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アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

アメリカンフットボールの関西学院大学との試合(5月6日)で日本大学の選手が無防備な関学大の選手に背後から激しいタックルを浴びせ負傷させた事件がこのところずっとマスコミをにぎわしています。

内田正人日大アメフト部監督は、危険なプレーの指示は出していないと回答しているのに対して、不正なタックルをしたM選手(3年生、日本代表にまでなっている)は、その後、QB(クオーターバック)の選手にまた不正タックル、さらに相手選手をはたくなどの行為をして退場になったのですが、監督やコーチ陣は、むしろ選手をねぎらうような映像が流れていました。

また、相手QBを負傷させ試合後に涙を流していたとも伝えられ、退部の意向が伝えられるM選手の周辺では、内田監督から試合前日、
「試合に出場したかったら、1プレー目で相手のQBを壊してこい」と告げられていたと指摘されています。

コーチからも「何をしてもいいから壊してこい」「やらないというのはないからな」との指示や念押しがあったと伝えられています。

内田監督がM選手に限らず他の選手にも同様の指示を出したという関係者の談話は、テレビやウェブニュースでも報じられています。

日本大学の常務理事でもある内田正人監督が問題発覚後、一度も記者会見などを開いていないことが問題視され、「危機管理部」を擁する日本大学そのものの危機管理が問われたり、日大のアメフト部が2016年~2017年の間になんと部員が大量退部(1~3年合わせて19名)していたことがわかり、その指導ぶりが批判の的になってしまいました。

msnニュース AERA dot.
日大アメフト選手が明かす内田監督への“クーデター計画”
(2018/05/18 18:06)
を読めば事件の全容がわかります。


実は、息子のタクロウは、高校生の頃にアメリカンフットボールの選手だった人で、今回の事件について聞いてみると、「ありえない。M選手が気の毒でならない」とのコメントが返ってきました。


私は、特に日本大学側の対応について2つの点から論じるつもりです。

1.危機管理上の責任を負っているか?

2.目的を忘れた目標追及になっていないか?


1.危機管理上の責任を負っているか?

”Prepare for the worst”(「最悪に備えよ」)のスローガンを持つ、不始末に対する危機管理上の責任は(1)原状回復、(2)謝罪、(3)再発防止の3つです。

今回のことで一番日大に欠けているのは、経営者の一翼を担っているはずの常務理事でもある内田正人監督自らの謝罪の言葉です。
また、再発防止に向けての姿勢がまったく表明されていません。

日大は、初動対応の面で危機管理上の意識に欠けていたと言わざるを得ません。

本日、内田正人監督の記者会見が予定されているようですが、どういう発言が出るのか楽しみです。

2.目的を忘れた目標追及になっていないか?

内田監督の指導ぶりは「勝利至上主義」で、スポーツマンシップから程遠くなっていることがマスコミから指弾を受けています。

選手への信頼に欠け、長年のライバルである当面の敵の関西学院大学に勝つことにこだわる指導ぶりは、「優勝」の目標から、いかなる手段を用いても相手の主力選手をつぶそうとする指導法です。

もし私が記者なら、自軍の選手が同じことをやられたらどう対応するか内田監督にお尋ねしたいです。

私の考える指導は、「優勝」というゴール(「どこに向かって」の答えより前に、そこから手段が生まれる)の前に「何のために」の答えを導く「目的」が徹底されなければならないと考えます。

「優勝」「勝利」が先行すると、そのための手段として不正タックルという不適切な方法が生じてきます。

大切なことは、目的として大学生としてのスポーツマンシップを徹底することで、それは「仲間(ライバルを含めて)と信頼・協力しながら正々堂々とプレイする喜びを味わいながら切磋琢磨することによって人間的な成長を図ること」だと、アドラー心理学の立場から思うのですが、あなたはどうお考えでしょうか?

<お目休めコーナー>5月の花(19)

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