ヤニアの民会は勝った勝ったと喜び、どれだけ賠償をふんだくれるかの議論に余念がないが、実際に指揮して戦ったフランはこれで戦いが終わったとも勝ったとも考えていない。父と長兄が戦死したのを幸いに、次兄オウメスがコフの支配者となり王制を敷いたのだ。彼は必ず攻めてくる。しかし、ヤニアは彼の言葉を聞かないだろうし、功労者である小百合家を話し合いの場から閉め出している。
ならばフランにできることは、自分が指揮できる私兵を集めることだけだが、それはまかせておけとドリドのイリューイリドは言うのだ……。
「変わった姿の娘さんたち、ここには居場所があります。そういう人が好きな、神話級特殊性癖の貴族の若様もいます！」
絶対確実、あなたでもいける！とフランの悪口かと思ったら人材募集の広告だった。
「神話級特殊性癖」というのは一発ネタかと思ったら、どうやらこれで最後まで押し通すみたい。『マージナル・オペレーション』が「子供使い」なら、こちらは「神話級特殊性癖」。実戦を乗り越えて、まだこの甘さなのは気になりますが、とにもかくにも彼の箱船は動き出しました。
さて、『黒剣のクロニカ』といい『マージナル・オペレーション』といい、ヒロインはかわいくて強いのに、基本ポンコツなのはどうしてでしょうか？
【黒剣（くろがね）のクロニカ02】【芝村裕吏】【しずまよしのり】【星海社Fictions】【超巨弾ファンタジー】【どれも違ってどれもいい】【脱ぐのは市民の自由だ】【牛乳】
