○佛教大学宗教文化ミュージアム 夏期パネル展示『魅惑の仏たち-大阪・孝恩寺の木彫群-』(2013年7月20日~8月25日)
大阪(貝塚市)の孝恩寺と聞いても、知っている人は少ないのではないかと思う。私は、鉄道と仏像好きの友人に連れられて、2005年に一度だけ拝観したことがある。そのときの記事はこちら。半年くらい前、アクセスログに「孝恩寺」という検索ワードが急に増えた時期があって、何かあるのかな?と不思議に思っていた。この展覧会があることを知って、直接の関係があるかどうかは分からないが、勝手に納得した。
「パネル展示」というのだから、会場に仏像そのものは来ていないのだろう。でも写真パネルだけでも、あらためて見たいと思った。正直なところ「孝恩寺の木彫群」に、具体的にどんな仏像があったかというと、よく覚えてはいないのだが「とにかくすごかった」ことだけは、深く印象に刻み付けられていたので。
そこで、20日(土)、朝は右京区花園の法金剛院に寄って(別稿予定)、花園駅前からタクシーで佛教大学(仏教大学)広沢キャンパスに向かった。これは正しい選択だったと思う。
広沢池を見て、以前、五山送り火(いわゆる大文字)を見るために、ここに来たことを思い出した。そのとき「佛教大学ミュージアム」の案内板を見かけて、こんなところにあるのか、と思ったことも。道路を隔てて広沢池の南側にグラウンドがあり、その奥(南側)にミュージアムがある。
ほとんど人の姿がなかったので、少し心細く感じながら、中に入った。思わず受付に寄ってしまったが、観覧は無料である。右側が展示室になっていて、入ってすぐのスペースを使って、上述の写真パネル展示が開かれている。仏像の数は20件くらい。1体を、全身、頭部や細部の拡大など、さまざまな角度から捉えているので、パネルは50~60枚くらいあったと思う。かなり大判のパネル全面が写真で、変に芸術的な演出を加えようとしていないのに、にじみでている表情が素晴らしくいい。撮影者名に「長谷川望」とあるのを覚えて帰ってきたが、図録(後述)によると、大谷大学博物館長でいらっしゃるそうだ。
個人的には、地蔵菩薩立像とか難陀竜王立像の頭部UP写真がすごく気に入った。ほとんど木目が露出しているのだが、目と口には彩色(後補?)が残っている。その表情が丁寧で、生き生きと人間くさくて、とてもいい。いま、図録を見ていると、跋難陀竜王立像のUPもいい。鋭い彫り込み! それから、少し高慢な印象の、四角張った顔の十一面観音立像もいいなあ。
パネル展示の隣りは、佛大の大学資料展示。奥にもう1部屋、常設展示室があり、仏像、考古資料、民俗芸能資料などが展示されている。中国の章懐太子墓壁画の複製3件がよく出来ていて、見入ってしまった。
事務室から出てきたおじさんが、少し立ち話につきあってくれて、孝恩寺が佛大の副学長(田中典彦氏)のお寺であることを初めて知った。
孝恩寺の仏像はいずれも貴重な文化財なので外に出すことが難しく、今回はパネル展示しかできなかったが、できれば来年か再来年に、このミュージアムで仏像の展覧会をやりたいと思っていること(いいかな、書いてしまって)、しかし、同館はまだ登録博物館の認定を受けていないこと、などのお話をうかがった。
パネル展示には、個々の仏像について、あまり詳しい説明がついていなかったが、冒頭のあいさつパネルに「資料集の刊行を記念して」云々という記載があったので、それについても聞いてみた。そうしたら「ちょっと待って」と事務室に入り、床に積んであった紙袋をやぶいて、1冊抜き取って持ってきてくださった。本当は売り物になるはずの資料集ではないかと思うのだが「どうぞ」と1冊いただいてしまった。ありがとうございます。これには、孝恩寺木彫群のリストと解説2編が掲載されている。
展示の案内をいただけるという登録書を書いて、さて、バスの時刻表を調べようとしたら、「今なら外に止まっているバスに乗れますよ!お急ぎにならないと」とおじさんが教えてくれた。慌てて外へ出て、指さされた方角に走っていくと、広沢池の向かいにバスが止まっていて、私が乗り込むと同時に発車した。この「広沢池・佛大広沢校前」には、確か「1時間に1本しかバスがない」とおっしゃっていたので、あぶないところだった…。※1つ先の「山越」バス停は、もう少し本数がある。
突発的に決めた訪問だったわりには、いろいろラッキーで、仏縁を感じてしまった。本当にあの木彫群を並べての展覧会が開催されたらいいなあ。そうしたら私は必ず行く。今回の写真パネル展示も、ぜひ多くの人の目に触れますように。
