○京都国立博物館 特別展観『遊び』(2013年7月13日~8月25日)
あまりお客がいなかったのは、金曜の夜間開館が定着していないためだろうか。「午後8時まで」って、京都人にも旅人にも、かなりありがたいサービスだと思うのだが。本展は、美術品の中に見る「遊び」の姿を、9つのセクションに分けて提示する。テーマは「神々から人へ」「酒宴のたのしみ」「年中行事」「遊山」「遊興」「清遊」「動物のたわむれ」「室内の競技」「子供の遊び、雑技、曲芸」の9つ。
基本的には同館のコレクションで構成されているようだが、初公開品や初見の作品があって、あなどれない。一番、おっ!と驚いたのは、長沢蘆雪の『群猿・唐子図屏風』の右隻(群猿図のほう)。油絵のような、こってりした色彩(赤と黒)の岩山と、水墨でさらりと描いた猿たちの対比が、まるで近代日本画のような小憎らしさ。所蔵者表記がないけど、個人蔵なのかな…。
日本美術が中心だが、ときどき中国美術が紛れ込んでいる。私は清・曽衍東筆『賭場図』の密度の高い人間臭さをとても面白く見た。明代の『楊妃撃丸図』はポロの図。女性チーム×男性チームなのだろうか。嫋嫋とした美女の楊貴妃が、まさに柳眉を逆立て、髷を傾け、馬を駆ってボールを追う。髭の男たちがそれを取り囲み、追いつめる。どことなくエロい。そして、遊園地の乗り物みたいな斑馬がかわいい。
小袖・振袖・法被などの装束類は、ふだん熱心に見ることが少ないので、面白かった。『七夕文様帷子』は涼やかで、細身の美女に羽織らせたい。『賀茂競馬文様小袖』は私が欲しい。あと『片身替蒔絵螺鈿双六盤』(京都・三時知恩寺蔵)には、やっぱり反応してしまうなあ。筒が伝わっていないのが残念。
見終わって、まだ外が明るかったので、法住寺に寄っていく。御陵もお寺も閉門していたが、それとなく後白河院に挨拶していく自己満足。
あまりお客がいなかったのは、金曜の夜間開館が定着していないためだろうか。「午後8時まで」って、京都人にも旅人にも、かなりありがたいサービスだと思うのだが。本展は、美術品の中に見る「遊び」の姿を、9つのセクションに分けて提示する。テーマは「神々から人へ」「酒宴のたのしみ」「年中行事」「遊山」「遊興」「清遊」「動物のたわむれ」「室内の競技」「子供の遊び、雑技、曲芸」の9つ。
基本的には同館のコレクションで構成されているようだが、初公開品や初見の作品があって、あなどれない。一番、おっ!と驚いたのは、長沢蘆雪の『群猿・唐子図屏風』の右隻(群猿図のほう)。油絵のような、こってりした色彩(赤と黒)の岩山と、水墨でさらりと描いた猿たちの対比が、まるで近代日本画のような小憎らしさ。所蔵者表記がないけど、個人蔵なのかな…。
日本美術が中心だが、ときどき中国美術が紛れ込んでいる。私は清・曽衍東筆『賭場図』の密度の高い人間臭さをとても面白く見た。明代の『楊妃撃丸図』はポロの図。女性チーム×男性チームなのだろうか。嫋嫋とした美女の楊貴妃が、まさに柳眉を逆立て、髷を傾け、馬を駆ってボールを追う。髭の男たちがそれを取り囲み、追いつめる。どことなくエロい。そして、遊園地の乗り物みたいな斑馬がかわいい。
小袖・振袖・法被などの装束類は、ふだん熱心に見ることが少ないので、面白かった。『七夕文様帷子』は涼やかで、細身の美女に羽織らせたい。『賀茂競馬文様小袖』は私が欲しい。あと『片身替蒔絵螺鈿双六盤』(京都・三時知恩寺蔵)には、やっぱり反応してしまうなあ。筒が伝わっていないのが残念。
見終わって、まだ外が明るかったので、法住寺に寄っていく。御陵もお寺も閉門していたが、それとなく後白河院に挨拶していく自己満足。
