おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
人間的な、あまりに人間的な野口英世の伝記である『遠き落日 上・下』(渡辺淳一著、講談社文庫、各940円)を読み終えました。
野口英世(1876年 - 1928年)は、ノーベル賞の候補に3度もノミネートされた、1000円札の肖像画でも知られるほどの大英雄です。
しかし、医師でもある渡辺淳一によって描かれた野口英世は、恩師や友人たちを泣き落として多額の借金を重ね放蕩を繰り返しながらも語学に天才的な能力を発揮し、「人間発動機(ダイナモ)」 と呼ばれるくらい不眠不休で研究を重ねる野口英世です。
私がこの本を読みたいと思ったのは、2016年10月15日に会津の野英世青春館を訪れたことです(2016年10月16日付けブログ 初訪問の会津よいとこ(2) 参照)。
この土地は、高等小学校を卒業してから、上京してほぼ独学のみで医術開業試験に合格して医師になる間に、初恋の人の山内ヨネ子に秘かに恋心を抱いていた場所です。
現在の猪苗代町に父・野口佐代助と母・シカの長男として生まれ、1歳の時に囲炉裏に落ち、左手に大火傷を負い、成人してから恩師のサイモン・フレクスナー博士と日本で出会い、その縁を頼りに強引に博士を訪ねて研究者となり、晩年は、毀誉褒貶を受けながら黄熱病の研究と撲滅に情熱を捧げ、その黄熱病息を引き取った51歳までの野口英世の生涯を伝記として描いた本です。
読み終えてから、会津で乗ったタクシーの運転手が「野口英世がノーベル賞を取れなかったのは、東大を出ていなかったからです」という言葉が蘇ってきました。
そんなことはないとは思うものの、この本を読みながら引っかかっています。
<お目休めコーナー>5月の花(13)
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