎ出しました。




台車は試験車だけあって何やらゴチャゴチャいろいろなものが付いているようですが、基本的な構造は381系の自然振り子台車に受け継がれているものと想像し、素直に日光モデルのDT42を使うことを考えていました。この台車のWBは2300mm(模型28.5mm)です。




ところが図面をよく見るとWBが2300mmなのはMc1車の先頭寄りだけで、その他はすべて2100mm(模型26mm)となっていました。このくらいの差は無視してもいいのですが、せっかく稼ぎ出した3mmの余裕が相殺されては面白くないので、WB26mmでなんとなく似ている台車・・・枕バネ周辺が適度にゴチャついている台車を探したところ、DT39という台車が使えそうなのでエンドウのものを求め、中間の動力台車のみこちらを使うことにしました。キハ65用の台車です。




EN-22モーターとともに仮組みしてみます。直線では収まってますが曲線ではいかに・・・?




ユニトラックの小型ポイントに乗せてそのまま裏返したのがこの写真。ま、これならなんとかいけるでしょう。試験走行させれば一発でわかるのですが、センターピンに隣の車両を乗せ掛ける関係上、通常のラグ板を使った配線ができないので、集電・配線方法が決まるまで走行試験はおあずけです。




ためしにM2車を窓抜きしてみました。めちゃ小さいです。Bトレか!ってぐらい短いです。(笑)




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お題を考える

2019-01-18 01:44:13 | 東北方面
春の花月園運転会の内示がありました。「お題」は「連接車」とのこと。
仕掛り品のEF13を再開しようと準備していましたが、また新車製造ラインが稼働することになりました。

もっとも、当工場では小田急3100系(NSE)を少しかじった経緯があるので、この機会にこの仕掛り品を退治するというテはあります。しかしあのパノラマ前頭部をもつ11連接車体を完成させ、さらに細いストライプが入った塗装を仕上げるにはあまりに期間が短すぎるため却下しました。。

連接車というと選択肢の幅はかなり限られてきます。江ノ電か路面電車かびわこ号か・・・etc.まあそういった系統がすぐに思い浮かぶのですが、もっと本線をぶっ飛ばせるのはないだろうか?

と思ったらありました。591系振り子試験車。これならガンガン走れるよ♪


ちなみにキハ391系ガスタービン車も候補に挙がったのですが、顔がおとなしいので(笑)やめました。

591系は振り子構造が運転士へ与える影響を調べる目的で高低2種類の運転台が作られました。Mc1車と称する方は相模線の205系の始祖のような平面顔ですが、Mc3車は高運転台の独特の顔をしています。これに手間取っていてはNSEやキハ391系をキャンセルした意味がないので、まずはモックアップを作って果してペーパーでうまく構成出来るのか確かめることにしました。

こちらがモックアップ。え?見るからに残念な姿??まあそれは否定しませんが製作者本人はいたってまじめであります。ハサミとカッターでえいやっと切り抜いただけですが「顔」の構造がよく理解できました。後年の「電気釜」と呼ばれたクハ481などと違い「鼻筋」が通っているのが最大の特徴です。上からみると湘南形と同じような後退角を持っているのがわかります。キャブ窓をいかに違和感なくすり付けるかが勝負のような気がします。あまり時間もないので、現物合わせを基本に、まずはそれらしいカタチにすることから始めたいと思います。




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