アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(4月12日)は会社に行かず午前中は家で仕事をし、午後は北豊島園自動車学校に行って、運転免許更新のための高齢者講習を受けてきました。

2時間のコースとしてメインは(1)教習所内の運転と(2)視力検査でした。

私の前の席の男性が視力検査を終えた後、何やら探し物をしていました。

そのことに気づいた教官が「どうかされましたか?」と尋ねると、「眼鏡をどこかに置き忘れました」との答え。

「今、かけてるじゃないですか」

眼鏡を頭に乗せていて忘れていると騒ぐ人はいますが、眼鏡をしながら「置き忘れた」と騒ぐ人に接したのは初めてのことでした。


私は54年ぶりに自動車学校での運転操作で免許取得にまつわる物語を思い出しました。

私が運転免許を取得したのは19歳の3月の時でした。

大学1年生が終わろうとする2月末に父親の経営する会社が倒産し、同じ大学に通う1学年上の兄と私は学資が懸念される状況で、別の会社を立ち上げた長兄の仕事を手伝っていました。

そんな私を心配した叔父(母の弟)は「お金を出してあげるからこの機会に運転免許をとりなよ」と教習所にかかる費用を全額援助してくれたのです。

その叔父には私と同じ学年であるはずだった長男がいました。

その従弟は子どものころに脳性小児まひを患い、生涯、学校に通うこともなく18歳になるかならないかの前年の2月にこの世を去っていたのです。

私を息子のように思っていた叔父は、私を不憫におもって援助してくれたのです。

その叔父は、40年ほど前にこの世を去りました。

その後のことです。

叔母に運転免許費用を叔父に出していただいていた話をしたら、叔母は「初めて聞いた」と驚いていました。

この叔父のこの世の最後のことは『勇気づけの心理学 増補・改訂版』(金子書房、1,980円)に実際の例として最後のパートに書いています。

尊厳ある死を迎えたいと常々奥様と語り合っていた松本さんは、人生最後の3ヶ月を心穏やかに過ごしました。
病室から見える木々が美しく、見舞う人の行為が優しく感じられました。
松本さんは、告知されて間もなくこの世を去りましたが、いつの間にか家族一人ひとりに遺書を書いていたようでした。
奥様宛ての遺書の一節は、次のように書かれていました。

「僕は、最高の幸せ者だ。その幸せは、君と結婚してからやってきた。とりわけ人生最後の日々、極上の幸せを実感できた。心の底から君に伝えたい言葉、それは『ありがとう』。もし、生まれ変わって、配偶者を選ぶことができるとしたら、僕はためらいなく君を選びたい。次の生を授かっても、もう一度結婚してくれるかい? 最愛の妻へ。さよならは言わないでおく。See you,again.」

「松本さん」としていますが、このモデルが叔父です。

最後まで尊厳に満ちた生き方を貫いた叔父でした。

叔父さん、ありがとう!

叔父さんの尊厳は、僕の中に生き続けているよ。

 

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