以下、備忘として。人形浄瑠璃文楽は新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年4月の大阪公演以降、ずっと中止が続いていたが、8月末に大阪・国立文楽劇場で「素浄瑠璃の会」と「若手素浄瑠璃の会」が開催され、ようやく公演再開の目途が立ち始めたように見えた。
東京・国立劇場の9月文楽公演(2020年9月5日~9月22日)は、久しぶりに舞台形式での上演。初日に駆け付けたいと思ったが、用事があったので、2日目(9月6日)の第3部のチケットを取っていた。土曜の夜おそく、初日を見たひとの感想でも流れていないかなと思ってSNSを立ち上げたら、驚きのニュースが。
・国立劇場の文楽公演、再開初日に中止 スタッフに微熱(2020/9/5 朝日新聞デジタル)
5日(土)(第2部~第4部)、6日(日)(第1部~第4部)が公演中止だという。ネットで詳しい情報を漁ったら、初日の第1部は予定どおり公演が行われ、第2部のお客さんが入っている状態で急遽「中止」の判断が下ったのだそうだ。お客さんたちは怒らず、「仕方ない」という反応だったとうのがせめてもの救いか。実は、私は今日6日(日)第3部『絵本太功記』のチケットを持っていたのである。くそぅ…。
7日(月)以降はスタッフのPCR検査の結果次第という発表だったが、今日、公演再開のお知らせが出た。陰性が確認されたのだそうだ。よかった。
・【9月文楽】公演再開のお知らせ 〈7日(月)から〉(2020/9/6 国立劇場)
来週末には第1部と第2部のチケットを取ってあるので、半年ぶりの舞台を楽しめそうだ。でも一番見たかった演目は第3部なので、これはチケットを取り直そう。まだ残席はあるかしらと確認したら、けっこう残っていた。東京の文楽公演にしては売れ行きが芳しくない。ファンの平均年齢が高いので、まだナマの観劇には躊躇があるのではないかと思う。
演員に高齢の方が多いのも心配な点。本公演は、初日の前日9月5日に、豊竹咲太夫さんの体調不良による休演が発表されている。PCR検査の陰性は確認されているとのことだが、新型コロナの影響で公演回数が開催できず、結果的に、今しか聴けない熟練の芸を聴ける機会が減ってしまうのは本当に残念なことだと思う。
文楽話のついでに書いておくと、8月20日に嶋太夫さんが亡くなられた(報道は8月24日)。88歳。引退公演は2016年2月、4年前だから、まだ鮮明にお声と語り口を覚えている。大好きでした。