見もの・読みもの日記

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張家界・鳳凰古城2016【3日日】武陵源→鳳凰古城

2016-08-19 22:12:50 | ■中国・台湾旅行
朝は索渓谷自然保護区の宝峰湖で遊覧船観光を楽しむ。ガイドの王さんが「ベトナムのハロン湾の風景に似ていると言われます」と言っていたが、確かにそんな感じ。湖岸にしつらえた小屋に民族衣装の歌い手さん(男性・女性)が待っていて、通りすがりに船の中から拍手で呼ぶと、民謡をひとふし歌ってくれる。



お茶屋さんに寄って、土家(トチャ)族の苺茶などを試飲し、ショッピング。午後は昨日に続き、森林公園地区の中に入って、金鞭渓流を観光。この銅像は、画家の呉冠中(1919-2010)で、あまり知られていなかった武陵源の絶景を絵に描き、世の中に広めた人なのだそうだ。



そう言われても思い出せなかったが、2012年の東京国立博物館『中国山水画の20世紀 中国美術館名品選』に作品が出ていて、私は、わざわざ名前を挙げて「すごく好き」と書き留めていた。ガイドの王さんの説明では、伝統的な山水画を描いたように聞こえたが、抽象画のような、全く新しい墨画を描いた人である。

それにしても、武陵源地区が1980年代に発見された名勝である、というのも面白い。そのため、中国の名勝古跡にありがちな、岩壁に刻まれた大きな文字(たいてい赤く塗ってある)が全くないのが、非常に新鮮でよい。

金鞭渓流の遊歩道では野生のサルに遭遇。アカゲザルという種類らしい。ニホンザルに似ているが尻尾が長い。しかし、姿勢によっては尻尾を尻の下に巻き込んで座るので、素人には、ニホンザルと区別がつかない時がある。東博の名品、南宋絵画の『猿図』はこのサルだろうか、と思う。



当初、この日は高速道路で一気に鳳凰古城に向かい、翌日、苗(ミャオ)族の村を観光しながら張家界に戻ることになっていたが、予定を変更。観光最終日に余裕を持たせるため、この日は一般道を走って、5時間以上かけて鳳凰古城に向かう。車窓から眺める人々の生活風景が楽しい。全土に高速道路網が張り巡らせる前の、90年代くらいの中国旅行を思い出して、懐かしかった。

日が傾く頃、ミャオ族の村に到着。険しい山に張り付いた一本道で、どこに村があるのかと思ったら、車道から川に向かって下りていく斜面に瓦屋根の木造家屋が肩を寄せ合うように固まっている。人々が普通の生活を営みながら、その一部を観光客に公開していた。



村の入口に「脱貧到小康」というスローガンが掲げられていたけれど、こうした観光収入も役に立っているんだろうか。



渋滞に苦しみながら、鳳凰古城(湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州鳳凰県)に入り、ホテルに到着したのは夜の9時過ぎだった。夕食後、ガイドさんの案内で、徒歩でライトアップを見に行く。ライトアップと聞いて、嫌な予感(笑)がしていたが、中国人って、ほんとにやることが徹底している。



水量豊富な沱江(だこう)には、新旧さまざまな橋がかかる。水遊びで涼をとる家族連れ、川沿いのバーやディスコで楽しむ若者など、深夜になっても賑やか。



ガイドさんが引き上げたあとも、ツアーの仲間と自由散策を楽しみ、ホテルに戻ったのは午前0時過ぎだった。こういう盛りだくさんの1日も、むかしの中国ツアーみたいで懐かしかった。

(8/22記)
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