
1939年11月にソ連と小国フィンランドの間で勃発した冬戦争。戦車・装甲車3000両、航空機2500機を擁し、その延べ兵力は150万にも達するというソ連軍に対して、迎え撃つフィンランドは人口すべて合わせても370万人で装備は旧式ばかり。各国はソ連の無法な侵略に抗議の声を上げても積極的に動くことはありませんでした。
けれどもフィンランド軍は戦い、持ちこたえました。雪に閉ざされたフィンランドでいったい何が起こったのか……豊富な写真とともにその経緯を語ります。
「我々は、我軍の将兵の死体を埋めるのにちょうどよいくらいの土地を獲得した」
あるソ連の将軍の言葉。
でも、一般的には「冬戦争」はおろか「独ソ戦」すらマイナーなんだよね。
大多数の日本人にとって、「第二次世界大戦」とは「太平洋戦争」であり、せいぜい満州までの認識なのかも知れません。
ただ、いくら正しくても誰も助けてくれないことは幾らでもある、それでも戦わなければいけないときがあるということを突きつけてくれる本書は必読だと思います。(2008-02-12 2012-06-07改稿)
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