おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(6月13日)の19:00~20:45は、 早稲田奉仕園セミナーハウス「リバティホール」で 平本あきおさん(株式会社 イノベイティア「旧チームフロー」代表取締役)とコラボで
アドラー心理学の職場・家庭への活かし方を学ぶ
【実践アドラー心理学・特別座談会】
を行っていました。

(対談が決まった3月31日の写真)
会場には100人もの方々が集まり、前半は対談、後半は質疑応答に基づき、主に平本さんのコーチング・ライブが展開されました。

(ご参加の方々との集合写真、株式会社 イノベイティアから借用)
私は平本さんのコーチング・ライブを身近に観察し、とても勉強になりました。
ご参加の方々、共催の 株式会社 イノベイティア (代表の平本さんを含む)の方々にありがたく厚くお礼申し上げます。
さて、ヒューマン・ギルドの過去のメルマガに書いた原稿のブログに転載する第7回目、今回から「目的論」に入ります。
「アドラー心理学で発想したら」(8):目的論(1)
「目的論」というのは、フロイトをはじめとするそれまでの心理学の大鉄則であった「人間の行動には原因がある」とする「原因論」に対するアンチ・テーゼであり、フロイトとの確執があったアドラーがフロイトと理論面でも反発する中でたどり着いた理論です。
これはまるで、科学の世界で、それまで信じられていた天動説から地動説を唱えたコペルニクスと同じような大展開でもあり、科学思想としてのデカルト=ニュートン・モデルからの脱却でもありました。
アドラーは、それまでの物理学の影響を受けていた心理学から大きな脱皮を試みた最初の心理学者なのです。
ただ、ここで注意しておきたいことがあります。
「目的」とすると、自分の将来を見据えての明確な目標のようなイメージがあります。
しかし、「目的論」に相当する英語の“teleology”の語源からすると、“tele”は “telephone”(電話)や“telescope”(望遠鏡)と同じく「遠い」を意味するものであり、“ology”は「学問」を意味します。
ですから、わかりやすい訳語を使えば「未来志向学」とも言うべきで、明確な目的を連想させる目的論ではないことがわかります。
アドラー自身も
「人間のすべての創作活動の背後にあるのは、優越を求める努力であり、それは、われわれの文化に加えられるすべての貢献の源泉である。人間生活の全体は、こういう活動の太い線に沿って-下から上へ、マイナスからプラスへ、敗北から勝利へと-進行するのである」(『人生の意味の心理学』、春秋社版)
と書いているとおり、具体的な目標に向かって近づこうとするものでなく、優越を求める努力としての活動をイメージしていたことが明らかです。
<お目休めコーナー>6月の花(14)

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