アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

「こだわり」のテーマで書き始めています。
ややマニアックですが、つき合ってください。

1.この土日は第8期オンライン開催アドラー心理学ベーシック・コース  の講師を務める以外は、ひたすらレコード鑑賞と読書、そして時々ChatGPTに時間を費やしていました。

このうちレコード鑑賞で印象にに残ったのは、ブルーノ・ワルターの指揮するベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の第一楽章の、いわゆるジャジャジャジャーンの2回繰り返しの部分でした。

高校の頃は、ほぼ毎日「運命」を聴いていて、2歳年上の兄もレコードのコレクターで、我が家にはフルトベングラー、トスカニーニ、ワルター、カラヤン、シュミット・イッセルシュテットのレコードがありました。
毎日聴いているうちに、こだわりの強い私は、ジャジャジャジャーンの2回繰り返し部分が指揮者によってだいぶ違うことに気づき、ストップウォッチで測定してみることにしました。
最短が確かトスカニーニで6秒、最長がワルターで12秒。
昨日も久しぶりに計測してみました。
私の記憶に間違いはありませんでした。12秒。

暗いくらーい青春時代の思い出にも触れましたが、こで私が言いたいのは「こだわり」のことです。
私がベートーヴェンの交響曲第5番「運命」にこだわり続けたのは病的で、「反復強迫」と称される、さまざまな動機によって同様の行動を繰り返し体験する傾向でもあります。
この「こだわり」が疾患レベルに及ぶのか、正常のレベルに留まるかは紙一重です。

2.「こだわり」が疾患レベルに及んで、「手洗いがやめられない」レベルに陥った、現役朝日新聞の記者の「強迫障害」体験記である『手洗いがやめられないー記者が強迫性障害になって』(佐藤陽著、星和書店、1,540円)を一昨晩に一気に読みました。

著者の 佐藤 陽(Yoh Satoh)さん を2010年12月から知り、本にもご登場の奥様の美和さんとも夫婦4人でお食事をしたことがある私は「佐藤さん、よくぞこの本を出版してくれましたね」と、「こだわり」の強い仲間として快哉を叫びたいです。

この本の概要については、佐藤さんご自身がヒューマン・ギルドの7月号のニュースレターに「著者による本の紹介:『手洗いがやめられない~記者が強迫性障害になって』」のタイトルで書いてくださっているので、省略します。
ただ、最後に「本書は、僕の闘病記であると同時に、夫婦の物語でもあります。みなさんが、この本から何かを得ていただければ、本望です」と書いているところだけを紹介するに留めます。

私がこの本でお伝えしたいことは、ご本人の体験だけでなく、治療法の紹介に加えて、治療者とのインタビューと対談、それに何と「まきこまれ」を避け「時に鬼嫁」の徹した美和さんとの対談までが網羅されていることです。

佐藤さんとの交流が長い私としては、この本を契機として佐藤さんがセルフ・インタレスト(自分自身へのこだわり)からソーシャル・インタレスト(他者・周囲への関心、仏教の「利他」、アドラー心理学の「共同体感覚」)への大転機になる本であることを書き添えておきたいです。

勇気を出してこの本を出された佐藤さんと、それを支えた美和さんに心からのエールを贈ります。
と同時に「こだわり」の強い人、関係者の方々がこの本を読まれることを強くお勧めします。

◆佐藤さんの体験がヒューマン・ギルドのアドラー心理学ゼミナールで語られます。

 ◆出版記念セミナー「手洗いがやめられない―記者が強迫性障害になって」
 書籍名『手洗いがやめられないー記者が強迫性障害になって』
 講師: 佐藤 陽(Yoh Satoh)さん(朝日新聞文化部be編集部記者)
 日程:7月17日(月・祝)11:00-13:00
 オンライン参加申し込み https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/1027
 会場参加申し込み https://www.hgld.co.jp/p_lecture/view/1028

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