おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
年初、よりも(この言葉があるのかどうかわかりませんが)「年度初」の方が私に学びの意欲が高まっています。
昨日(4月5日)をもって年度初から3冊の本を読み終えたことになります。
『能力を磨くー A I 時代に活躍する人材「3つの能力」』(田坂広志、日本実業出版社、1,540円)
内容をごくごくかいつまんでまとめると、次のようです。
現在の高度知識社会において、知的労働の現場で仕事をするためには、次に5つの能力が求められるとしています。
第一 基礎的能力(知的集中と知的持続力)
第二 学歴的能力(論理的思考力と知識の修得力)
第三 職業的能力(直感的判断力と智恵の体得力)
第四 対人的能力(コミュニケーション力とホスピタリティ力)
第五 組織的能力(マネジメント力とリーダーシップ)
しかし、これからのA I 時代には第一と第二の能力をもとに仕事をしている人材は、A I に仕事を奪われていくことになる。
「活躍する人材になりたいのであれば、第三から第五の能力を磨かねばならず、この本ではその磨き方を説得力を持って教えてくれています。
知的労働の現場で仕事をする人の必読書です。
『サクッとわかるビジネス教養 地政学』(奥山真司監修、新星出版社、1,320円)については、昨日のブログで触れたのでご参照ください。
今月に入って読み始め、2日間で読み終えたのが『発達支援のためのアドラー心理学 ― どうすれば発達障害とされる子どもを勇気づけられるのか』(牛山 卓也&山口麻美、アルテ、1,980円)
共著者の一人の山口麻美さん (臨床心理士、公認心理師)からいただきました。
ぱらっと目を通した段階で、アドラー心理学好きの臨床心理士の牛山卓也さんとアドラー心理学を専門とする臨床心理士の山口麻美さんとの対話で展開される本で、『嫌われる勇気』の臨床心理学版と言ってもよさそうな本の印象を受けました。
読み終えてみると、山口さんの迫力とこの本の構成に唸り声を上げました。
山口さんが長年、発達障害とされる子どもに関わって来られたことが開花した本です。
その知識と経験が見事に生かされています。
構成としては、
(1)「架空事例場面」として”発達障害”が疑われる小学校5年生のレットさん(架空の人物)とアドラー心理学好きなユウキ先生(スクールカウンセラー)が一緒に課題に向き合い、そこにレットさんのお母さんと担任のケンジ先生も登場します。
(2)「対話場面」として共著者の二人の対話―主に牛山氏が疑問をぶつけ、山口さんがアドラー心理学の立場から「勇気づけ」や「共同体感覚」も盛り込んで回答します。
また、この回答が心憎いほど見事です。
(3)「解説」としては、山口さんがストーリーの中のトピックをアドラー心理学の立場から噛み砕いて語ってくれ、それに対して牛山氏がわかりやすい図解でまとめてくれています。
この本のプロセスも重要です。
アドラー心理学のカウンセリング・プロセスが(1)信頼関係の構築(横の関係の構築)、(2)見立て、(3)解釈、(4)再教育として語られています。
この本は、アドラー派のカウンセリングを学ぶ人の必読書としてお勧めします。
牛山さん、山口さん、格好のカウンセリング本を出してくれてありがとうございます。
◆昨日21:00から配信(祝日を除く)You Tubeヒューマン・ギルド「アドラー心理学専門チャンネル」で「アドラー心理学で考える よい人間関係の構築法(4)新生活の始め方」(永藤かおる講師)を配信しました。
https://www.youtube.com/channel/
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まだ「チャンネル登録」をされていない方は、この機会にどうぞ。
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