付け焼き刃の覚え書き

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「曲直瀬道三」 山崎光夫

2018-10-03 | 時代・歴史・武侠小説
「どんな夢を叶えるにも健やかな心身が必要です。戦いに勝つにも心身の健康があってこそ、まちがいなく策が講じられ戦えるというものです」
 『太平記』からも学べただろうと、曲直瀬道三が毛利元春に説いた言葉。

 戦国時代にあって特定の誰かの侍医となることはなく、、市井の人々から多くの武将までわけへだてなく診療し、信頼された医師がいた。曲直瀬道三である。
 毛利元就の診療に尼子攻めのさなかの陣を訪れた道三を、深夜に密かに訪ねた使者があった。敵方の陣中、尼子義久の様態を見て欲しいというのである……。

 天皇、足利将軍から三英傑までを診たという医師の生涯を、足利学校の同期にして友人、そしてライバルの西一鷗との関係を中軸に描いた歴史小説。戦国時代をテーマにした小説やドラマの5つに1つくらいは最低限名前が出てくるような医者ですが、彼を主役にした作品は多くありません。李朱医学など漢方から鍼灸まで詳しくないと書く文章に説得力がなくなるので、単なる戦国武将以上に難しいのかもしれません。

【曲直瀬道三 乱世を医やす人】【山崎光夫】【東洋経済】【誰も書けなかったその生涯】【月刊誌「和漢薬」】【天下布武】
コメント
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