おはようございます。新宿区神楽坂で研修&カウンセリングの事業を営む ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
私は、一人の本を読み始めたらまとめて読む習慣があり、このところ 小倉 広さん の本を5冊ほど読んでいました。
小倉さんの本を読むことはまだまだ続きますが、つい最近では、河合 隼雄の本を新たに読んだり、読み直したりしています。
まずは、過去のブログをご参照ください。
◆2012年11月21日付けブログ 河合隼雄の対談本2冊
その中でこんなことも書きました。
『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』は、村上春樹ファンならともかく、あまりお勧めしたくない本です。
理由は、村上春樹が自分にこだわる人で、共感性が見られず、河合隼雄の個性を引き出し切れていないのです。
言い方を変えれば、河合隼雄が遠慮気味に村上春樹を立てているため、討論になっていないのです。
欲求不満気味だった私は、今までに2度読んでいた『魂にメスはいらない ― ユング心理学講義 』(講談社プラスアルファ文庫、実際に私が持っているのは1979年3月の朝日出版社の初版)を読みました。
対談者の詩人の谷川 俊太郎がいい。
共感力があり、自分を語ることを控えめにして、河合 隼雄から理論面だけでなく人間味を引き出しています。
日本を代表するユング心理学者と目されていた河合 隼雄をしてこんなことを語らせています。
僕はユングの考え方とまったく同じだという意味での“ユング派”ではありません。日本人ですからね。そのことでユング研究所から分析家の免状をもらうときに大喧嘩をしたんです。
(中略)
ユングは個性化(インディビデュエ―ション)ということを唱えるんだから、ユングと違うことをするのがユング派であるということなんです。ユングの真似をしていたら、本当の意味でのユング派じゃないですよね。
これは、古い本ですけれどお勧めの本です。
<お目休めコーナー> 12月の通りがかりで(1)
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(天王洲アイルにて)
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