付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「北海道の現役ハンターが異世界に放り込まれてみた」 ジュピタースタジオ

2019-11-12 | 異世界転移・召喚
「人間なんてカラスみたいに利口じゃないし、キツネみたいに用心深くないし、シカみたいに逃げ足早いわけじゃないしクマみたいに怖くない。どうして人間なんか撃ちたくなるのか、俺ら猟師にゃ全く理解できねえな」
 「人は銃を持つと人間を撃ちたくなる」とか言われることもあるけれど、そんなことはないと猟友会の会長が銃乱射事件のニュースを見ながら。

 北海道の地方公務員、中嶋進はハンターとして害獣駆除に参加していたが、手負いの狂暴化したヒグマに襲われそうになっている子供を助けて命を落とした。それを見つけた異世界の女神ナノテスは、「子供を守ってヒグマに立ち向かった勇気」を見込んで進を召喚することにした。いずれ発生する魔王対策に勇者を召喚するときの練習を兼ねて……だ。
 そんな進がナノテスから与えられたのは〈マジックバッグ〉だけ。しかし、中にお金を入れると両替された上で「猟銃や弾とかのハンティング用品が買える」という機能が付いていた。
 果たして剣と魔法の異世界で現代日本のハンターが通用するのだろうか……。

 のんびりした空気の主人公にしっかりもののエルフの巨娘が繰り広げる、ハトの駆除からヒュドラ退治まで、ノミの夫婦の狩猟生活。
 雰囲気はほのぼので、実銃のウンチクと狩猟知識が満載だけれど、よく読めばそんなにほのぼのとした世界ではなくて、「盗賊は殺せ」「殺される前に殺せ」の殺伐とした世界です。盗賊なんか捕まえたってどうせ死刑で、へたに捕まえようとして逆襲されたり逃がす危険を冒すのはバカモノだという世界観に主人公は案外とあっさり馴染みます。馴染まないと死ぬんですけど。悪党は害獣だ!な世界ですね。

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