付け焼き刃の覚え書き

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「ハズレ判定から始まったチート魔術士生活」 篠浦知螺

2019-10-31 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
「命懸けって言われても、今ひとつピンと来ないんだよねぇ」
 生き残るためには命懸けの鍛錬が必要と言われても、死にかけても結局すぐに回復したし、召喚で戦闘も楽にこなせたので、あまり実感の湧かない健人。この実感のなさ、後にしこりを残さないポジティブな鶏頭ぶりが、この状況が過酷な話を深刻に読ませない秘訣なんでしょう。

 ある日、ある中学校の2年生全員が、教師ともども異世界に転移させられた。その国の王女が、戦力不足を補うために禁呪を用いて彼らを召喚したのだ。脅されて、隷属の腕輪で強制的に戦うための訓練を強いられる中学生たち。しかし、魔力判定に反応しなかった国分健人はその機会すら与えられず、魔獣が跋扈する魔の森へ何ひとつ与えられないまま放逐されてしまう。
 案の定、ゴブリンの群に襲われ、はらわたを引き裂かれる健人は、死の間際にその能力を発現した。闇属性の死霊術によるスケルトン召喚と、光属性の魔術である治癒である。相反するレアスキルが拮抗して魔力判定に反応しなかったのだ……。

 中学生が学年丸ごと異世界に召喚されたけれど、主人公だけ使い物にならないと放り出され死にそうになり、でも、実は主人公こそチートな能力の持ち主で……と、典型的な集団異世界転移もので、宣伝もその路線で押してるんだけれど、展開が早くて、起伏が激しくて、この手の話としてはかなり面白く、飽きずに読んでます。
 まずは真面目に庭師の手伝いをしたり、石積み仕事などで地道に居場所作りと生活資金稼ぎですが、一方で同級生救出作戦も考えないといけなくて、てんてこ舞いです。

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コメント
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