付け焼き刃の覚え書き

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「時の深き淵より」 エドガー・ライス・バロウズ

2019-11-02 | 冒険小説・旅行記・秘境探検
 60年代末から70年代にかけて創元推理文庫とハヤカワ文庫から、それぞれ刊行されていたバロウズの太古世界シリーズの3冊目。創元版は後に全3作が合本として「時間に忘れられた国」として復刻されましたが、こちらは復刊のないハヤカワ版。

 ナチスの潜水艦U33に襲われた商船員たちは逆に拿捕に成功したものの、絶海の孤島キャスバックに漂着してしまった。しかも、Uボートは再びドイツ人によって奪還され、島を脱出してしまう。
 残された航海士ブラッドリーたちは帰還の方法を探るが、島には恐竜や剣歯虎ばかりでなく、自分以外の生き物を殺すことがその文化となっている邪悪な有翼人たちの勢力が存在していた……。

 最近ではまったく見ない巻末解説がポイント。福島正実による秘境SFのジャンル解説やその歴史が、ヴェルヌの「地底旅行」から小栗虫太郎の「有尾人」まで、未翻訳作品も大量に含めて語られているので、それだけでも一読の価値があります。

【時の深き淵より】【太古世界シリーズ3】【エドガー・ライス・バロウズ】【斎藤和明】【ハヤカワ文庫SF】【ロスト・ワールド・テーマ三部作】
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