付け焼き刃の覚え書き

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「宇宙軍士官学校10」 鷹見一幸

2016-05-15 | ミリタリーSF・未来戦記
「ものごとをはっきりさせないまま維持するのは、得意です」
 〈箱船〉閉鎖生産系の処理を担当する中島弥平には、物事に白黒をつけようとする欲求が乏しい。だから、有能な女性副官2人を従えていられるのだ。

 粛清者の猛攻は規則正しく繰り返される。その意図は何なのか。防衛側にパターンを予測させる意味はあるのか。しかし、相手の戦力が予想できるとはいえ、限りない侵攻に防衛艦隊は次第に疲弊しつつあった。
 その間にも地球脱出計画は着々と進むが、地球の脱出船団は他の星の人類種族が驚くほど自然環境や食料生産に貴重な空間を費やしていた。
 故郷の食べ物を失ったとき、その自然を失ったとき、その星は本当に消えてしまうのだ。だから地球人は少しでも人が乗り込む空間を確保すべきときにも、そのための空間を惜しまなかった……。

 物語もいよいよクライマックス。援軍は間に合うのか、地球は滅びるのか、脱出船団は逃げ延びられるのか、激戦が繰り広げられるのか展開するのは宇宙の塹壕戦だった……というラス前。

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