ジェネシス星は地球との戦争で劣勢を強いられていた。しかし、科学技術の発展と共に環境汚染が進んだ地球にとってジェネシスは失ってはならない植民地であり、一方、科学技術の受入を最低限にとどめ、自然と共生する宗教に立脚しているジェネシスにとっては何としても独立を勝ち取りたい。思想の根本的な部分が食い違う両者に和解の道はない。戦闘機パイロットの少女ノエミは、30年前に遺棄された地球の調査船の中からアベルという人間そっくりの人型ロボットを発見する。アベルの知識の手に入れたノエミは、戦争終結のためにゲートをくぐって旅立った……。
戦争に勝てそうにないから、広大な宇宙空間を直結しているワームホールのゲートを閉鎖しちゃえばいいんじゃない？と断絶への航海に旅立つ主従の物語。ラノベ的というよりヤングアダルト的な冒険譚で、作者はスター・ウォーズのスピンオフ小説「ロスト・スターズ」とか書いている人なので、つまりそういうノリ。
戦争はやめよう！と和解の道を選ばず、断絶して孤立しちゃえというのは、スペースオペラ的には文明衰退の要因なんだけれど、もともと宗教コミューン的な世界だから気にしないのかな。
【円環宇宙の戦士少女】【クローディア・グレイ】【クラウディア・グレイ】【ハヤカワ文庫ＳＦ】【ボーイ・ミーツ・ガール】