大阪(貝塚市)の孝恩寺と聞いても、知っている人は少ないのではないかと思う。私は、鉄道と仏像好きの友人に連れられて、2005年に一度だけ拝観したことがある。そのときの記事はこちら。半年くらい前、アクセスログに「孝恩寺」という検索ワードが急に増えた時期があって、何かあるのかな?と不思議に思っていた。この展覧会があることを知って、直接の関係があるかどうかは分からないが、勝手に納得した。
「パネル展示」というのだから、会場に仏像そのものは来ていないのだろう。でも写真パネルだけでも、あらためて見たいと思った。正直なところ「孝恩寺の木彫群」に、具体的にどんな仏像があったかというと、よく覚えてはいないのだが「とにかくすごかった」ことだけは、深く印象に刻み付けられていたので。
そこで、20日(土)、朝は右京区花園の法金剛院に寄って(別稿予定)、花園駅前からタクシーで佛教大学(仏教大学)広沢キャンパスに向かった。これは正しい選択だったと思う。
広沢池を見て、以前、五山送り火(いわゆる大文字)を見るために、ここに来たことを思い出した。そのとき「佛教大学ミュージアム」の案内板を見かけて、こんなところにあるのか、と思ったことも。道路を隔てて広沢池の南側にグラウンドがあり、その奥(南側)にミュージアムがある。
ほとんど人の姿がなかったので、少し心細く感じながら、中に入った。思わず受付に寄ってしまったが、観覧は無料である。右側が展示室になっていて、入ってすぐのスペースを使って、上述の写真パネル展示が開かれている。仏像の数は20件くらい。1体を、全身、頭部や細部の拡大など、さまざまな角度から捉えているので、パネルは50~60枚くらいあったと思う。かなり大判のパネル全面が写真で、変に芸術的な演出を加えようとしていないのに、にじみでている表情が素晴らしくいい。撮影者名に「長谷川望」とあるのを覚えて帰ってきたが、図録(後述)によると、大谷大学博物館長でいらっしゃるそうだ。
個人的には、地蔵菩薩立像とか難陀竜王立像の頭部UP写真がすごく気に入った。ほとんど木目が露出しているのだが、目と口には彩色(後補?)が残っている。その表情が丁寧で、生き生きと人間くさくて、とてもいい。いま、図録を見ていると、跋難陀竜王立像のUPもいい。鋭い彫り込み! それから、少し高慢な印象の、四角張った顔の十一面観音立像もいいなあ。
パネル展示の隣りは、佛大の大学資料展示。奥にもう1部屋、常設展示室があり、仏像、考古資料、民俗芸能資料などが展示されている。中国の章懐太子墓壁画の複製3件がよく出来ていて、見入ってしまった。
事務室から出てきたおじさんが、少し立ち話につきあってくれて、孝恩寺が佛大の副学長(田中典彦氏)のお寺であることを初めて知った。
孝恩寺の仏像はいずれも貴重な文化財なので外に出すことが難しく、今回はパネル展示しかできなかったが、できれば来年か再来年に、このミュージアムで仏像の展覧会をやりたいと思っていること(いいかな、書いてしまって)、しかし、同館はまだ登録博物館の認定を受けていないこと、などのお話をうかがった。
パネル展示には、個々の仏像について、あまり詳しい説明がついていなかったが、冒頭のあいさつパネルに「資料集の刊行を記念して」云々という記載があったので、それについても聞いてみた。そうしたら「ちょっと待って」と事務室に入り、床に積んであった紙袋をやぶいて、1冊抜き取って持ってきてくださった。本当は売り物になるはずの資料集ではないかと思うのだが「どうぞ」と1冊いただいてしまった。ありがとうございます。これには、孝恩寺木彫群のリストと解説2編が掲載されている。
展示の案内をいただけるという登録書を書いて、さて、バスの時刻表を調べようとしたら、「今なら外に止まっているバスに乗れますよ!お急ぎにならないと」とおじさんが教えてくれた。慌てて外へ出て、指さされた方角に走っていくと、広沢池の向かいにバスが止まっていて、私が乗り込むと同時に発車した。この「広沢池・佛大広沢校前」には、確か「1時間に1本しかバスがない」とおっしゃっていたので、あぶないところだった…。※1つ先の「山越」バス停は、もう少し本数がある。
突発的に決めた訪問だったわりには、いろいろラッキーで、仏縁を感じてしまった。本当にあの木彫群を並べての展覧会が開催されたらいいなあ。そうしたら私は必ず行く。今回の写真パネル展示も、ぜひ多くの人の目に触れますように。