「ここでやめたらオレたちゃなんだ、ただの馬鹿じゃないか」
王立宇宙軍シロツグ・ラーダット大佐の言葉……それ、作品違うって。
表紙イラストは残念。下手な人ではないけれど、どうも何かが気にいらなくて、ずーっとずーっと理由を考えていて(というのは内容の感想は「面白い!」のひとことで決まりだったから)、ハタと気がついたのは「主人公2人が空を見ていない」ということ。
いつのどんなシーンなのか?なんてのはどうでもいい。ただ、あそこまで頑張って紆余曲折して人を殺しかけたり死にかけたり人生を棒に振る覚悟までして目差したロケットの打ち上げを、たとえ試作品の何本めかにしても最後まで見送らずに振り向かせたらいかんだろ?……という感想をいだいてしまうくらい熱い思いが詰め込まれた1冊。
中学時代はイジメを受けながら電波の飛びまくったハガキをラジオ番組に投稿し続けていた褐葉貴人も、遙か太平洋上の孤島で高校デビュー。大財閥・那須霞グループ創始者の孫娘である翠の手下となり、クラスの安定と進学率の向上をめざして陰からクラスを動かしている。
ところが、時季外れの転校生としてやって来た美少女・久遠かぐやが、何故か褐葉の過去を知っていたことから、衛星軌道に届くロケットを開発しなければいけなくなり……。
とにかく冒頭で予想した以上のテンポで話が進み、期待した以上に話が二転三転し、それでも登場人物にはきっちり存在する意味が与えられ、迷走しながらもお約束の結末に持っていき、そこで「良い思い出」で終わらせたら単なる青春小説、なにもかもあからさまに説明してしまったら「それなんていうケータイ捜査官?」という安易な展開になるところをあえて踏みとどまり、終わった終わったでエピローグを向かえたところでさらにくるくる1回転半くらいするストーリー運び。『魔竜院光牙最後の闘い』かと思えばそうならず、ならば『ロケット・ボーイズ』かと思えば『なつのロケット』(あさりよしとお)のテイストも漂いだし……。
「なんでもかんでも自分のせいだ、なんて思いたがるのは、ただの自己愛よ!」
久遠かぐやの言葉。
でも、確かに「雑用係」というと単なる下働きだけれど、その役割の本質は「総務」であり、それをテーマに合わせて言い換えると「プロジェクト・マネージャー」になるんだよなと『星虫年代記』を思い起こしながら頷きました。読んでいて良いように転がされましたが、今年を締めくくるのにふさわしい作品でした。
あの最後の6月からの50頁をへたにいじらず、そのままの勢いで映像化してくれるなら、あのヒロインかぐやのオヤジ感性の口の悪いセリフをそのまま喋ってくれるなら、邦画だろうとOVAだろうと観てみたいよ。
【ほうかごのロケッティア】【大樹連司】【しずまよしのり】【ミッション・スペシャリスト】【南の島】【スクール・カーストごっこ】【ケータイ】【ロケット部】【オタク】【高校デビュー】【王立宇宙軍】【龍勢】【プラネテス】【ブラジル国債】【ネネカ隊】【ツンデレ】【太平洋戦争】【ロケットとはシグルイなり】【トトロ】【黒人霊歌】
王立宇宙軍シロツグ・ラーダット大佐の言葉……それ、作品違うって。
表紙イラストは残念。下手な人ではないけれど、どうも何かが気にいらなくて、ずーっとずーっと理由を考えていて(というのは内容の感想は「面白い!」のひとことで決まりだったから)、ハタと気がついたのは「主人公2人が空を見ていない」ということ。
いつのどんなシーンなのか?なんてのはどうでもいい。ただ、あそこまで頑張って紆余曲折して人を殺しかけたり死にかけたり人生を棒に振る覚悟までして目差したロケットの打ち上げを、たとえ試作品の何本めかにしても最後まで見送らずに振り向かせたらいかんだろ?……という感想をいだいてしまうくらい熱い思いが詰め込まれた1冊。
中学時代はイジメを受けながら電波の飛びまくったハガキをラジオ番組に投稿し続けていた褐葉貴人も、遙か太平洋上の孤島で高校デビュー。大財閥・那須霞グループ創始者の孫娘である翠の手下となり、クラスの安定と進学率の向上をめざして陰からクラスを動かしている。
ところが、時季外れの転校生としてやって来た美少女・久遠かぐやが、何故か褐葉の過去を知っていたことから、衛星軌道に届くロケットを開発しなければいけなくなり……。
とにかく冒頭で予想した以上のテンポで話が進み、期待した以上に話が二転三転し、それでも登場人物にはきっちり存在する意味が与えられ、迷走しながらもお約束の結末に持っていき、そこで「良い思い出」で終わらせたら単なる青春小説、なにもかもあからさまに説明してしまったら「それなんていうケータイ捜査官?」という安易な展開になるところをあえて踏みとどまり、終わった終わったでエピローグを向かえたところでさらにくるくる1回転半くらいするストーリー運び。『魔竜院光牙最後の闘い』かと思えばそうならず、ならば『ロケット・ボーイズ』かと思えば『なつのロケット』(あさりよしとお)のテイストも漂いだし……。
「なんでもかんでも自分のせいだ、なんて思いたがるのは、ただの自己愛よ!」
久遠かぐやの言葉。
でも、確かに「雑用係」というと単なる下働きだけれど、その役割の本質は「総務」であり、それをテーマに合わせて言い換えると「プロジェクト・マネージャー」になるんだよなと『星虫年代記』を思い起こしながら頷きました。読んでいて良いように転がされましたが、今年を締めくくるのにふさわしい作品でした。
あの最後の6月からの50頁をへたにいじらず、そのままの勢いで映像化してくれるなら、あのヒロインかぐやのオヤジ感性の口の悪いセリフをそのまま喋ってくれるなら、邦画だろうとOVAだろうと観てみたいよ。
【ほうかごのロケッティア】【大樹連司】【しずまよしのり】【ミッション・スペシャリスト】【南の島】【スクール・カーストごっこ】【ケータイ】【ロケット部】【オタク】【高校デビュー】【王立宇宙軍】【龍勢】【プラネテス】【ブラジル国債】【ネネカ隊】【ツンデレ】【太平洋戦争】【ロケットとはシグルイなり】【トトロ】【黒人霊歌】